若手研究者の声

HOME >> 若手研究者の声

異分野でも博士力を発揮する事ができました。

テクノスデータサイエンス・マーケティング(株)
楊 帆氏 (エンジニアリング部門)

 私は筑波大学の生命環境科学研究科で2012年3月に博士号を取得し、1年間PDとして同じ研究室で研究を継続しているうち「世界が何を求めているのか、自分は何ができるのか」を考え続けました。 広く実業界で自分の持てる博士力を発揮できる場を探したいと思い、指導教授から筑波大学グローバルリーダー養成プログラムを紹介して頂き養成者公募に応募し、2013年2月に養成者として採用されました。その後グローバルリーダーキャリア開発講座を受講して、博士人材が広く社会で活躍する為に不可欠な教養を深め、視野を拡げる事に努め、ビジネス実務能力を養う事が出来たと思っています。複数のインターンシップ先とのマッチングを行い、前職場で2013年5月から7月末までの3ヶ月間のインターンシップを行いました。 博士・PD時代の研究は流域環境における衛星リモートセンシングの応用です。人工衛星から送信されたデータを掘り出して環境分野に広域の情報発信するのがテーマでした。インターンシップ先ではデータマイニング技術でビッグデータを分析する事が主業務で共通点があり、ビッグデータの真価を商業戦略にどういう貢献ができるのかを非常に興味があって、この業種で自分の博士力を活かしたいと思ったからです。
 私が考えた博士力とは、1)(日々の研究生活で育てた)課題に対する理解力 2)(論文投稿時の査読者との対決で磨いた)コミュニケーション力 3)(研究最前線で情報収集しながら)自分でテーマを見つける力です。博士号を挑戦してきた自分は学士や修士の自分と比べて格段にこの三つの能力が高いと思っています。そして、自分の学術以外の世界にも目を向けて、その世界で博士力を活かす事が出来ればと考えています。 インターンシップ中の職場では若い社員も多く、また、博士人材も数名いたので、毎日の議論が熱く、研究室に近い環境が自分にあっていると感じました。現在の会社でもデータマイニング技術をベースに博士力を発揮して顧客対応などの業務を遂行しています。
 博士後期課程院生やPDの方で、アカデミアだけでなく、実社会で博士力を活かしたいと考えている方は積極的にPDキャリア開発事業に参加する事を勧めます。

全くの異分野でもこれまでの知識や経験が役に立つことを実感できた。

宮田特許事務所
冨永 嘉人氏

 私は金沢大学大学院自然科学研究科環境科学専攻で地質学、古生物学、地球化学を基礎として過去の地球環境を復元する地球環境進化学の研究を行い、2012年3月に博士(理学)の学位を取得しました。その後、文科省のイノベーション創出若手人材養成事業に採択された、金沢大学「産学連携による博士人材のキャリア形成教育プログラム(以下、イノ若プログラムと記す)」に参加しました。
 イノ若プログラムでは、異分野人材とのコミュニケーションを自発的に行える貴重な場を提供して頂くと共に、社会人として必要な語学やマナーを始め、各々に適した指導や支援を頂き、最終的には、現在の勤務先である、富山県の宮田特許事務所で、今から約2年前に長期インターンシップを行わせて頂きました。
 富山県の宮田特許事務所は、私が長い大学生時代を過ごした愛着ある北陸で、最も多くの特許出願案件を有する事務所であり、他県の特許事務所の弁理士からも非常に高い評価をされている事務所です。そのため、自分がどれだけ社会に貢献できるのか、そもそも自分の何が社会で通じるのかを確かめるためにも、ぜひ長期インターンシップをさせて頂きたいと考え、イノ若スタッフの方々と面談に赴き、本来ならば断わる予定だったらしい特許事務所所長に熱弁し、長期インターンシップを受け入れて頂きました。
 実際、長期インターンシップでは、特許事務所で行われる業務を幅広く理解するために、様々な事務仕事、特許調査、特許庁へ提出する書類の作成補助等を、様々な分野のエキスパートである弁理士の方々と積極的にコミュニケーションを取りつつ行わせて頂きました。長期インターンシップ時の口癖は、「何か仕事ないですか?この仕事やらせてもらえませんか?」だったと思います。そして、これまでの知識や経験、特に学位取得までの過程で得た知的向上心、論理的考察力や成果を伝える文章力、論文作成能力が全くの異分野でも役立つことが、想像ではなく確かな実感として得ることができ、博士人材としてこれから進む道がしっかりと認識できました。そして、現在は、長期インターンシップで得られた基礎を元に、知財のエキスパートを目指して、様々な専門分野の特許出願に関連した業務をしています。非常にやりがいがあり、毎日仕事をしていてとても楽しくて、長期インターンシップに行って本当によかったと、今でもそう思います。
 長期インターンシップは、博士という資格を持つ自分がこれからどう進むべきなのかを認識する上で、又は、自分を企業に売り込む上で、非常に有用であると思います。少なくとも漠然とアカデミックポストに就くことを待っているだけでは何も進展はしません。自分の持つ博士人材力を発揮して広く社会貢献したいと少しでも考えているPD、DC院生の方々には、このPDキャリア開発事業に参加して、長期インターンシップをぜひ経験されることをお勧めします。そして、PDキャリア開発事業についての要望として、長期インターンシップの成果やうまく就職に繋がった成功事例を発表・紹介できる場が欲しいと考えています。博士人材はもっと産業界等の実社会でも活躍できる!少なくとも私は、そう確信しています。

企業では、自分の意見を積極的に発言する事が重要です。

三桜工業(株)
小林 敦氏 (研究開発部 基礎技術研究G)

 私は2010年3月に群馬大学の物質工学専攻で博士号を取得し、その後2年間群馬大学でPDとして、研究していました。このPDとしての研究期間に、研究成果を実社会で貢献したいと思うようになったため、企業就職を目指して群馬大学のインターンシップ事業公募に応募し採用されました。2012年4月から事前スクーリング(キャリア教育)を受講した後、現在の上司である三桜工業(株)の後藤副部長とマッチング面談を行い、同年7月から9月末まで約3ヶ月間、三桜工業(株)でインターンシップを実施し、同年10月から社員として採用され、現在に至っています。
 DC、PD時代は光化学反応等を主なテーマにして主に一人で研究していましたが、インターンシップ期間中の担当テーマは金属腐食メカニズムの解析と表面処理技術開発で上司や同僚とのチームワークで業務を進めました。研究室では自由な雰囲気で時間管理が緩かったのですが、企業の一員となると時間管理だけでなくそれ以外にも遵守すべきルールが多くあり、これに合せる努力が必要でした。また、企業においては、自分の意見を積極的に発言する事が重要だと強く感じました。その後、2013年12月からは新しいプロジェクトの担当になり慣れない業務で大変ですが、それを上回るやりがいを感じています。
 これまでの研究生活では、文献や理論の調査など内向きになりがちだったのですが、今後の企業での業務推進においては三現主義を心がけ、積極的に現場に出て、現物を手にし、現実を認識して理論と結びつけながら仕事を進めていきたいと思っています。今は、自分の関わった製品を早く市場に出したいという思いで日々開発に取り組んでいます。持っている博士の能力を広く実社会で貢献したいと考えているPD、DC院生の方々には、このPDキャリア開発事業にチャレンジして、長期インターンシップを経験する事をお勧めします。

[PD・DCの方へ]もお読みください。

博士人材の能力とは、専門外のことでも、過去の情報を集めて考えて技術進歩させる能力です。

(株)アイテック
アフシン エブラヒミ氏 (材料創製部)

母国イランで修士卒業し農工研究所を経験後、光触媒の研究をすべく来日し大阪府立大学で学位を取得しました。学生時代から、論文だけでなく物を作ることも好きで、自分の専門性を活かして凍結乾燥機などを自ら作り研究に使ってきました。博士課程に進学したのも専門性を高めて企業に就職したかったためです。
 (株)アイテックでのインターンシップでは、自分の専門外のことも経験でき、知的好奇心を満足させることができました。また、この会社では仕事に集中でき、また、チームで仕事をするという日本企業の良さも経験できました。インターンシップによって、企業で自分の力を発揮できると確信できたので、就職を希望し採用していただきました。入社後はグラフェンの開発を担当していますが、当社の得意とするチームプレーによって、近々、世界のトップに立てるよう努力しています。
 博士人材の能力について考えると、専門外のことでも、新しいものを作るために、過去の情報を集めて、自ら考えることによって、少し技術進歩させるができる能力と考えています。そして、それを繰り返すことによってイノベーションがおこるとも考えています。(写真で私の後ろにあるのがグラフェンです。)

視野を広げ、よく考えて、チャンスをつかんでください。

SK特許業務法人
鈴木 章太郎氏

 DC進学時は「将来はアカデミア」と考えていたのが、真剣に考え出すと企業も選択肢に入り始め、教養課程で受けた「特許」の授業を思い出して専門性も活かせるのではないかと、将来の職業を「特許」と決めました。そして、早速、弁理士の勉強を始めました。これがD1のときです。D2になって、特許事務所に入るために、「特許」を実務として経験する方法を、調べ、考え、悩んでいたとき、東京農工大学の「アグロイノベーション研究高度人材養成事業」のポスターを見て、すぐに応募しました。
 ここまでに教訓が二つあります。一つは、広く見聞を広げているとチャンスをつかめる。(教養課程で特許に興味を持ったからこそ、自分の可能性の広がりを持てました。)もう一つは、よく考えているとヒントからチャンスをつかめる。(真剣に考えていたからこそ、愛媛大学に席を置いていた私が、東京農工大学のポスターを見たときこれだと感じえました。)インターシップ先候補に特許事務所があったのはさらに幸運でした。インターンシップでは弁理士の勉強が役立ちました。
 入社して4年が経ちました。学んだことは、学生とビジネスの違いは、お客様がいることです。自分がお客様を感じ取って、お客様に言われてやるのではなく、お客様の一歩先の要望をとらえることが、サービスであり対価としての付加価値です。当社の技術系の社員は、全員、研究者出身です。視野を広げ、よく考えて、チャンスをつかんでください。

可能性に挑戦したいと思い、長期インターンシップに参加しました。


王 g氏 (環境創造研究所 環境化学部/海外統括本部 海外戦略室)

 私は、東京海洋大学大学院博士課程在学中に国内外で研究成果を発表し、多くの方々と交流を深めていく中で、アカデミアだけでなく、もっと視野を広げて自分の将来を見つめてみたいと思うようになりました。博士号取得後に民間の海底資源調査に関わっている先輩に話を聞いて、自分も可能性に挑戦したいと思い、長期インターンシップに参加する事を決めました。
 第54次日本南極地域観測隊夏隊同行者として南極海への海洋観測を終えた後、自分の研究分野の沿岸海洋物理学に関係ある環境コンサルタント会社を希望して、いであ(株)の国土環境研究所の水環境解析部でインターンシップを始めました。 いであは中国や東南アジア等世界各国で事業展開しており、自分の国際感覚を生かし、グローバルな視点から物事を探求し、専門外の分野や海外事業チャレンジできる会社と思い、最適なインターンシップ先と考えました。 担当業務は、主に九州地区の気象レーダーデータ、潮位データの整理・解析や報告書作成補助などでした。丁度年度末だったので、顧客への報告書提出期限が迫り、大変多忙でしたが、やりがいがありました。
 入社後は、インターンシップ先の水環境解析部に配属となりましたが、ダイオキシン類の測定分析事業を海外で展開する際に必要な分析技術や管理手法を習得するために、1ヶ月後に今の環境創造研究所へ転勤し、業務を通してダイオキシン類の測定分析技術及び精度管理について勉強しています。
 今は主に最終報告書の取り纏めを担当していますが、顧客に提出する大事な報告書なので、作成、チェックにとても気を遣っています。 自分の専門外の仕事に課題発見力や問題解決力、説明資料や報告書を纏める能力、優れたコミュニケーション力等の博士人材力を発揮して、積極的にチャレンジしていきたいと考えています。

[PD・DCの方へ]もお読みください。

企業に入ってみて、自分のやれることがあることがわかりました。

メタウォーター(株)
長谷川 絵里氏 (事業戦略本部 R&Dセンター)

 京都大学在学中、指導教員からいろんなものを見たほうがいいと「先端技術グローバルリーダー養成プログラム」を紹介され、D3後半から参加しました。半年間は学内で座学を受けながらインターンシップ先を検討し、学位取得後、当社メタウォーター(株)で6か月間のインターンシップを経験しました。
 京都大学のインターンシップは共同研究の形態で行いますが、テーマは当社業務でした。しかし、私が大学で進めていたオゾンによる水質浄化の研究を、実際の浄水場のプラントに応用することができました。インターンシップ後の進路としては、大学の研究にも魅力はありましたが、インターンシップを進める中で、企業に入って社会で役に立つものを開発したいという気持ちが強くなり、メタウォーターに入社しました。つまり、インターンシップに参加したことで、自分のやりたいこと、自分ができることが見つかったのです。
 企業を内側から自分の目で見たからこそできたのです。就職後の仕事は、オゾンの研究ではありませんでしたが、開発の仕事に従事しています。新しい分野の仕事に就くと多くのことを勉強する必要があり、知識の幅が広がるとともに、もっと知らなければならないことがたくさんあることに気づきます。学位を持っているだけでは、社会では通用しないことにも気づきます。大学の中だけでなく専門外を見るのも、視野を広げるためにとても有意義なことです。

縁というものの重要性を実感しました。

金沢大学
青木 崇倫氏 (理工研究域 物質科学系 D3)

 私はもっと自分の専門分野の物質工学について深く研究がしたいと思い、博士後期課程に進学しましたが、D1の後半に自分の研究を見つめ直して、アカデミアだけでなく、産業界でも研究開発で社会貢献できると考え、イノベ若手オフィスを紹介してもらい、2012年4月のD2の初めから養成者となりました。
 4月から8月まで博士人材キャリア教育プログラムを受講する事で社会人として必要な語学やマナー、博士人材として求められる技術を習得できました。 その間に企業とのマッチングを行い、研究室の先輩がいるDIC(株)千葉工場の研究開発部門で8月末から11月中旬までの約3ヶ月間インターンシップを行いました。  大学では一人または少人数で研究を進めていましたが、インターンシップ中ではチームで動く事が多く、その大変さとパワーを実感しました。 色々な部署の人と関わり合う事の重要性を強く感じ、コミュニケーション能力を高める必要があると思いました。 また、大学と企業では研究に対する視点に違いがあり、専門以外の広い知識が必要であることを知りました。 さらに、研究職だけでなく、企業における全体的な業務の流れを知る事ができ、DIC入社へのDriving Forceとなり、通常の入社試験の面接を受けました。 インターンシップ先の上司からはインターンシップ経験と入社面接は全く関係無いと言われましたが、幸いにも内定を頂き、2014年4月にDIC(株)に入社する事が決定して、一安心しています。
 入社後もインターンシップ中に感じたスピード感の大切さと縁というものの重要性を大事にして、積極的に博士人材力を発揮して、どんな仕事でも取り組んでいきたいと思います。PDやDCの方々には、研究室内での研究とは違った考え方に触れる良い機会になるので、興味があれば長期インターンシップを体験して見ることを勧めます。

将来とも、社会的に価値を与える物づくりに係わりたいと考えています。

(株)リプロセル
吉田 俊介氏 (技術部 研究員)

 DC進学時、将来の進路は決めていませんでしたが、学位取得の目処がついたころ、企業就職を決めました。それは、リプロセルの代表取締役の横山が私の出身大学の東京農工大学で行った講演を聞いたからです。
 当時の私はがんと食品との係わりを細胞レベルで研究をしていましたが、「リプロセルは幹細胞。細胞生物学という点では同じ。ここで自分の専門性が活かせるのではないか。」と、講演終了後、早速、横山のもとに詳しい話を聞きにいきました。東京農工大学「アグロイノベーション研究高度人材養成事業」の事前教育を終えて学位取得と同時にリプロセルでのインターンシップに入りました。多くの人とのチームでの研究は初めてでしたし、また、研究成果として製品に繋がらないといけないことも大学での研究とは違いました。前者では、チームでは計画の共有、業務の担当分け、スケジュールの管理(相互サポート)をしなければいけませんでした。後者では、時間、コスト、スケジュールを厳しく見る必要がありました。
 さらに、自分の成果をアピールするために、報告しなければなりませんでした。3か月間のインターンシップ後、採用していただき、入社後3年が経ちましたが、やるべきことはまだまだあります。将来のことはまだ決めていませんが、少なくとも、社会に価値を与える物づくりに係わる仕事をしたいと考えています。

異なるフィールドに踏み出す機会を得ました。

KCJ GROUP(株)
秋山 和子氏 (経営企画本部 マーケティング部)

 私は日本女子大学大学院理学研究科で博士号(化学)を取得後、大学・高校で教職についた後、アラブ首長国連邦の航空会社へ入社しました。客室乗務員として業務につく一方で、現地で環境教育に携わったことをきっかけに、学び手の興味を継続して引き出すこと、関心を持続させることの難しさを感じていながらも、やはり若い世代に「伝える」仕事に就きたいと考え、JSTの研究人材データベースj−RECINを拝見していました。
 偶然にも、奈良女子大学のPDインターンシップ推進事業の養成者公募を見つけ、希望企業等で長期インターンシップが可能なこと、他大学出身者へも門戸を広げていること、女性人材育成機関としての伝統と実績に大変魅力を感じ、応募を決めました。インターンの審査会では、「これまで培った自分のキャリア・強みをどう活かしたいのか」「新しいキャリアとして何がしたいのか」についての論文提出やプレゼンテーションがあり、キャリアチェンジにあたり改めて自分の思いを整理する良い機会となったことを覚えています。様々な分野のセミナーへの出席や何事にも親身に相談にのってくださるキャリアコーディネーターとのディスカッションにより、長期インターンシップ参加の目的を明確にすることができました。
 河原キャリアコーディネーターの粘り強い交渉を経て、マッチング面談を行い、第一希望のKidZaniaを運営するKCJ GROUP株式会社にて2012年11月より5ヶ月間長期インターンシップを経験しました。担当の広報グループは、通常の広報業務以外にも多岐に亘る業務を担当しており、予定外の案件にもスムーズに対応するためにも、各部署との良好なコミュニケーションが必須であると感じました。また、現場に近いオフィスだったため、お客様の笑顔に応えるために、自分の担当業務をどのようにつなげていったらよいのだろうかと、日々意識することができたことは、今でも役に立っています。
 2013年5月からは、本社のマーケティング部の業務についております。博士課程までの研究経験を活かし、大学との共同研究のコーディネートを中心に、新しい分野を日々業務から学んでおり、良い刺激を受けています。これまでとは異なるフィールドに一歩を踏み出すことができたのは、PDキャリア開発事業の長期インターンシッププログラムがあったからこそだと思っています。博士課程からインターンシップを経て、現在に至るまでに得た力を自分の財産して今後さらに磨いていきたいと思っております。

[PD・DCの方へ]もお読みください。

技術内容を判りやすく説明できる優れたコミュニケーション能力が必要。

(株)ミツバ
小内 輝明氏 (技術開発部 技術開発2課)

 私は2011年3月に群馬大学の生産工学専攻で博士号を取得し、群馬大学事務局で技術補佐員として勤務していました。進路として、アカデミア以外に企業への就職も考えていたところ、同年10月に群馬大学でPDインターンシップ推進事業がスタートしたので、養成者公募に応募して11月から養成者として採用されました。
 そして、事前スクーリング(キャリア教育)を受講した後、ミツバの青木総務部長とマッチング面談を行い、同年11月中旬から現在の職場で2012年3月末まで約4ヶ月半の間、就職前提でインターンシップを行いました。
 研究室では、X線解析、各種測定法を用いて、脂質の分析等の研究を行っていました。インターンシップ中は技術開発課程で発生する色々な問題の解決法を見つける事が主な仕事でした。色々な部署で困っている事に積極的に関与して、相手の希望を聞き出して最適な解決法をできるだけ早く見つける事が重要です。いろいろな人々と係る仕事なので、まず話す事が大切であり、相手に技術内容を判りやすく丁寧に説明できる優れたコミュニケーション能力が必要です。
 判りやすく説明とは、できるだけ噛み砕いて相手が納得するまで教える事なので、ごまかしが効きません。
 インターンシップ中に分析機器などミツバに無い設備を使用する場合は、群馬大等の社外設備を使用する事も多く、大学との繋がりを大切にしています。インターンシップ終了後の2012年4月に新入社員として正式採用され同じ職場で勤務しています。
 各部門からの問題解決の依頼業務を効率良く処理しながら、将来に備える為の長期的な技術開発テーマにも時間を取れるように、自分で時間管理していけるよう努力しています。
 企業で必要な博士人材力とは、深い専門知識の他に幅広い分野の知識・技術を持ち、優れたコミュニケーション能力及び新たな分野にチャレンジできる能力が重要だと思います。 持っている博士人材力を発揮して広く社会貢献したいと考えているPD、DC院生の方々には、このPDキャリア開発事業に参加して、長期インターンシップを経験する事をお勧めします。

[PD・DCの方へ]もお読みください。

企業での業務は、研究者としても、研究指導者としても、有益でした。

徳島大学
アルカンタラ・アビラ J. ラファエル氏(工学部化学応用工学科 助教)

 学部生時代の米国West Virginia Universityでの5ヶ月程度の留学中に知り合った友人の影響もあって日本語の勉強を始め、卒業旅行で京都を選び、そのときに将来の指導教員となる京都大学教授と会うことができました。母国メキシコで修士卒業後来日し、京都大学で学位を取り、研究をさらに発展させたいとの思いもあり、日本のエンジニアリング会社で、企業のプロジェクトに入って仕事をするチャンスをいただきました。インターンシップ中のテーマは私の研究テーマによく似ていましたが、アプローチは違っていました。インターンシップでは今までの研究以外のことを自分の研究に取り込みたいと思いで臨み、3か月間で、「取り込めるもの」は見つけることはできました。また、インターンシップを通じて、大学(初期段階のプロセス最適化・設計)と企業(実際のものを作る)との違いから、@人の面倒をみなければならない、A細かいことを考えないといけない、Bわかりやすい説明しなければならないことを学びました。現在、徳島大学で職を得ていますが、研究内容を専門外の人に如何にわかりやすく説明するかなど、学生の指導にも大変役立っています。アカデミア、民間企業にかかわらず、企業でのインターンシップは、貴重な経験となります。

インターンシップで職員が一丸となり博物館を盛り上げる連携プレーの大切さに気付きました。

(公財)大阪国際平和センター
岡野 詩子氏 (ピースおおさか専門職員)

 私は、戦争と平和というテーマに関心が高かったので、ポーランドの現代史(特に第2次世界大戦時に起きたカティンの森事件)を研究する為に、ポーランドに4年間留学しました。帰国して岡山大学大学院社会文化科学研究科で博士号を取得後、戦争と平和に関連した公的機関に就職したいと思い、奈良女子大のPDキャリア開発事業の養成者公募に応募し、2012年9月に採用されました。
 実践的講義(各種セミナー)や自己分析セミナーを受講して、ビジネススキルや職業能力の向上に努めるとともに、第1希望であったピースおおさかでのインターンシップを希望して、コーディネーターに交渉をお願いしました。マッチング面談を経て、2012年11月から2013年3月末までの5ヶ月間、現在の職場でインターンシップを実施しました。
 インターンシップ中は、大阪の戦争体験者が高齢化している中で大阪大空襲の語り継ぎ部を育成する為のネットワーク作りを行い、その交流会を3月末に開催するという大きなテーマを任されました。このテーマを遂行する事で、分かり易く説明する事や戦争体験を伝える事の難しさを感じました。
 人を引き付けるような話術(コミュニケーション能力)が重要だと思い努力しました。また、研究室時代の専門分野の一点集中型ではなく、視野を広げて物事を見る能力も付いたと思います。
 今までの研究生活での最終目標としていた事をインターンシップで経験して、改めて私が就きたい仕事はこれだと再認識できました。また、自分自身に大きく影響した事は研究は個人プレーですが、このピースおおさかでは職員が一丸となって、博物館を盛り上げていく連携プレーの大切さに気付いた事です。2013年2月にピースおおさかでの採用計画が決まり、42名の応募者の中から採用された2名の内の1名となる事ができて、非常に喜んでいます。
 2013年4月から専門職員として、理念実現の為に尽力されてきた方々の志を受け継いで、語り継ぎ部ネットワークの更なる充実や展示品のリニューアルに頑張っています。PD、DC院生でアカデミアだけでなく、社会での貢献を考えている人は積極的にPDキャリア開発事業に応募して、事前セミナーで専門分野以外の幅広い知識やビジネススキル、コミュニケーション能力を向上させた後に長期インターンシップを経験する事をお勧めします。

[PD・DCの方へ]もお読みください。

早くインターンシップを経験すれば,計画的に研究ができ,将来の選択肢も広がります。

北海道大学
西澤 瑞穂氏(水産科学院 海洋応用生命科学専攻 DC学生)

 学位取得後の進路が見えず、一時進学を躊躇したことがありました。しかし、研究室の2年先輩が本学「北大パイオニア人材協働育成システムの構築」から企業にインターンシップに行き、就職したことが進学の後押しになりました。また、指導教官にインターンシップに行くなら早い方が良いと指導されたこともあり、M2の12月に「北大パイオニア人材協働育成システムの構築」への参加を申請し、D1の7-10月に本州の企業でインターシップを経験しました。
 インターシップ先は、人の健康に関わる仕事がしたい、自分の実験の手法に近い、道外へ出たい、をもとに自分で企業を探しました。業務の研究内容は専門とは違いましたが、自分の実験の手法と近かったため、あまり苦労しませんでした。しかし、研究に関心を持つ点の違いや時間管理には当初、戸惑いを感じたこともありました。将来の進路はまだ決めていませんが、インターシップによって企業を内側から経験できたことで、企業就職も選択肢に入りました。また、早くにインターシップに行ったため、計画的に研究を進めることができ、さらに進路についてじっくりと考える期間ができました。現在博士課程への進学を考えている方は、早い段階でのインターンシップを経験し、視野が広がるような経験をすることをお勧めします。

“儲けること”(=社会が必要とするもの)と“新しい価値”(=社会をより豊かにすること)

ケイセイ医科工業(株)
松田 純平氏 (プロジェクト管理部 主任研究員 )

 2008年3月に博士号を取得後、PDとして生体・機械工学を専門分野として研究していた時に、PD仲間と話している中で、実社会で学んだ知識を持って勝負した方が面白いのではないか、また、工学出身者として持てるアイデアが市場に通用するのか試したいという思いに至りました。
 2009年度から新潟大学が始めたPDキャリア開発事業に、同年10月から参加し、新潟大学ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー研究機関研究員として事前スクーリングを受講して、マッチングの後、現在の職場のケイセイ医科工業の研究開発部門で同年12月から3ヶ月及び翌年8月から3ヶ月の計6ヶ月間のインターンシップを実施しました。 研究室時の専門に近いバイオメカニクス(医工連携)、医療技術関連の研究・開発は高度な専門技術が必要で、医療機器の製造(開発)・販売に必要な厚生労働省の許可・承認には、検証・評価・価値の証明が大変重要です。インターンシップ当初は就職前提では無かったのですが、会長、社長、部長等の会社幹部の方々とのコミュニケーションが深まり、インターンシップ終了の翌年(2011年)4月に正式採用されました。中小企業ならではの入口から出口まで一貫して見通し、関わることのできる環境には将来の実績と可能性を感じており、社会還元の観点からも重要である“儲けること”(=社会が必要とするもの)、“新しい価値”(=社会をより豊かにすること)という個人的スローガンを掲げて業務に取り組んでおります。
 大学に十数年居たので時間管理は自己裁量という環境が定着しておりましたが、企業における就業時間に合わせた規則正しい時間管理環境となり、複数のプロジェクトや継続しているアカデミックな研究を行う時間配分は、計画進捗の管理も含め、辛いところですが重要度を増しております。
 福岡で営業実習した際には、業界独特の特殊な販売ノウハウや買い手の感情、感覚、営業間のやり取りやユーザーである医師との会話の中から勘所を教えてもらいました。さらに、管理職や営業職の仲間とコミュニケーションを図り、つながりを持つことで、企業や市場の中の自分のポジションや役割を感じることができました。コミュニケーション力はもしかすると最も重要かもしれないと感じています。
 PD、DC院生でアカデミアだけでなく、社会での貢献を考えている人は積極的にPDキャリア開発事業に応募して、長期インターンシップを経験する事をお勧めします。
[PD・DCの方へ]もお読みください。

積極的に実社会で貢献できる道を選択しました。

NIT(株)
田口 秀典氏 (爆砕担当)

 三重大学で2004年7月に博士後期課程を修了して、博士号取得後北海道大学で約8年間PDをしていましたが、大学や公的研究機関で研究職を目指すよりも積極的に実社会で貢献でき安定的な身分・収入が得られる事を重要と考え、公募情報サイト(JREC-IN)で目に留まった三重大学地域イノベーター養成室の養成者公募に応募しました。 2012年5月に本事業の特定研究員として採用され、すぐに伊藤工機(株)伊藤社長とのマッチングを行い、伊藤社長が新規に起業した現在の職場(NIT(株))でのインターンシップを実施する事を決めました。 2012年6月から2013年3月末までの約10ヶ月間インターンシップを実施し、終了後に同じ職場に正式入社できて、身分、収入が保証され、安心しました。  在学中及びPDの時の主な研究テーマは細菌が保有する酵素の特性解析及びその酵素による生成物の機能性解析でした。NITでは、インターンシップ期間中から継続して微細粒氷(ナノアイス)製造装置の開発及び爆砕装置のラボ機開発(三重大の研究展開支援拠点に設置)と爆砕試験・分析を担当しています。
機械系の仕事が中心ですが、もともと機械に興味があったので、モノ作りの一からCADまで幅広い勉強をしています。 新しい仕事に取り組むには、色々な切り口で違った見方が出来るフレキシブルな考えを持つ事が重要だと思います。 インターンシップ期間で、知識・技術の欠如と計画性、相互連絡の重要さを痛感しました。 また、コミュニケーション力、語学力、積極性を修得する事ができました。また、インターンシップ中に受講したセミナーではプレゼンテーション力・説得力の重要さを学びました。企業で発揮すべき博士人材力とは、深い専門知識の他に、幅広い分野の知識・技術と優れたコミュニケーション能力だと思います。持っている博士人材力を広く実社会で貢献したいと考えているPD、DC院生の方々には、このPDキャリア開発事業に参加して、長期インターンシップを経験する事をお勧めします。
[PD・DCの方へ]もお読みください。

自由に考え,本当に創る

大阪府立大学
上野未貴氏(工学研究科 知能情報工学分野 DC学生)

もし、こういったものがあったら、そこから全ては始まります。ですが、アイデアを出すことと、実際に動くものを作る間には大きな壁があり、両者を繋ぐ部分が一番難しい所だと思っています。私自身、研究の中でそれを身に染みて感じることが多く、インターンシップという明確な区切りのある期間で改めてこのプロセスに挑戦したいと考えました。修士課程のときから本学の異分野融合研究会の運営に携わっていたことがこの制度を知るきっかけとなり、D1 の 1 月から 3 ヶ月間、アパレルメーカーでのインターンシップを経験しました。異業種ですが、多くと融合しやすい情報系という専門をどう活かせるのか強く興味を持ちました。業務詳細は決められておらず、裁量を多く与えていただき、現場で一緒に仕事をする中で、業務に利用可能なソフトウェアの案を紙に書き出して提案してみました。そこからは、毎日開発しては、見せ聞いて追加・修正を繰り返し、実際に使っていただけるものを作ることができました。現場で課題を見つけ、その解決手法を作る、という一連のプロセスを経験し、具体的な形にすることができたと思っています。アカデミックと民間、対比として使われることが多いですが、敢えて、その間を繋ぐような研究者になりたいと考えています。

問題解決のプロセスは専門が違っても同じでした。

(株)UNIGEN
松本 和也氏(製造部)

東京工業大学出身で、福井大学の「ポストドクター・キャリア開発事業」に参加しました。分子生物学の分野で研究していましたが、研究を進めるうちに、自分のバックグラウンドも活かしつつも物造りをして世に送り届けたいと思うようになり、この事業に参加したのです。インターンシップは、株式会社UNIGENで、医薬品の量産に向けた開発業務に就かせていただきました。インターンシップでの業務は大学院の専門とは異なるものでしたが、問題解決のプロセスは大学院での研究を通して身につけていたものが大変役立ちました。また、企業やチームでの業務は初めてでしたが、私はこれらに共感を持ちました。つまり、企業では決められた時間内で濃い仕事をする、企業では企業のメリットを考えた上で動く、というように大学での個で研究を進めるプロセスとは全く違うことに共感を持ち、企業に身を置くことを決めました。インターンシップ後に採用いただき、さらに製造寄りの業務に従事しています。まず製品を世に出したい。今はそれに向けた問題解決がやりがいです。

インターンシップを通して広がった人脈も大きな財産です。

東北大学
土見 大介氏 (大学院医工学研究科 PD)

私は、学部生の頃から感覚のフィードバックが可能な義肢を開発する事業を立ち上げたいと考えており、コミュニケーションや各種マネジメント力の習得を目的として高度技術経営塾に入塾しました。その後、そこで得たものを実践できる場を求めて、就職が前提ではないことを予めお伝えしたうえでインターンシップに応募しました。その結果、弘進ゴム鰍ノ受け入れてもらうことが決まり、2011年3月末から9月末まで約6ヶ月のインターンシップを実施しました。インターンシップ前の最終面接後、宮城県塩竈市の自宅に戻った際に東日本大震災の地震と津波に遭いました。宮城県亘理町にある弘進ゴムも被災し、復旧作業に追われる中、インターンシップの実施も危ぶまれましたが、予定通り実施して頂けた事を非常に感謝しております。当時、仙台市とフィンランドが健康・福祉関係で国際共同プロジェクトを立ち上げ、高齢者の自立した生活実現の為のサービス・機器の開発を支援しておりました。弘進ゴムでも介護用機器の研究開発をしている部署があり、そこでインターンシップ期間中お世話になりました。東北大では福祉・介護用機器の開発に応用可能な技術の研究をしていたため、弘進ゴムでもすぐに開発テーマに取り組む事ができました。半年間のインターンシップを通して、企業における製品開発・生産化のノウハウの一端を知る事やスケジュール管理の重要さを知った事が、自分にとって大きなプラスとなっています。インターンシップ終了後は、出身研究室でPDとして3年間働く事になり、震災の影響で計画よりも遅れましたが、2013年3月に目標としていた、起業をする事ができました。今でもインターンシップ先の皆さんとは良い関係が続いており、インターンシップを通して広がった人脈も大きな財産となっています。高度技術経営塾とインターンシップ制度は本プログラムにおいて両輪をなすものです。高度技術経営塾で学んだコミュニケーションや各種マネジメントの基礎はインターンを通して実践レベルに引き上げることで初めて使えるものになります。後輩の皆さんにはぜひ高度技術経営塾とインターンシップ両方に参加することをお勧めします。
[PD・DCの方へ]もお読みください。

インターンシップ先と大学との連携を築けました。

東北大学
太田 佑貴氏 (大学院医工学研究科 D2)

インターンシップ応募の動機は、DC1年の時に研究室のDCの先輩からPDキャリア開発事業で実施している高度技術経営塾は面白いし、自分の為になると思うので、参加したらどうかと紹介を受けた事がきっかけで入塾しました。 その後、高度技術経営塾を受講していてインターンシップにも参加しようと思い、具体的に自分の研究領域に近いインターンシップ先を探して、マッチングをお願いしました。インターンシップ先の宮城県産業総合技術センターの機械電子情報技術部で自分の研究領域とかなり近いEMC(電磁両立性)を専門としている部署がある事が判り、その部署の責任者との面談を行い、平成24年12月から約3ヶ月のインターンシップが始まりました。 インターンシップ中の研究テーマは自分の研究内容とは異なる分野(高周波および高周波機器の取扱等)での自動車用機器について各種規格に沿った適正な測定方法を確立する事でやりがいがありました。技術センターの特殊設備(電波暗室)は昼間は外部予約利用で一杯なので、夜間の空いている時間に測定を実施し、昼間の空いている時間は大学の研究室で自分の研究を行うなどの時間的自由度を認めてもらったので、テーマを予定通り進める事ができました。インターンシップ先の方々に自分の研究室を見学してもらう機会を設けたり、インターンシップ終了後も自分の研究テーマに関する測定を技術センターで実施するなどの交流が大学と技術センター間の連携が築けた事も良かった。 残念ながら、技術センターに就職する為には県の公務員採用試験に合格する必要がある為、就職は困難だと思いますが、アカデミアだけでなく、産業界に進む事も視野に入れて現在の研究を続けたいと考えています。PDやDCの方々には、研究室内での研究とは違った考え方に触れる良い機会になるので,興味があれば体験して見ることを勧めます。
[PD・DCの方へ]もお読みください。

新事業の立ち上げに参加でき、自信がつきました。

住友電気工業(株)
馬場 将人氏  (新領域技術研究所  農業技術研究室)

筑波大学で2012年3月に博士後期課程を修了して、博士号取得後PDをしていましたが、このままPDが多い大学で安定的な職を目指すよりも、研究はどこでも出来ると思い、積極的に実社会で貢献できる道を選びたいと考えるようになりました。 筑波大学グローバルリーダー養成プログラムに応募し、インターンシップ先とのマッチングを行い、最初の印象が良かったので、現在の職場(住友電気工業(株)農業技術研究室)でのインターンシップを実施する事を決めました。 その後グローバルリーダーキャリア開発講座を受講して、博士人材が広く社会で活躍する為に不可欠な教養を深め、視野を拡げる事に努め、ビジネス実務能力を養う事が出来たと思っています。2013年3月から9月末までの約7ヶ月間インターンシップを実施し、終了後の2013年10月に同じ職場に正式入社できて、身分、収入が保証され、安心しました。 研究室でのテーマは藻類の培養研究ですが、インターンシップでは農作物(トマト)の砂栽培条件最適化研究を行い、良い栽培条件を確立できました。 住友電気工業の中では、異分野での新しい事業である農業技術研究室の立ち上げに参加できた事は大変うれしく思いました。 大学院時代とインターンシップ期間で大きく違いがあるのは、時間管理や安全管理の厳しさです。 また、企業では自分でやりたい事をうまくまとめて、事前に説明し了解を得る事が重要である事を実感しました。 博士後期課程院生やPDの方で、アカデミアだけでなく、実社会で博士力を活かしたいと考えている人は積極的にPDキャリア開発事業に参加する事を勧めます。
[PD・DCの方へ]もお読みください。

インターンシップで、課題解決より課題設定の重要さを学ぶことができました。

神戸大学
森田雄一氏(神戸大学大学院農学研究科 博士研究員)

神戸大学農学部で学位取得後、将来の進路を考えているときに大阪市立大学の「ポストドクター・キャリア開発事業」を知り、養成者登録して3か月間のインターンシップを経験しました。DC進学時は将来の進路をアカデミアor企業と決めずに専門性を高めて仕事をしたいと考えていましたが、だんだんと企業の方に向いてきました。しかし、DC時代に農業の経験はありましたが、企業を知りませんでしたので、インターンシップによって企業を経験したいと思いました。インターシップは食品関連メーカーの研究所で、私の専門の植物病理からは結構離れた業務でしたが、上司の方が1対1で、OJTによって指導をしてくださいました。まず、大学と企業の研究の違いとして、コストとスピードを感じました。さらに、企業では、指示を受けて仕事をするのではなく、自分で仕事を作ることが求められている、つまり、課題解決より課題設定の重要さを学ぶことができました。今のPDを終えたら企業に進む意志を強くしました。

「企業における研究とは何か?」その本質を知って会社での業務に就いています。

協友アグリ(株)
八島圭佑氏(研究所 生物チーム)

修士課程のときの研究テーマがおもしろくて博士課程に進学しました。アカデミア志向が強かったわけではなく、次第に企業での活躍への思いが強くなってきました。しかし、博士課程に進んだ以上、学位をとることを優先すべきと研究に専念しました。そんな折、出身大学の宇都宮大学で「ポストドクター・キャリア開発事業」が始まり、DC学生中に準備を始め、学位取得後すぐに協友アグリで3か月余りのインターンシップを経験しました。インターンシップでは、企業における研究とは何かを学ぶとともに、ある製品の担当として会社業務に就かせていただきました。そして、与えられた業務を単にこなすだけでなく、その業務から本質を引き出して展開することを教えられました。また、会社情報を可能な限り開示いただいた上で、入社を希望するか否かは自分の意志で考えるように言われたことはありがたかったですし、責任の重さも感じました。インターンシップを経るとともに、協友アグリでの業務に深く携わりたく、入社を希望する意志が固まったため、幹部面接へと進み、入社させていただくこととなりました。現在、博士課程時に身に付けた研究遂行力や専門性、論理思考力を業務に活かし、新しい製品を開発すべく努力しています。

幅広い研究経験を積んで研究を進めたいと考えています。

北海道大学
アルマラヒ ファラ アリ アハマド氏(北海道大学農学研究院PD)

ヨルダンの大学(工学部)を卒業後、民間企業の経験を経て来日し、北海道大学の農学研究院(MC & DC、PD)で農学機械の開発のための工学の勉強をしました。将来は大学教員のポストに就き農業機械を開発したく、ただし、その前に十分な研究経験を積もうと考えています。自分の経験から、経験を積んだ教員と積んでいない教員とは差は大きいからです。そのために、大学、PD、企業で、幅広く経験し多くのことを試行したいと思っています。その一環として、つまり、農学以外の工学も経験して知識を広げたいと思いがあって、「北大パイオニア人材協働育成システムの構築」に参加し、自分の専門から少し離れた電気関連企業で、3か月間のインターンシップを経験しました。自分の専門分野にも応用できそうなアイデアを知ったほか、日本の大企業の基礎研究に対する「考え方」や「進め方」を経験することができ、多くの得るものがありました。現状では、アラブ世界と日本は西欧を介して理解しており、アラブと日本の直接の理解はできていません。私は、農業分野で、アラブと日本の相互理解に貢献したいと思っています。

好奇心・アイデアを活かして。

信州大学
植田直樹氏(総合工学系研究科 D3)

「好奇心とアイデア」。私がいつも重要に考えていることです。ビジネスの場で活躍する博士研究者を目指して、本学のイノベーション創発人材育成システムに応募し、株式会社日本製鋼所でのインターンシップが実現しました。インターンシップ中の業務は大学での専攻とは異なりましたが、「異なる分野の視点」で面白いアイデアが出せるのではと考え、積極的にチャレンジしました。インターンシップ先の部署の方々には、私のチャレンジ精神を快く受けとめてくださり、「異なる分野の視点」からみた提案に熱心に耳を傾けて頂きました。また、会社の多大なご協力のもと、研究部・事業部・製造部の3部署ディスカッションの場で、意見交換をさせて頂きました。そのような経験を通じて、「好奇心とアイデア」の重要性を再認識しました。入社後は、研究-製造-事業が円滑に発展する潤滑油のような、そして、企業-大学の双方にとって有益な取り組みができる橋渡しのような存在になりたいと考えています。

インターンシップによって研究成果を高め、自分の進路を決定しました。

長崎大学
土肥慶亮氏(工学研究科 生産システム工学専攻 電気情報工学コースDC学生)

九州大学のイノベーション創出若手研究人材養成事業「革新的研究開発リーダー養成システムの構築」に参加し、D2のとき、ロンドンにあるソフト開発企業で3か月間インターンシップを経験しました。九州大学への座学参加やインターシップの煩雑な手続きなど、かなりの負担もありましたが、それ以上のものを得ました。そのひとつは、研究成果です。インターンシップ先は、指導教員とも相談の上、研究の延長としてできるところを探し、また、インターンシップ先企業の上司との面接で「私」を見極められて業務テーマを与えられましたので、すぐに仕事ができました。その業務成果は学位論文にも組み込むことができました。もう一つは、私の進路決定です。インターシップで、最先端研究はアカデミアだと思っていたのが、企業でも最先端をやっていることを知りました。それをきっかけに、学位取得後は国内の企業に就職予定です。チャンスの種を見つけたら、積極的にトライです。

突き詰めていけば最後は理論にたどり着く。企業で理論物理の自分の力を活かします。

タテホ化学工業(株)
大塚泰弘氏(ネクスト事業カンパニー 事業開発部)

兵庫県立大学で学位取得後、6年間、他大学でPDを経験しました。理論物理が専門です。学位取得後はアカデミアポストに就くことを希望してPDをしていましたが、だんだんと、世の中に具体的に役に立つ仕事がしたいと企業に目を向けるようになり、企業就職へと志望変更し、兵庫県立大学でH24年度から始まった「ポストドクター・キャリア開発事業」に参加しました。タテホ化学工業のインターンシップテーマである熱伝導率に自分の専門の電気伝導理論が活かせるのではないかと、3か月間のインターンシップを経験しました。化学分野の業務、さらには、実験も。不安はありましたが、「尻込みするより実行」と挑戦を続けると、突き詰めていけば最後は理論にたどり着く、そこで自分の力を活かせると感じるようになりました。この考えは、インターンシップ中、だんだんと強くなり、タテホ化学工業への就職を希望し採用いただきました。今後は、業務を通じてこの考えを実証していきます。

「博士の仕事は研究のみ」との先入観を捨てれば、自分の道は広がります。

三井情報株式会社
小川哲平氏(R&Dセンター バイオサイエンス室)

修士課程までは有機合成の研究をしていましたが、私が所属していた学部に新たに創薬と情報科学を組み合わせた専攻が設置されることに伴い、新たな分野にチャレンジするため博士課程に進学しました。その当時から将来は企業就職と決めていましたので、企業へのインターンシップが経験できる、京都大学の「先端技術グローバルリーダー養成プログラム」に参加し、三井情報に受け入れて頂きました。業務としてデータベース構築を担当させていただきましたが、専門的なITの知識や技術はなかったので、初めは全く理解できなかったのが、進めるうちにこのような仕事もいいと思うようなりました。何故でしょうか。IT技術を基礎から教えていただいたこともありますが、職場仲間全員が化学、生物学etcの研究者の経歴を持ち、その全員での定期的な打ち合わせでより良いものを作り出していくことを見せてもらったからです。自分の専門知識を生かしつつ目に見える成果物(システムやデータベース等)を作り上げていくことに非常に魅力を感じました。このインターンシップが、結果的に就職先を決める決め手になりました。また、インターンシップによって仕事のやり方の順番、コスト(例えば時間。効率的に、短時間に、集中して。)を大学に戻っても意識するようになりました。インターンシップ中も現在も、仕事は研究ばかりではありません。しかし、学生時代に培われた自分で考える力、問題を解決する力は様々な場面で大きな武器となっています。「博士の仕事は研究のみ」との先入観を捨てれば、自分の道は広がります。

インターンシップによって企業で自分を活かせる自信がつきました。

北海道大学
府金慶介氏(触媒化学研究センター 博士研究員)

私は、民間企業への就職希望を持って博士課程に進学しました。指導教員の「研究と生き方は同じだ」との考えに共鳴し、ブレークスルーを成し遂げるやり方は研究も生き方も同じで、研究を通じて生き方や仕事のやり方を身に付けることを目的に進学しました。博士課程の3年間は研究に集中して研究成果を挙げ、PDになってから就職しようと考えていました。学位取得後は、「北大パイオニア人材協働育成システムの構築」に参加し、繊維・化学メーカーの研究所で3か月間のインターシップを体験しました。終了後に就職できればと思っていましたが、インターンシップ先は、インターンシップと採用は切り離しており、就職には至りませんでした。しかし、自分の専門に近いテーマで業務ができたこともあり、リーダーと同じ立ち位置で企業の実業務から派生したテーマのディスカッションを重ね、研究を進めることにより、企業で自分を活かせる自信がつきました。

企業における博士の働き方を考えると、自分の可能性が広がります。

太陽化学(株)
門脇章夫氏(インターフェイスソリューション事業部 研究開発グループ 研究員)

博士課程への進学、研究継続は、「今の研究を完成させて世の中に貢献したい。」との思いからでした。しかし、研究を進め論文を出しても、私にはその後に続く成果を感じることができず、「より直接的に社会に貢献できる仕事がしたい」と思うようになり、やりがいのある仕事を求めて企業就職への道を探りました。企業では「即戦力」になりたい。インターンシップ先企業も、これまでに培った技術を活かせる場所を探し、そして太陽化学に着目しました。3か月間のインターンシップで任された業務は、私の専門分野を活かせるものであり大変充実したものでしたが、企業は私に専門性だけを求めているわけではないとも感じました。インターンシップで最も有意義だったと思えることは、企業における博士の働き方、博士としての能力の活かし方について改めて深く考えることができた点です。博士として培った力を基盤に、広い社会でも自分を活かし、自らの成長と共に世の中に貢献できると確信し、太陽化学への就職希望を申し出ました。現在、研究部署に在籍していますが、営業担当と一緒にお客様を回ることもあります。「お客様の現象の本質を科学的に掴む能力」を意識し、よく観察して考えることによって、研究室に閉じこもっていては決して分からない新しい気づきが出てきます。

自分以外の「人」を常に念頭に置くようになりました。

岐阜大学
田口雄太氏(工学研究科 電子情報システム工学専攻 D3)

ひとつの分野を突きつめて突出し、それを社会に活かしていきたい、と博士課程に進学し、海外留学も念頭に置いて4年間での学位取得の計画を立てました。しかし、学位取得後にアカデミアor企業かと迷いは続きました。本学の「産業牽引型イノベーション創出若手人材養成」で企業へのインターンシップをバックアップして貰えることを知って、ISの経験によって自分の道を選ぶことができればと思いこの事業に参加しました。IT関連企業でのインターンシップでは、まず初めにインターシップ先企業のシステム開発を指導員の指導のもとに行った後に、お客様から発注いただいたシステム開発の数名のチームに入れていただきました。自分以外の「人」のために仕事をするのも、チームで仕事をするのも初めての経験で、報告・相談・連絡の重要性、お金を支払っても使っていただけるシステムが求められるなど、自分以外の「人」を常に念頭に置くようになりました。学位取得後の進路はまだ決めていませんが、今までの経験と海外留学など今後の経験を活かして進路を決めたいと考えています。インターンシップは自分の裾野を広げます。

専門と他分野の融合で新しい事業の種を生み出したい

足立 賢
早稲田大学大学院 理工学研究科 博士(工学)
古河電気工業株式会社 生産技術部 インターンシップ終了後、同社に就職。
自分の携わる研究や実験が、社会にどのようにして活かされるのかを知りたいという思いから、産業界に興味を持ち、本プログラムに参加しました。 私の本来の専門分野はバイオ関連ですが、研修では材料技術分野の部署に配属されました。自分の専門と全く違う分野に飛び込むことになりましたが、私はむしろ、他の分野にも挑戦したいという気持ちを強く持っていました。バイオ関連で培った知識が、材料技術の分野で活かせると思っていましたし、逆に、材料技術で学んだことをバイオ関連にフィードバックしても面白いのではないかと思っていました。 研修中は基本的なことから様々なひとと交渉する機会があり、コミュニケーション能力の重要性を再認識しました。研修前に、本プログラムのカリキュラムで対人コミュニケーションについて学べたことは、実務の現場で大いに役立ちました。 研修を通じて、社員1人ひとりの個性を活かし、伸び伸びと仕事をさせてもらえる社風に魅力を感じ、この会社に就職を決めました。 今の業務内容は自分のバックグラウンドとは違う分野なので、まずは仕事上必要となる知識を積み重ねてゆきたいと思っています。そのうえで、自分の専門性を活かし、新しい事業の種となるようなことを提案し、会社に貢献できたらうれしいですね。

インターシップを通じて「研究」と「実務」の違いを知ることができました。

阿 荣(アルン)
岐阜大学 D4学生
D3で土木のコンサルタント会社でインターンシップ
中国の大学を卒業後、中国企業で2年間建築設計の仕事をしていましたが、日本の耐震設計が優れていることから、来日し岐阜大学のMC/DCと進みました。留学生仲間から日本企業でのインターンシップで、「企業のリーダーを経験できた」や「日本の企業に興味を持つことができた」との話を聞いて、学位論文の心配もありましたが、指導教員の後押しもあって、土木のコンサルタント会社で4か月間のインターシップを体験しました。インターシップ中は社員と同じ扱いをしていただき、発注元との会議や委員会、工事現場、他大学との勉強会にも参加することができました。これらを通して、「研究」と「実務」の違いを体験でき、また、中国の企業と日本の企業の違いも知ることができました。そして、インターンシップ中の「実務」が博士論文の「研究」のベースになりました。

自ら考えて発信できるように

澁谷工業株式会社・土谷暁人
(グループ生産・情報統轄本部 開発本部 開発部 開発課)
PD2年目を迎え、研究に対する閉塞感やアカデミックポストが少ないことなどから将来への不安を感じていました。企業に進むにしても、どのようなところなのか、また、理論的研究しかやってこなかったため実践的業務にも不安がありました。そのような中で金沢大学の「産学連携による博士人材のキャリア形成教育プログラム」事業を通じ、澁谷工業鰍ナのインターンシップを経験し、同社へ就職することが出来ました。実務的・技術的な専門用語に戸惑うこともあり、もう少し自由度が欲しいとも感じていますが、楽しく仕事が出来ています。上司からは、「能力を使い切っていない、もっとどっぷり漬かるように」と助言されています。PD/DCへのアドバイスとしては、自分の信じる道を行けば良いと思います。但し、企業に興味があるなら、インターンシップを通じて様子を見れば良いのではないでしょうか。

自ら考えて発信できるように

ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社 鈴木 誠
バイオマーカー・分子診断事業部 研究員

千葉大学のPDの1年目に「先進的マルチキャリア博士人材養成プログラム」事業を通じ、ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社にて、長期インターンシップとして受託事業部でメタボローム解析に従事しました。DC/PD時代は、黙々と仕事をこなすことが多かったのですが、会社では随所で“表現力”を求められ、企業人として必要な資質に気づくことが出来ました。入社後は、バイオマーカー・分子診断事業部に配属され、分析化学の経験と知識を活かし、うつ病のバイオマーカーの安価で迅速な検出法を開発することが出来ました。まだ試用期間との厳しい声もありますが、仕事に遣り甲斐を感じつつ日々努力中です。DC/PDへのアドバイスとして、日常から、表現力を磨き自己アピールの方法を考えること、ケーススタディの機会を多く作り、自分で考えて発信できるトレーニングをして欲しいと思います。

狭い世界から外へ出てみませんか

辻製油株式会社 荒木裕子
第一研究室、辻H&Bサイエンス研究室 研究員

三重大学にて学位取得後、企業への就職に不安を感じ、アカデミアしかない、とりあえずPDになるしかないかなと考えていましたが、「イノベータ養成のためのサンドイッチ教育」事業を通じ辻製油鰍ナのインターンシップを経験し、その結果、同社へ採用されました。1年間のインターンシップ中は、“お客さん”ではなく、正社員同様の立場でどっぷりと研究開発に従事し、『セラミドコラーゲンパウダー』の商品化に成功しました。また、社員と同等に扱っていただいたお陰で、会社の真の姿と上司・先輩・同僚となる方々を十分に理解した上でこの会社で働きたいと思い、また、背伸びすることなく「知らない」と言える環境に安心感を持てたことも就職を決めるきっかけとなりました。DC/PDへのアドバイスとして、狭い研究室に閉じこもることなく、外に出ることを怖がらないで欲しいと思います。まず好奇心を持って、企業に関心を寄せてみてはいかがでしょうか。

インターンシップでは、何事にも自分で考えて解決することを体験しました。

檀上 徹 氏
立命館大学大学院 理工学研究科 D2
D1で6か月間のインターンシップを経験

元々企業志望でDCに進学しました。ちょうどそのとき、指導教員から本学の「産学連携コーオプ型高度人材育成プログラム」への参加を勧められ、D1のときに6か月間のインターンシップを経験しました。インターシップ先では、「予算」と「課題」だけが示されて、「結果」を求められました。「手段」(調査、分析、実験etc)は自由です。私は実験を選びましたが、実験補助者の雇用、必要物品の購入なども含め、計画策定は非常に重要で2か月間を要しました。学校にいると、つい、指導教員に甘えてしまうことがありますが、インターンシップ先では一切それが許されず、自分で考えて責任をもって解決することの重要性を体験することができました。今は、研究室内外の後輩に本事業に参加するように動機付けを行っています。就職とは切り離してインターンシップ先を選びましたが、もし、採用してもらえたら是非やってみたいと思っています。

インターンシップ経験も学位取得も将来のためのステップ

李 愼曉 (い しんひょう、 Lee Shin-Hyo) 氏

北海道大学大学院 獣医学研究科 PD
製薬企業で3か月間のインターンシップを経験し就職内定

韓国で獣医師の資格を取って来日しました。その理由は、将来は論文に触れる仕事がしたく、そのために研究者としてステップアップしたかったからです。しかし、研究を続けるうちに、社会人として自立しようと思うようになり、指導教員との相談から「企業は人の欲望に触れることがおもしろい」と思うようになりました。自分の研究分野から、製薬企業を希望するようになり、北海道大学の企業とのマッチング会である製薬企業のニーズと一致し、3か月間のインターンシップの後、就職が内定しました。インターンシップは薬理の研究室で行いましたが、企業では、自分の意志を示して自発的に仕事をすることの重要性を知りました。これは、企業に対して持っていたイメージとは違って斬新的でした。

インターンシップ経験も学位取得も将来のためのステップ

柏原 夕希子 氏

北海道大学大学院環境科学院 PD
オランダの種苗会社で6か月間のインターンシップを経験。

MCの後半から、将来は、研究を続けるよりも専門を活かしながら国際協力の職に就きたいと考えるようになりました。そのことを指導教官に相談し、DC期間や学位の取得は国際機関で働くためのステップと考え研究に従事しました。指導教官からは、在学中CoSTEP(科学技術コミュニケーション教育研究部門)の受講と国際学会への参加を勧められました。学位取得後PDの選択肢も考えましたが、企業を経験したいと思いインターンシップを希望しました。インターンシップは自分がやりたいことを明確にして、国際学会で構築した人脈も活用して探しました。オランダの種苗会社で、6か月間、大学での専門性を活かし、研究者として研究を行いました。その結果、今回のインターンシップを経て、企業就職も将来の選択肢に入るようになりました。

将来の進路を明確にした上で研究に打ち込んだことで幸運が開けました。

銭 丹娜 氏

信州大学DCとして化学系企業でインターンシップを行い就職。

中国の大学を卒業後、日本へは修士を目的に来ましたがもっと勉強したくて博士に進み、将来の進路を考えながら研究に取り組みました。日本の企業に就職する希望するようになり、信州大学の「イノベーション創発人材育成システム」に参加しマッチング会で自分の研究内容と合った企業と出会えました。博士論文の準備は進んでいましたし、就職の可能性もあるインターンシップでしたので、D3でしたが、学位も就職の心配もなしに、3か月間、研究部署でインターンシップによって日本の企業を経験することができました。そして、就職後も研究を継続しています。

研究のベースがあると、課題の考え方と解決のプロセスを大事にすることによって専門分野以外の仕事もできます。

張 利 氏
信州大学PDとして化学系企業でインターンシップ中
信州大学で博士を取得し同大学でPDをしていましたが、大学では理論的なことが中心で、自分は企業の方が力を発揮できると思うようになりました。企業とのマッチング会がきっかけで、企業の知財活動に興味を持つようになりました。それは、知財業務は研究のベースがないとできないと考えたからです。企業の要望もあり、就職を前提として知財部署でインターンシップを行っています。自分の専門分野以外の仕事も多くありますが、従来から専門分野を広げることを心がけていたので戸惑いはありません。重要なのは、課題の考え方と解決のプロセスです。

農学から工学系研究開発へ。チャンス、それは偶然の結果だった。

鄭 雨R 氏
北海道大学の人材育成本部Hop-Stationで事前教育後、 PDとして、電気系企業にインターンシップを経験。インターンシップ終了後同社に就職。
博士論文の提出・発表が終わるまで就職はまったく考えていませんでした。しかし、その後偶然と偶然が繋がった結果、パナソニック電工の新規プロジェクトに6ヶ月間インターンシップで参加することになりました。会社と大学、特に博士課程との違いはまったくありません。むしろ博士課程で習得したコア能力がより生かされ、要求される場でした。なぜ会社から博士が求められるのかを実感したありがたい経験でした。パナソニック電工への就職を決意したのは社名ではなく、尊重され、共に働く方々を信頼することができたからです。

インターンシップは自分の選択肢を見つける期間です。

高橋 司 氏
室蘭工業大学創成機能科学専攻出身。北海道大学の人材育成本部Hop-Stationで事前教育後、 PDとして、食品・医薬品および技術モデルのベンチャー企業でインターンシップを経験。インターンシップ終了後同社に就職。
博士号取得後はアカデミアに進むと漠然と思っていましたが、現実は厳しく、企業への就職も選択肢に入れ、PDになって5か月間のインターンシップを経験しました。企業ではこれまでの知識と技術を活かして仕事ができればと思っていましたが、5か月間で、博士は技術屋でないこと、博士は1つのことを突き詰めた経験があることに価値があることを実感しました。同時に、仕事を行っていくためには、薬学、知的財産、種々法規など多くの知識が不足していることが分かり、より広い専門知識が必要であると実感しました。私はPDでインターシップを経験しましたが、企業に入れる人物であるかどうかを見極めるためには、DCの早い段階で研究者としての自らの方向性を考えることに価値があると考えています。インターンシップは自分の選択肢を見つける期間です。

企業経験を論文の作成に取り入れることで論文数が増えました。

中根 孝浩 氏
信州大学工学部。D2で機械系企業に3か月のインターンシップ。学位取得後インターンシップ先に就職。
当初はアカデミアへの進路希望でしたが、大学の型にはまった研究から飛び出したい気持ちもあり、インターンシップに参加しました。そこで、製品開発を3か月間体験し、「ものづくり」の醍醐味を知り、企業就職を決めました。インターシップでは仕事のスピード感や納期意識を体感し、対象となる相手の配慮や伝え方等を学ぶことができました。また、これらの経験は大学での研究活動では得られにくく、「いかにお客様に満足していただけるのか」、「社会貢献ができるのか」等、考えさせられる場面が何度もありました。これらの経験から得たものの見方を論文作成に反映させたところ、論文数は飛躍的に増えました。インターンシップへの参加は企業経験だけでなく、大学での研究の遂行ならびに論文作成の上でも有効だと感じました。

インターンシップのために1年間で学位論文の目処をつけました。

末田 香恵 氏(北海道大学大学院 農学研究院 D3)
D2で大手ゼネコンに6か月間のインターンシップを経験。その後就職内定。
修士の研究をもう少し続けたいと博士課程に進みましたが、アカデミア志向ではなく将来は企業への就職を希望していました。D1の秋、当大学のインターンシップの話しがあり指導教官と相談の上、1年以内で博士論文の目処をつけたらインターンシップに行くことにし、努力して何とかその目処をつけました。ちょうどそのとき、建設会社からインターンシップの話しがあり6か月間経験しました。就職を目指すのではなく経験としてインターンシップに行きましたが、インターンシップでの印象がよく、その会社に就職することを希望するようになり、通常どおりの就職活動をした上で無事内定をいただきました。インターシップ中に異分野の人にわかってもらうように話しをすることに心がけたことが、大きな収穫となりました。

インターンシップでは対応することが多岐にわたり、その経験から広い視野で研究を捉えられるようになりました。

菅野 岳 氏(北海道大学大学院 水産科学研究院 D2)
D1のときに専門分野に近い企業の研究所で3か月間のインターンシップを経験
一般的にDC学生の多くは大学や公的機関を希望する傾向が大きいですが、私は学位取得後の進路としてアカデミアと企業への思いは五分五分でした。そこで、進路を考える一助として就職前に企業活動を理解するため本事業に参加しました。インターンシップ先では研究テーマを自分一人が担当しましたので、専門にこだわらない情報収集や企画立案など、対応することが多岐にわた、分野の幅が広くなりました。この経験からインターンシップ後には、自分の研究だけでなく広範な分野の研究に関心を向けて応用する姿勢が身につきました。今は、企業への就職が現実的な進路として認識できますし、学位取得によって得られた実行力が生かせるのであれば、その業種も研究業務だけにこだわっていません。

進路をアカデミアに決めるにも企業経験をして視野を広げた方がいいと思います。

西川 翔 氏(北海道大学大学院 水産科学研究院 D3)
D1のときに専門分野に近い企業の研究所で3か月間のインターンシップを経験
企業野のことを知らないでアカデミアを選択すると視野が狭くなるとの思いがあり、指導教官からからの勧めで3か月間のインターンシップを経験しました。行く前は3か月間学位論文の研究を行わないということがどのようなことはわからず不安でしたが、これを取り戻せるかどうかは自分次第と割り切ってインターンシップに行きました。インターンシップ先は出席できない会議などの制約もありましたが、かなりオープンにしていただいてお金にかかわることも見せていただきました。また、研究所で仕事をしましたが、担当と同じテーマの分析業務、パイロット生産業務にも短期間ですが経験できました。インターンシップ後は、「企業はイヤという選択肢」をなくした上で、アカデミアに進むことを決意しました。
文部科学省 科学技術振興機構