若手研究者の声

HOME >> 若手研究者の声

インターンシップでは、何事にも自分で考えて解決することを体験しました。

檀上 徹 氏
立命館大学大学院 理工学研究科 D2
D1で6か月間のインターンシップを経験

元々企業志望でDCに進学しました。ちょうどそのとき、指導教員から本学の「産学連携コーオプ型高度人材育成プログラム」への参加を勧められ、D1のときに6か月間のインターンシップを経験しました。インターシップ先では、「予算」と「課題」だけが示されて、「結果」を求められました。「手段」(調査、分析、実験etc)は自由です。私は実験を選びましたが、実験補助者の雇用、必要物品の購入なども含め、計画策定は非常に重要で2か月間を要しました。学校にいると、つい、指導教員に甘えてしまうことがありますが、インターンシップ先では一切それが許されず、自分で考えて責任をもって解決することの重要性を体験することができました。今は、研究室内外の後輩に本事業に参加するように動機付けを行っています。就職とは切り離してインターンシップ先を選びましたが、もし、採用してもらえたら是非やってみたいと思っています。

直接的な専門性にもまして期待されるパフォーマンス。

坂本 和也 氏

マテックス株式会社 品質保証部品質管理課長

阪大のPDを1年経験した後、教授から学内の協働育成型イノベーション創出リーダー養成(CLIC)主催の企業説明会を紹介され、博士人材の産業界における活躍の可能性を知り、インターンシップ制度を利用してマテックス株式会社で研修、同社に正社員として採用され、品質管理課長を拝命しました。民間企業での就業経験の無い私がいきなり管理職に就くことには驚き、プレッシャーも感じますが、遣り甲斐も感じています。私の日常業務の多くは課題対応型ですが、DC/PD時代に培った演繹と帰納を効率的且つ有効に遂行して所期の結果を導出し得るよう、日々、業務に当っています。また、会社の命運を左右する新規事業(R&D)への参画も求められています。民間企業への就職を考えているDC/PDの皆さん、狭き門であるアカデミアや大手企業にのみ拘泥せず、中小企業(産業フロンティア)にも眼を向け、自分達を必要とする産業界で自らの力量とポテンシャルを存分に発揮する気概を持たれてみては如何でしょうか。

インターンシップ経験も学位取得も将来のためのステップ

李 愼曉 (い しんひょう、 Lee Shin-Hyo) 氏

北海道大学大学院 獣医学研究科 PD
製薬企業で3か月間のインターンシップを経験し就職内定

韓国で獣医師の資格を取って来日しました。その理由は、将来は論文に触れる仕事がしたく、そのために研究者としてステップアップしたかったからです。しかし、研究を続けるうちに、社会人として自立しようと思うようになり、指導教員との相談から「企業は人の欲望に触れることがおもしろい」と思うようになりました。自分の研究分野から、製薬企業を希望するようになり、北海道大学の企業とのマッチング会である製薬企業のニーズと一致し、3か月間のインターンシップの後、就職が内定しました。インターンシップは薬理の研究室で行いましたが、企業では、自分の意志を示して自発的に仕事をすることの重要性を知りました。これは、企業に対して持っていたイメージとは違って斬新的でした。

インターンシップ経験も学位取得も将来のためのステップ

柏原 夕希子 氏

北海道大学大学院環境科学院 PD
オランダの種苗会社で6か月間のインターンシップを経験。

MCの後半から、将来は、研究を続けるよりも専門を活かしながら国際協力の職に就きたいと考えるようになりました。そのことを指導教官に相談し、DC期間や学位の取得は国際機関で働くためのステップと考え研究に従事しました。指導教官からは、在学中CoSTEP(科学技術コミュニケーション教育研究部門)の受講と国際学会への参加を勧められました。学位取得後PDの選択肢も考えましたが、企業を経験したいと思いインターンシップを希望しました。インターンシップは自分がやりたいことを明確にして、国際学会で構築した人脈も活用して探しました。オランダの種苗会社で、6か月間、大学での専門性を活かし、研究者として研究を行いました。その結果、今回のインターンシップを経て、企業就職も将来の選択肢に入るようになりました。

将来の進路を明確にした上で研究に打ち込んだことで幸運が開けました。

銭 丹娜 氏

信州大学DCとして化学系企業でインターンシップを行い就職。

中国の大学を卒業後、日本へは修士を目的に来ましたがもっと勉強したくて博士に進み、将来の進路を考えながら研究に取り組みました。日本の企業に就職する希望するようになり、信州大学の「イノベーション創発人材育成システム」に参加しマッチング会で自分の研究内容と合った企業と出会えました。博士論文の準備は進んでいましたし、就職の可能性もあるインターンシップでしたので、D3でしたが、学位も就職の心配もなしに、3か月間、研究部署でインターンシップによって日本の企業を経験することができました。そして、就職後も研究を継続しています。

研究のベースがあると、課題の考え方と解決のプロセスを大事にすることによって専門分野以外の仕事もできます。

張 利 氏
信州大学PDとして化学系企業でインターンシップ中
信州大学で博士を取得し同大学でPDをしていましたが、大学では理論的なことが中心で、自分は企業の方が力を発揮できると思うようになりました。企業とのマッチング会がきっかけで、企業の知財活動に興味を持つようになりました。それは、知財業務は研究のベースがないとできないと考えたからです。企業の要望もあり、就職を前提として知財部署でインターンシップを行っています。自分の専門分野以外の仕事も多くありますが、従来から専門分野を広げることを心がけていたので戸惑いはありません。重要なのは、課題の考え方と解決のプロセスです。

農学から工学系研究開発へ。チャンス、それは偶然の結果だった。

鄭 雨R 氏
北海道大学の人材育成本部Hop-Stationで事前教育後、 PDとして、電気系企業にインターンシップを経験。インターンシップ終了後同社に就職。
博士論文の提出・発表が終わるまで就職はまったく考えていませんでした。しかし、その後偶然と偶然が繋がった結果、パナソニック電工の新規プロジェクトに6ヶ月間インターンシップで参加することになりました。会社と大学、特に博士課程との違いはまったくありません。むしろ博士課程で習得したコア能力がより生かされ、要求される場でした。なぜ会社から博士が求められるのかを実感したありがたい経験でした。パナソニック電工への就職を決意したのは社名ではなく、尊重され、共に働く方々を信頼することができたからです。

インターンシップは自分の選択肢を見つける期間です。

高橋 司 氏
室蘭工業大学創成機能科学専攻出身。北海道大学の人材育成本部Hop-Stationで事前教育後、 PDとして、食品・医薬品および技術モデルのベンチャー企業でインターンシップを経験。インターンシップ終了後同社に就職。
博士号取得後はアカデミアに進むと漠然と思っていましたが、現実は厳しく、企業への就職も選択肢に入れ、PDになって5か月間のインターンシップを経験しました。企業ではこれまでの知識と技術を活かして仕事ができればと思っていましたが、5か月間で、博士は技術屋でないこと、博士は1つのことを突き詰めた経験があることに価値があることを実感しました。同時に、仕事を行っていくためには、薬学、知的財産、種々法規など多くの知識が不足していることが分かり、より広い専門知識が必要であると実感しました。私はPDでインターシップを経験しましたが、企業に入れる人物であるかどうかを見極めるためには、DCの早い段階で研究者としての自らの方向性を考えることに価値があると考えています。インターンシップは自分の選択肢を見つける期間です。

企業経験を論文の作成に取り入れることで論文数が増えました。

中根 孝浩 氏
信州大学工学部。D2で機械系企業に3か月のインターンシップ。学位取得後インターンシップ先に就職。
当初はアカデミアへの進路希望でしたが、大学の型にはまった研究から飛び出したい気持ちもあり、インターンシップに参加しました。そこで、製品開発を3か月間体験し、「ものづくり」の醍醐味を知り、企業就職を決めました。インターシップでは仕事のスピード感や納期意識を体感し、対象となる相手の配慮や伝え方等を学ぶことができました。また、これらの経験は大学での研究活動では得られにくく、「いかにお客様に満足していただけるのか」、「社会貢献ができるのか」等、考えさせられる場面が何度もありました。これらの経験から得たものの見方を論文作成に反映させたところ、論文数は飛躍的に増えました。インターンシップへの参加は企業経験だけでなく、大学での研究の遂行ならびに論文作成の上でも有効だと感じました。

インターンシップのために1年間で学位論文の目処をつけました。

末田 香恵 氏(北海道大学大学院 農学研究院 D3)
D2で大手ゼネコンに6か月間のインターンシップを経験。その後就職内定。
修士の研究をもう少し続けたいと博士課程に進みましたが、アカデミア志向ではなく将来は企業への就職を希望していました。D1の秋、当大学のインターンシップの話しがあり指導教官と相談の上、1年以内で博士論文の目処をつけたらインターンシップに行くことにし、努力して何とかその目処をつけました。ちょうどそのとき、建設会社からインターンシップの話しがあり6か月間経験しました。就職を目指すのではなく経験としてインターンシップに行きましたが、インターンシップでの印象がよく、その会社に就職することを希望するようになり、通常どおりの就職活動をした上で無事内定をいただきました。インターシップ中に異分野の人にわかってもらうように話しをすることに心がけたことが、大きな収穫となりました。

インターンシップでは対応することが多岐にわたり、その経験から広い視野で研究を捉えられるようになりました。

菅野 岳 氏(北海道大学大学院 水産科学研究院 D2)
D1のときに専門分野に近い企業の研究所で3か月間のインターンシップを経験
一般的にDC学生の多くは大学や公的機関を希望する傾向が大きいですが、私は学位取得後の進路としてアカデミアと企業への思いは五分五分でした。そこで、進路を考える一助として就職前に企業活動を理解するため本事業に参加しました。インターンシップ先では研究テーマを自分一人が担当しましたので、専門にこだわらない情報収集や企画立案など、対応することが多岐にわた、分野の幅が広くなりました。この経験からインターンシップ後には、自分の研究だけでなく広範な分野の研究に関心を向けて応用する姿勢が身につきました。今は、企業への就職が現実的な進路として認識できますし、学位取得によって得られた実行力が生かせるのであれば、その業種も研究業務だけにこだわっていません。

進路をアカデミアに決めるにも企業経験をして視野を広げた方がいいと思います。

西川 翔 氏(北海道大学大学院 水産科学研究院 D3)
D1のときに専門分野に近い企業の研究所で3か月間のインターンシップを経験
企業野のことを知らないでアカデミアを選択すると視野が狭くなるとの思いがあり、指導教官からからの勧めで3か月間のインターンシップを経験しました。行く前は3か月間学位論文の研究を行わないということがどのようなことはわからず不安でしたが、これを取り戻せるかどうかは自分次第と割り切ってインターンシップに行きました。インターンシップ先は出席できない会議などの制約もありましたが、かなりオープンにしていただいてお金にかかわることも見せていただきました。また、研究所で仕事をしましたが、担当と同じテーマの分析業務、パイロット生産業務にも短期間ですが経験できました。インターンシップ後は、「企業はイヤという選択肢」をなくした上で、アカデミアに進むことを決意しました。

インターンシップで派遣されることでどのような成果がありましたか?

● 大学での専門分野→ インターンシップ先での専門分野
Q1.インターンシップに参加したのはどのような理由からですか。
Q2.インターンシップと大学での研究の違いを教えてください。
Q3.インターンシップを通じてどのようなことを学びましたか。


名古屋大学 藤井優子さん
所属:医学系研究科機能構築医学専攻
派遣先:インテレクチュアルベンチャーズ社
●基礎医学→知財ビジネス
 A1.『研究者になりたい』という思いから、様々な迷いもありましたが、修士課程・博士課程に進みました。当初は、『アカデミアで研究を続けていく』と、当たり前のように考えていましたが、次第に、『このまま研究だけを続けていくのではなく、他の世界にも飛び出したい』という思いも芽生え、本プログラムに応募しました。
A2.長期インターンシップ先のインテレクチュアルベンチャーズ社では、様々な企業でキャリアを積んで転職してきた人ばかりでした。一方で、私には学位があるといっても、企業での勤務経験は皆無でした。
最初は、とにかく与えられた仕事をきちんとやる、その積み重ねでした。1つ1つの業務に楽しみを見出すと共に、責任を持って進めていく中で、次第にいろいろな仕事を任せられるようになりました。この結果、インターンシップの残り3ヶ月を切ったところで、正社員のオファーをもらいました。 会社で唯一の企業勤務未経験者の採用です。
A3.インターンシップを通じてどのようなことを学びましたか。本プログラムを介した経験により、会社および業務への理解を深めることができました。また、1年間という長期間だったため、コンテストの運営のように、長期にわたるプロジェクトにも取り組むことができました。さらに、腰を据えて勤務できたことは、社員の方々とのコミュニケーションにおいてもプラスになっていると思います。

東京工業大学 沖見宏さん
所属:大学院総合理工学研究科
派遣先:株式会社カネカ
●物質電子化学→工学系研究開発
 A1.就職を希望していましたが、直接企業との接点はなかったため、企業交流プログラムを通じて、企業と直接めぐり会うことが出来、結果として長期インターンシップに参加しました。
A2.経営学やマネジメントプログラムを中途半端に学ぶより、このプログラムで学んだ「思考」や「構造」理解を主眼とする講義群は、理系の大学 院生には親和性と実践性が高いと感じます。
長期インターンシップは本プログラムでの学習内容を実践の場で体現する機会といえますが、該当企業への就職を目指す上で自己アピールの絶好の機会となりました。
A3.ポスドク受講生として、企業の視点や考え方、ビジネスのロジックを学ぶことが出来、結果としてプログラム受講前は全く定まっていなかった自らのキャリアを、就職という明確な形で具現化することが出来ました。

大阪府立大学 長能重博さん
所属:「地域・産業牽引型高度人材育成プログラム」博士研究員
派遣先:住友電気工業株式会社
●工学→工学
 A1.企業で働くことを希望していた私にとっては、博士研究員を受け入れる企業が少ない中で、インターンシップを通して企業での研究や働き方を実体験できる為、中途採用という障壁を少しでも取り除くことができると考えたからです。
A2.大阪府立大学の支援で住友電工に4ヶ月間の長期インターンシップ研修を経験しました。
研修内容は、新事業化プロジェクトのfeasibility studyであり、主戦力として本プロジェクトに参加しました。
想定を超える他部署専門家との打ち合わせ回数、大学では経験できない猛烈なスピード感に圧倒されました。
A3.経営陣の緊迫感のある判断や指示が漏れ伝わることがあり、会社の風土を肌で感じつつも、一方で大きな不安を抱くことがありましたが、大学の担当教授や人材センタースタッフの方々からご助言をいただいたお陰で平常心を取り戻し、短期間で企業での研究スタンスを受け入れることができました。
今回のインターンシップは、私が描いている10年後の将来像「プロジェクトマネージャー」の予行演習として捉えることができた貴重な経験であったと思います。

東京農工大学 小野哲さん
所属:アグロイノベーション高度人材養成センター
派遣先:
・トッパン・フォームズ株式会社
・海洋研究開発機構地球シミュレータセンター
●海洋科学→計算科学
 A1.これまで社会への貢献手法について漠然としたイメージしか持っていなかったため、自分の能力を活かす方法を知るために長期インターンシップに参加しました。
長期インターンシップでは、本人の希望とバックグランドにあったインターンシップ先を開拓していただき事前に学内で行われた講座と合わせて効果的な研修を行うことができました。
A2.大学院では一つの研究テーマに専念する立場でありましたが、インターンシップでは、これまで接する機会の少なかった他分野の研究者と交流を持つことがでました。
A3.インターンシップでは各分野が直面している課題を知る貴重な機会となったほか、コミュニケーション能力やマネジメント能力を得ることができました。
これらの多大なご支援をいただき、インターンシップ先で職位を得ることができましたので、今後は、現職で担当しているプロジェクトを成功に導くべく尽力していきます。

北海道大学 日野貴文さん
所属:北大パイオニア人材育成ステーション(HoP-Station)
派遣先:株式会社日本データサービス
●物質電子化学→工学系研究開発
 A1.博士の就職は一般に募集数が少なく、情報も非常に限られており、業界・企業が自分にとって魅力的かどうかわかりづらかったのですが、インターンシップでは本雇用でなく試用期間として働けることから、自分にとって業界・企業が魅力的かどうか実際に働いて確かめるために参加しました。
A2.大学院ではある特定の狭い専門領域を突き詰めていきますが、企業においてはある一つの専門分野だけで仕事が成立することは稀であると実感しました。このように専門分野だけでなく複数の専門を持ち、その複数の専門分野全体が自分の専門、ということになると思います。
A3.「顧客ニーズを意識する」ということです。幸いにもインターンシップ先に就職することが出来ましたが、インターンシップ前は、精度の高い仕事をすれば対価が得られると漠然と捉えていました。しかし、インターンシップを経験してみると、顧客ニーズがまずあり、それを満たすことで対価が得られるのだということです。
顧客も認知していない隠れたニーズを見出すことも重要です。そのため、この業務のニーズは何なのか?隠れたニーズは何なのか?を常に考えながら仕事をしています。
藤井優子氏、沖見宏氏、長能重博氏、小野哲氏、日野貴文氏の記事の出典
「科学技術人材育成費補助事業ポストドクターのキャリア開発支援についてポストドクター・インターンシップ推進事業」
文部科学省 科学技術・学術政策局 基盤政策課
編集協力:(独)科学技術振興機構 科学技術システム開発事業推進室
文部科学省 科学技術振興機構