別紙1

「遺伝と変化」研究領域活動・事後評価報告書
-平成11年度終了研究課題-

平成12年2月15日
領域総括 豊島 久真男

1. 研究領域の概要
 種や個体の同一性を維持する「遺伝」の機能と、細胞、組織、器官、個体あるいは種における形態や生理機能の多用様性を生み出す「変化」の機能に着目するものです。具体的には、遺伝子の複製、細胞の増殖、組織や器官の再生、個体の生殖などに代表される複製に関する研究、及び、突然変異、ウイルスの迅速な自発的変化機構、発がんに代表される脱分化、免疫応答、遺伝子の選択的発現機構、細胞の組織や器官への分化などに代表される変化に関する研究を含みます。
2. 研究課題、研究者名
別紙一覧表参照
3. 選考方針  
 基本方針:1)審査は「遺伝と変化」領域に設けた選考委員会(9名)で行う。2)審査方法は、書類審査、面接審査及び総合審査とする。3)独創的な発想に恵まれ、活力に富み、自ら研究を実施する者を優先する。4)基礎的な研究(理論的研究を含む)を対象とする。5)審査は、書類審査結果、面接審査結果に研究実施の条件等を加味して総合的観点に立って行う。
4. 選考の経緯
審査 書類審査 面接審査 採用者数
対象数 237人 22人 11人
5. 研究実施期間
平成8年10月~平成11年9月
6. 領域の活動状況
領域会議:6回(うち公開1回)、分科会7回
研究報告会:東京、大阪各1回実施(公開)
領域総括の研究研究実施場所訪問:研究開始に際し全研究者訪問。 
7. 評価の手続き
領域総括個人が研究者からの報告・自己評価を基に領域アドバイザーの協力を得て行った。
(評価の流れ)
平成11年9月 研究期間終了
平成11年12月 研究報告会を大阪で開催
平成12年1月まで 研究報告書及び自己評価提出
平成12年2月 領域総括による評価
8. 評価項目
(イ) 外部発表(論文、口頭発表等)、特許、研究を通じての新たな知見の取得等の研究成果の状況
(ロ) 得られた研究成果の科学技術への貢献
9. 研究結果
 1期生、2期生の経験から、3期生も変化に富んだ面白い人選が出来そうな予感があった。3期生については、1名多い11名を採用することが出来たが、予感通り、実にバラエティーに富んだ将来の楽しみなメンバ-になった。十分な研究実績があり、国外留学も終えた研究者から、大学院終了直後の若手まで、共通していることは、夫々の研究者が、ここをやってみたいというモチベーションを明確に持っているということだろうか。今回は女性研究者も2人、いずれもベテランの域に入りかけの実力のある研究者であった。 脳、神経関係の研究が多かったのは、やはり現在の興味の焦点がそこにあることから、当然の結果であったと思う。夫々の研究者が、自分の立場を主張したユニークな研究を進めて来たと思う。また、1期生と2期生の発表や討論参加も非常に刺激になって良かったと感じている。
 個人個人については、さきがけ研究者としてのスタート時点で既に、個人研究ではあっても、完成度が高く、すぐにでも研究費をとれるのではないかと予想された研究者は、研究展開の基礎固めをして、一段上の研究へと発展して行きつつあるし、若手は一応の結果を出して、国外留学等を考える段階に入っている。また、推進委員側からは、さきがけ研究ぐらいしか研究費のあたる領域はないだろうなと思われたユニークな研究も、次第に夫々の研究領域で存在感を示し、受け入れられるように展開しつつある。
 10年後が楽しみで、本当にうまく選考し、うまく進められたと自己満足している。外部評価はもっと辛いものになるだろうが、10年後に今一度、内外両方の評価機会が欲しいものだ。なお、個別研究課題についての評価は各研究課題別研究評価に記載。
10. 評価者
領域総括:豊島 久真男

領域アドバイザー氏名
江口 吾朗 熊本大学学長
喜多村 直実 東京工業大学 生命理工学部 教授
谷口 維紹 東京大学大学院医学系研究科 教授
中西 重忠 京都大学大学院 医学研究科 教授
廣近 洋彦 農業生物資源研究所 分子遺伝部 ゲノム動態研究室長
堀田 凱樹 国立遺伝学研究所 所長
松本 邦弘 名古屋大学大学院理学研究科 教授

参考


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