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グローバルに活躍できる人財を国籍問わず求めています。

三桜工業(株)
後藤 直哉氏(研究開発部 副部長)
 三桜工業は世界22ヶ国で主に自動車部品を製造しており、グローバルに活躍できる人財を国籍問わずに採用している会社です。インターンシップを実施した研究開発部は自動車燃費改善、環境負荷低減、自動車分野以外の新製品や新技術の研究開発を担当している部門です。
 インターンシップ受け入れにあたり、インターンシップ希望者と私が初めて話した時には、研究分野や実用化までの時間軸が三桜工業の研究開発と異なっており、少しギャップを感じました。しかし、インターン生のやる気を感じた私たちは、思い切って4人のインターン生を受け入れました。インターンシップ開始当初は、お互いの考え方の違いに戸惑うシーンもありましたが、目的達成に向けて討議を重ねるに連れてそのような問題は解消されて行きました。
 分野が異なっても問題発見〜解決のプロセスは共通しており、その考え方のプロセスは多様な研究テーマに応用することができます。博士の能力を実社会で発揮したいと考えている方を今後とも幅広く受け入れたいと考えていますので、是非チャレンジしていただきたいと思います。
[企業の声]もお読みください。

新プロジェクトの担当となり、やりがいを感じています。

三桜工業(株)
小林 敦氏(研究開発部 基礎技術研究G)
 私は2010年3月に群馬大学で博士号を取得し、PDとして2年間研究していました。実社会で貢献する為に企業に就職したいと思うようになり、群馬大のインターンシップ事業公募に応募し採用されました。2012年4月から事前スクーリング(キャリア教育)を受講した後、現在の上司である三桜工業(株)の後藤副部長とマッチング面談を行い、同年7月から9月末まで約3ヶ月間、インターンシップを実施し、10月から社員として採用され現在に至ります。
 DC、PD時代は光化学反応等を主なテーマにして主に一人で研究していましたが、インターンシップ期間中の担当テーマは金属腐食メカニズムの解析と表面処理技術開発で上司や同僚とのチームワークで業務を進めていました。 研究室時代と違い、企業の一員となると遵守すべきルールがあり、合せる努力が必要でした。企業においては、自分の意見を積極的に発言する事が重要だと強く感じました。
 2013年12月からは、新プロジェクトの担当となり、共同開発や技術提携を含み、プロジェクト完了の期限があるので、大変ですがそれを上回るやりがいを感じています。今は開発した製品を早く市場に出す為に日々研究に取り組んでいます。持っている博士人材力を広く実社会で貢献したいと考えているPD、DC院生の方々には、このPDキャリア開発事業に参加して、長期インターンシップを経験する事をお勧めします。
[若手研究者の声]もお読みください。

仕事でやることと、自分がやりたいことを思い描くことを、両立できるように。

メタウォーター(株)
加藤康弘氏(事業戦略本部 R&Dセンター 新事業技術開発グループマネージャー)
 受け入れた多くのインターンシップ生を見て感じるのは、みんな真面目に取り組んでくれ、社会的礼儀もわきまえていますが、逆にオリジナリティーを感じない人が多いことです。難しい事ではありますが、与えられた仕事の中にどれだけ自分としてのアイデアや解決方法を見出せるか、あるいは今後の方向性(技術発展や市場展開)について、自らの仕事として主体的に考える事ができるかが重要になります。
 30年以上の社会人人生のうち、修士と博士の5年間で培った知識は一部に過ぎません。自分自身がいかに柔軟性を持ち、適応し発展していけるかが重要です。
 そのために、総合エンジニアリング会社である当社では、現在担当している業務だけではなく、広い専門性を身につけさせるようにしています。例えば、化学が専門でも監視制御や機械工学の知識を身につけることで、より広い視野で自分の仕事を捉えることができるようになり、新しい技術やビジネスモデルの創出につながると考えています。
[企業の声]もお読みください。

企業と大学とは協働してシーズを製品にかえる。そのために、企業・大学とも優秀な人材が必要です。

(株)アイテック
飯田 勝康氏 (代表取締役社長)
 企業と大学とには、得意とすることの違いから、自ずと役割分担が出てきます。例えば、大学の保持しているシーズに対して、企業がマーケットを考えて「コストを下げたら、こういうアプリケーションがある」と提案できれば、そのシーズは製品になる可能性が出てきます。つまり、企業と大学とは協働して、シーズを製品にかえる努力をする必要があります。つまり、企業・大学とも優秀な人材が必要なのです。
 ここで、企業に目を向けた若手博士人材に求められるのは、世の中に役立つかどうかを考えることです。ビジネスになって売れるか?、競合相手は?、代替材料は?、これら全体を見て開発の糸口を描くことです。この間にも、企業(世界で通用する技術者)と大学(世界で通用する研究者)は、意見交換や情報交換してニーズを掴んでいくのです。
 企業では狭い専門性に閉じこもっていたら仕事になりません。自分の専門でないことも、調査して、勉強して、大学に対してアイデアを出す能力を身につけることが博士人材には求められています。
[企業の声]もお読みください。

インターンシップで学び得た貴重な経験を将来の仕事に生かしたい。

いであ(株)
王 gさん (環境創造研究所 環境化学部/海外統括本部 海外戦略室)
 私は、東京海洋大学大学院博士課程在学中に国内外で研究成果を発表し、多くの方々と交流を深めていく中で、アカデミアだけでなく、もっと視野を広げて自分の将来を見つめてみたいと思うようになりました。博士号取得後に民間の海底資源調査に関わっている先輩に話を聞いて、自分も可能性に挑戦したいと思い、長期インターンシップに参加する事を決めました。自分の研究分野の沿岸海洋物理学がどのように社会に役立つかを知るとともにもっと学ぶべき事があると思い、環境コンサルタント会社を希望して、いであ(株)の国土環境研究所の水環境解析部でインターンシップを始めました。いであは中国や東南アジア等世界各国で事業展開しており、自分の国際感覚を生かし、グローバルな視点から物事を探求し、専門外の分野や海外事業チャレンジできる会社と思い、最適なインターンシップ先と考えました。
 担当業務は、主に九州地区の気象レーダーデータ、潮位データの整理・解析や報告書作成補助などでした。丁度年度末だったので、顧客への報告書提出期限が迫り、大変多忙でしたが、やりがいがありました。インターンシップを経験して、企業での時間の使い方の大切さを学びました。限られた時間内に業務遂行する事の重要さと困難さを実感し、規則正しく生活する事が業務を正確にこなす近道だと強く感じました。指導してくださった現場の方々の生の声が聞く事や同じ部署の人達とうまくコミュニケーションを取る事の大切さ、プレセンテーションでうまく物事を伝える事の難しさと重要さ等を確認する事ができました。インターンシップで学び得た貴重な経験が自分の人生に良い影響を与え、将来の仕事に生かしたいと考えています。
 PD、DC院生でアカデミアだけでなく、社会での貢献を考えている人は積極的にPDキャリア開発事業に応募して、長期インターンシップを経験する事をお勧めします。
[若手研究者の声]もお読みください。

若いうちに大学と企業の双方を経験してください。

東洋エンジニアリング(株)
若林 敏祐氏 (エンジニアリング総括本部 プロセスシステム部 チームマネージャー)
 私自身、京都大学に社会人ドクターとして学びました。その関係もあって、京都大学からDC学生をインターンシップに受け入れました。その意味で、企業と大学の両方、また、社会人ドクターとインターンシップの両方を経験しました。そこで経験したことをもとに、一つお話しします。
 企業の技術者と大学の研究者が求めるところの一番の違いは、企業では「結果を出して先に進み利益を生み出す」のに対して、大学では「なぜそのような結果が得られるか理論背景を突き詰め、そこから新しいものを創出する」ことと感じました。大学の方が優勢と言うことではなく、その違いを知って仕事をすることが重要で、その重要性については「企業の声」に記載したとおりです。大学と企業とを双方向に橋渡しできるは、大学と企業の双方を経験した人が最適と考えています。
 大学研究者は、インターンシップを利用して、大学だけでは知りえない企業情報を使って研究を完成させてください。企業の技術者は、社会人ドクターとして、大学の研究を知りそれを企業活動に活かしてください。このサイクルを大学と企業とが協働で回すこと「産学協働」で、技術の差別化に繋がっていくと考えています。そして、これは若い研究者や技術者の志にかかっています。
[企業の声]もお読みください。

企業の中では学位を有するかどうかは関係ありません。その環境下でいかに活躍するかを考えてください。

(株)医学生物学研究所
林 真吾氏 (研究開発本部 遺伝子試薬開発部 プロジェクトリーダー)
 企業における博士人材について考えていることをお話します。結論は、企業の中では、学位を有するかどうかは関係ありません。すなわち、博士人材には力量があることを期待しますが、会社での仕事には関係ありません。
 当社では、新規採用では、博士人材も区別なく、全て同じ条件で募集し採用しています。そして、採用後、積極的にローテーションを行っています。これの意味するところは、「適材適所」はどこかわからない、また、会社全体を知らないと「お客様目線」がなく外が見えないからです。また、営業担当者に専門性がないと膨大な情報の中から良い情報を見つけることはできませんし、知財担当者に専門性がないと広くて強い特許を書けません。企業就職を考えている博士人材には「研究だけじゃない」と言いたいのです。
 自分の考えに固執せず、また、「研究開発部署」という根拠のない思い込みをなくし、思いもよらない体験をプラスとしてとらえるガッツを持てば、あなたの活躍の場は広がります。理系の頭を使って、例えば営業や特許など、研究をバックアップする仕事によって視野を広げて、研究に戻ったときにそれを活かしてください。最後に、もう一つ、企業は営利活動を営む組織であることも忘れてはいけません。
[企業の声]もお読みください。

社会での貢献を考えている人には長期インターンシップを経験する事をお勧めします。

群馬大学
粕谷 健一氏 (高度人材育成センター センター長 :理工学研究院 教授)
 群馬大学でPDインターンシップ推進事業がスタートした2011年10月に、指導教員から紹介があった小内さんと面接し、最初の養成者として採用しました。本人はアカデミア以外の道も考えているとの話だったので、協力企業開拓専門のコーディネーターが博士人材を必要としている会社を訪問し長期インターンシップ受入をお願いしました。 小内さんは現在の勤務先の(株)ミツバで2011年11月中旬からインターンシップを実施し、DC時代に身に着けた分光学等の知識・技術を基盤にして技術開発部で活躍しています。
 DCやPD時代は閉鎖的環境なので社交性が乏しい人もいますが、インターンシップ期間中に色々な人々と交流する事で、確実にコミュニケーション能力が高まります。博士号を取得した人は、本来物事の解決の仕方を理解しているので、社会性を身につけさえすれば民間企業での活躍も大いに期待できます。
 現在までに企業開拓の結果、PDのインターンシップ受け入れを表明頂いている協力企業数は、90を超えました。これらの情報は、出来るだけ同事業を行う他大学との間で互いに共有できるよう工夫をしています。マッチング向上のために、着任に先立って、採用予定の養成者の情報を匿名にして、これらの協力企業に配信しています。また、毎年4月には、協力企業と養成者間でのマッチング会を実施しています。
 本事業の終了後も、学内において、この制度を維持していくことになっています。また、外国人養成者については、専任チューターをつけて日本語能力の向上を図り、インターンシップ機関や就職後に言葉の壁で困らないように指導しています。
 PD、DC院生でアカデミアだけでなく、民間企業での活躍を考えている人は、積極的にPDキャリア開発事業に応募して、長期インターンシップを経験する事をお勧めします。
[大学教員の声]もお読みください。

人材を見るとき、専門能力より、基礎学力、適応力、(研究開発)スキルを見ます。

帝人(株)
大道 高弘氏 (新事業開発推進グループ研究部門 融合技術研究所 室長)
 「企業の声」で、インターンシップの成功はインターンシップ生の適応力と応用力の高さに負うことが大きいと述べました。これはインターンシップに限ったことではなく、若手人材の生涯の仕事のやり方にも通じることです。
 企業、少なくとも当社では、博士号を保持していることに関して何の意味も、興味も持っていません。統計的には、MC卒よりDC卒の方が専門能力は高いでしょうが、人材そのものに意味があり、興味を持っています。さらに、人材を見るとき、専門能力より、基礎学力、適応力、(研究開発)スキルを見ます。専門能力だけの人は、外れると弱い。他方、基礎学力を持って、適応力を発揮して、課題設定とアプローチができていれば、多角的からの視野で仕事ができますし、テーマが変わっても仕事ができます。つまり、視野を広げていく能力がある人は成功します。
 これを法人単位で考えると、大学と企業とのコラボ、企業と企業とのコラボによって、大学や企業の能力は高まると考えています。若手研究者の方も、視野を広げて、専門の違うところにフレキシブルに適応してください。そしてアグレッシブに。
[企業の声]もお読みください。

「適材適所」は自分ではわからない。外の世界を見ることで可能性が広がることも。

三井情報(株)
奥村利幸氏(事業開発部 バイオサイエンス室 室長)
 最近の学生や若手研究者の方と接していると、将来の展望に対して不安を持ち、より堅実で安全な道を選ぼうとしている人が多くなったように感じることがあります。個人的には、若い時は、もっとチャレンジャブルになっても良いのではないかと思うこともありますが、反面、長く続くデフレ下で研究機関のポストも限られる中、任期付き雇用で常に成果を出し続けなければならない立場に置かれている多くの若手研究者の方は大変険しい道を歩んでおられるものと思います。
 学部から修士・博士課程と進む中で興味のある研究テーマに出会い、その研究に没頭する日々は研究者として極めて大切な時間であると思います。しかし一方で、研究は順風満帆ということはありませんから、常に課題に直面し、悩み、格闘し、失敗を繰り返すことも多々あることと思います。そのような時に、大学の外の世界に触れ、体験してみることで世界観が広がることもあるかと思います。また、自分自身のことは自分ではなかなか判らないものですが、いろんな所で、様々な人に会って、議論する中から気付くこともあり、それにより物事の捉え方が多面的になり、新しい可能性が広がることもあるかもしれません。インターンシップ制度では外からでは見えにくい企業の内側に入って、直に見て、触れて、議論して、知ることができます。
 数か月間一緒に仕事をするとお互い誤魔化しはききません。将来アカデミアで仕事をする上でも、企業側の考え方や仕事の仕方を知っていることは有益なことだと思います。インターンシップで数か月間時間が取られるでしょうが、長い将来を見据えれば、余りあるメリットがあるものと思いますので、本制度を積極的に活用していってもらえればと思っています。
[企業の声]もお読みください。

お客様の「いいものを、安く、すぐに」の声から「真のニーズ」を引き出すのにあなたの専門性が活かせます。

(株)リプロセル
横山 周史氏 (代表取締役社長)
 博士人材は研究に拘らなくても、アカデミアに拘らなくても、自分の持っている専門性を活かせる仕事はあります。メーカーの研究所でなくても、商社や金融でも専門性は活かせます。
 一方、博士人材、特に、PDは研究への拘りがあります。ここにミスマッチが生じます。研究から離れても、今までのことは無駄にはなりません。文系の人では本で勉強しただけではわからないことがあります。自分で研究していないと現場の感覚としてわからないものです。だから、培ってきた研究は活かせるのです。研究者は「本を読んでもわからないこと」をわかる人、目利きになれるのです。「お客様サイドに立つ」という言葉を聴くことがあるでしょうか。しかし、お客様の声を解釈せずに真に受けているのでは失格です。お客様は「何でも」(つまり、「いいものを、安く、すぐに」)と言いますが、そこから、「真のニーズ」は何かと解釈することが必要です。
 どこを優先するか。お客様の本当の声を聞くためには、お客様の言うことがわかることが必要で、広い知識が必要となります。とにかく、門戸を閉ざさないでいろんなことをやってください。指導教員の言うことを聞くよりも自分で決めてください。インターンシップを含めて、いろんなことをやった方が先で伸びます。
[企業の声]もお読みください。

PDは職業ではなく自分を磨く期間です。最大2回で4-5年まで。

(独)物質・材料研究機構
森 利之氏 (環境・エネルギー材料部門 グループリーダー、北海道大学 理学院 連携教授)
 PDについて考えていることをお話します。PDは職業ではなく、自分を磨く期間だと考えています。DCの3年間で教員から指導されながら行ったことを、PIと二人三脚で2-3年のうちに発展的に展開する期間がPDです。このサイクルは最大2回で、4-5年までです。それ以上や、横滑りや、出身大学に居続けるのは必ずしも健全ではありません。やりたいことがあって先のことを考えていれば、この期間、ハングリー精神も向上心も持ち続けられるはずですし、はやく自分が中心になってする仕事を始めたいと思うはずです。
 さらに、PDの身分でアカデミアという「研究の場」にいるだけで、「研究」をしていると勘違いしてはいけません。「研究の場」にあり、データを取り続けても、広い視野で(異なる見方で)データを読み解く力が養われていかないと、やっていることが「研究」ではなく「ただの作業」に終わるリスクが生まれます。データを積み重ねる中で、常識の中に埋もれた盲点を明らかにし、その先にブレークスルーを見出すには、自らすすんで、異なる見解をもつ研究者と議論を深め、互いに気づかずにいる点を明らかにし、そのうえで、データをもとにした考察の質を高める必要があります。
 その場の思いつきでやりはじめると「作業」で終わることがあります。「大学教員の声」でも記載しましたが、「生き方」は「研究に取り組む姿勢」とイコールです。こうした観点から、多様なキャリアパスを上手に活用して、早いうちに「やりたいこと」をしっかりとした考えのもとで決めて、それをとことんやる姿勢を持つようにしてください。
[大学教員の声]もお読みください。

海外から応募して、私が望んだ企業にインターンシップを経て採用されました。

KCJ GROUP(株)
秋山 和子氏 (経営企画本部 マーケティング部)
 私は日本女子大学大学院理学研究科で博士号(化学)を取得後、大学・高校で教職についた後、アラブ首長国連邦の航空会社へ入社しました。客室乗務員として業務につく一方で、現地で環境教育に携わったことをきっかけに、学び手の興味を継続して引き出すこと、関心を持続させることの難しさを感じていながらも、やはり若い世代に「伝える」仕事に就きたいと考え、JSTの研究人材データベースj−RECINを拝見していました。
 偶然にも、奈良女子大学のPDインターンシップ推進事業の養成者公募を見つけ、希望企業等で長期インターンシップが可能なこと、他大学出身者へも門戸を広げていること、女性人材育成機関としての伝統と実績に大変魅力を感じ、応募を決めました。インターンの審査会では、「これまで培った自分のキャリア・強みをどう活かしたいのか」「新しいキャリアとして何がしたいのか」についての論文提出やプレゼンテーションがあり、キャリアチェンジにあたり改めて自分の思いを整理する良い機会となったことを覚えています。様々な分野のセミナーへの出席や何事にも親身に相談にのってくださるキャリアコーディネーターとのディスカッションにより、長期インターンシップ参加の目的を明確にすることができました。
 河原キャリアコーディネーターの粘り強い交渉を経て、マッチング面談を行い、第一希望のKidZaniaを運営するKCJ GROUP株式会社にて2012年11月より5ヶ月間長期インターンシップを経験しました。担当の広報グループは、通常の広報業務以外にも多岐に亘る業務を担当しており、予定外の案件にもスムーズに対応するためにも、各部署との良好なコミュニケーションが必須であると感じました。また、現場に近いオフィスだったため、お客様の笑顔に応えるために、自分の担当業務をどのようにつなげていったらよいのだろうかと、日々意識することができたことは、今でも役に立っています。
 2013年5月からは、本社のマーケティング部の業務についております。博士課程までの研究経験を活かし、大学との共同研究のコーディネートを中心に、新しい分野を日々業務から学んでおり、良い刺激を受けています。PD、DC院生でアカデミアだけでなく、実社会で社会貢献したい方、また専門分野を離れてキャリアチェンジしたいと思っている方へも、PDキャリア開発事業での長期インターンシップへの参加をお勧めいたします。
[若手研究者の声]もお読みください。

現状に安住しているのではなく、外を見てください。

東京農工大学
三浦 豊氏 (農学研究院 応用生命化学部門 教授)
 当室にいたDC学生で、研究を進める中で、医学部や製薬企業との付き合いを積極的に活かし、それによって研究成果をあげるだけでなく自分が活躍できる可能性の広さを知り、さらに異業種の企業でのインターンシップを経験して企業に就職した者がいました。それをもとに、一つお話しします。
 アカデミアに残るにしても、企業就職するにしても、共通して言えるのは、現状に安住しているのではなく、外を見てください。大学で研究するにしても、あなたの心がけ次第で、自分の周辺から、多くのこと見ることができ、多くのことを聞くことができます。上の学生の例だけでなく、多くの大学に企業出身の教員がいると思いますし、研究室には海外の研究者が来るでしょうし共同研究で海外に行くこともあるでしょう。
 つまり、周囲には自分と自研究室とは異質の人、異文化を持った人が多くいます。これらの外部の人との接点をチャンスとしてとらえ、観察し、話しをすることによって、新しい見方を培ってください。そして、これらは人に勧められたから行うのではなく、自分からの行わなくてはいけません。この日々の心がけによって、チャレンジ精神が起きてくるようになり、自分のキャリア開発に繋げることができると思います。
[大学教員の声]もお読みください。

専門能力のある人は活躍できる場が広い、つまり、「潰しが効く」はずです。

岡村製油(株)
島田 裕司氏 (取締役)
 私が博士人材に、特に、求めるのは、「自分でテーマを作れる」、「プレゼンテーションができる」の2点です。「自分でテーマを作れる」については、博士人材ならできるはずです。
 博士人材には専門能力があり、その専門能力は「基礎ができている」ことが前提となっているのですから、基礎ができていてアカデミアでテーマ設定できる博士人材は企業の研究でもテーマ設定できるはずです。しかし、多くの研究者には物足りなさを感じています。それは専門能力の不足というより、「プレゼンテーションができる」が欠けているからです。
 企業では、研究所に所属していても、研究だけでなく営業などの現場に行かないといけません。このときにプレゼンテーション力が問われます。営業と一緒に客先に行ったときに話しができないと。
企業では、日ごろから、製造、工務、営業との話しに首を突っ込めるように自己研鑽する必要があります。研究以外のことでも指示待ちだったら、あなたは学位を持っていてもテクニシャンです。多くの博士人材は専門能力を持っていると思います。それをどこに活かすか、どうすれば活かすことができるか、常に考えてください。専門能力のある人は活躍できる場が広い、つまり、「潰しが効く」はずです。
[企業の声]もお読みください。

研究にこだわらずに企業に出なさい。基礎は身についているので企業でも活躍できます。

兵庫県立大学
馬越 健次氏 (物質理学研究科 教授、学長特別補佐)
DC、特に理学分野に進学した多くの人は、学位取得後に企業就職を念頭に置いている人は少ないと思います。しかし、私は、ずっと、「研究にこだわらずに企業に出なさい。アカデミックポジションにこだわる必要はありません。」と言い続けています。なぜか。基礎は身についていれば、どこでも活躍できるのです。アカデミックポジションと狭い範囲に固執せずに、他の活躍の場も探してください。
 そのためには、まず、外を見ることです。その1つが民間企業でのインターンシップです。企業では、周りを見ずに「これをやりたい」と言っていては仕事ができません。企業の中で自分を活かせる道を探って、企業収益に貢献できることを示すのです。研究のやり方の基礎ができれば、新しいことでも勉強もでき、それらを終結させて新たな提案もできるのです。
 今言っていることはDC学生にだけはありません。PDの方にも同じことを言っています。PDを経験する中で多くのことが経験できたかと思いますが、もっと異質なものも経験してください。
 念を押します。企業には、アカデミックポジションに残れないから行くのではありません。あなたが新しい価値を創造して活躍するために行くのです。多くの場で、自分の強みを活かして貢献できることを示してください。
[大学教員の声]もお読みください。

積極的に新しい分野の業務に取り組む意欲がある人を要望します。

(株)ミツバ
青木 茂樹氏 (総務部長)
 群馬大から長期インターンシップをお願いしたいと2011年10月に話があり、小内さんと面談した結果、即戦力となると判断したので、就職前提での長期インターンシップを受け入れました。博士人材が活躍できる場を社内で検討した結果、広い分野で業務が可能な技術開発部でインターンシップを実施する事にしました。
 当社の約30%(200名以上)が群馬大学出身者であり、DCの新卒者も採用しています。
 博士人材には入社後に期待するものが違うと思います。博士人材は深い専門知識も持っている事も評価しますが、博士号を取得したプロセスを極めた事をより重要視しています。伝える事の頻度が大きい、伝える事の意味が違う、伝える相手が明確などコミュニケーション能力が極めて優れていている人、積極的に新しい分野の業務に取り組んでいく意欲がある人を要望しています。
 さらに、ミツバではタイ、ベトナム等に海外拠点展開を進めているので、外国人のPD,DC新卒者を採用したいと考えています。また、最近は物性論を重要視しているので、材料知識に精通した博士人材に来て欲しいと思います。通常の採用と異なり、長期インターンシップを実施した後の採用は博士人材力や社交性を見極めてからなので安心感があります。インターンシップ期間としては3〜6ヶ月が丁度良いと思います。群馬大学以外の博士人材の方でも、実業界で活躍したい方は、積極的に当社に長期インターンシップを申し込んで欲しいと思います。
[企業の声]もお読みください。

博士人材の能力の高さに期待しています。

(株)ミツバ
佃 徹 氏 (技術開発部 技術開発2課 課長)
 小内さんのインターンシップ開始時から就職後の現在まで、上司として指導してきました。
 小内さんが所属する解析チームは社内で困った時の相談所で、畑の違う様々な人から来る問題解決依頼を受け付け、出来るだけ早く対応策を見つけ、判りやすく説明する重要な業務を担当してもらいました。
 博士人材とは堅物で協調性がないという先入観で、小内さんが課内外の仲間達と打ち解けて、うまくコミュニケーションできるかと心配しましたが、杞憂とすぐに判り、安心しました。
 業務を通じて、博士人材が自分達に役立つと認識してもらう事が重要ですが、小内さんは積極的に相手の希望を聞き出して、判らない事はインターネットで調べたり、群馬大学の方に聞いたりして、出来るだけ早く的確に対応していく事で職場内外の信頼関係を築いていきました。
 最初は時間管理が下手で、飛び込みの依頼事項を処理する事に追われて、将来に備える為に日々積み重ねていく仕事まで手が回らない状況でした。 やはり、強い自分の意志を加えて時間管理して、うまく業務進捗管理をする事が企業では重要です。
 学卒、修士卒のレベルが落ちてきていると実感していますが、博士人材のレベルは今も変わってないので、実務能力の高さや外国語も含むコミュニケーション能力に期待しています。
 明るくて誰とでもコミュニケーションを取れる人で広い視野を持ち、様々な分野のテーマに取り組んで積極的なアドバイスが出来て、古い体制(考え)を打ち壊すようなパワーのある博士人材が当社に長期インターンシップや採用を希望して、来て欲しいと思います。
[企業の声]もお読みください。

広く社会貢献したい方に長期インターンシップを経験する事をお勧めします。

(株)ミツバ
小内 輝明氏 (技術開発部 技術開発2課)
 私は2011年3月に群馬大学の生産工学専攻で博士号を取得し、アカデミア以外に企業への就職も考えていたところ、同年10月に群馬大学でPDインターンシップ推進事業がスタートしたので、養成者公募に応募して11月から養成者として採用されました。
 そして、事前スクーリング(キャリア教育)を受講した後、ミツバの青木総務部長とマッチング面談を行い、同年11月中旬から現在の職場で2012年3月末まで約4ヶ月半の間、就職前提でインターンシップを行いました。
 インターンシップ中は技術開発課程で発生する色々な問題の解決法を見つける事が主な仕事でした。色々な部署で困っている事に積極的に関与して、相手の希望を聞き出して最適な解決法をできるだけ早く見つける事が重要です。いろいろな人々と係る仕事なので、まず話す事が大切であり、相手に技術内容を判りやすく丁寧に説明できる優れたコミュニケーション能力が必要です。
 インターンシップ中に群馬大等の社外設備を使用する事も多く、大学との繋がりを大切にしています。2012年4月に新入社員として正式採用され同じ職場で勤務しています。
 各部門からの問題解決の依頼業務を効率良く処理しながら、将来に備える為の長期的な技術開発テーマにも時間を取れるように、自分で時間管理していけるよう努力しています。
 企業で必要な博士人材力とは、深い専門知識の他に幅広い分野の知識・技術を持ち、優れたコミュニケーション能力及び新たな分野にチャレンジできる能力が重要だと思います。 持っている博士人材力を発揮して広く社会貢献したいと考えているPD、DC院生の方々には、このPDキャリア開発事業に参加して、長期インターンシップを経験する事をお勧めします。
[若手研究者の声]もお読みください。

インターンシップで体験し、本当に就きたい仕事はこれだと再認識できました。

(公財)大阪国際平和センター
岡野 詩子氏 (ピースおおさか専門職員)
 私は、戦争と平和に関心が高く、ポーランドの現代史(特に第2次世界大戦時に起きたカティンの森事件)を研究する為に、ポーランドに4年間留学しました。帰国後、岡山大学大学院社会文化科学研究科で博士号を取得して、戦争と平和に関連した公的機関に就職したいと思い、奈良女子大のPDキャリア開発事業の養成者公募に応募し、2012年9月に採用されました。
 実践的講義(各種セミナー)や自己分析セミナーを受講して、ビジネススキルや職業能力の向上に努めるとともに、第1希望であったピースおおさかでのインターンシップを希望して、コーディネーターに交渉をお願いしました。マッチング面談を経て、2012年11月から2013年3月末までの5ヶ月間、現在の職場でインターンシップを実施しました。
 インターンシップ中は、大阪の戦争体験者が高齢化している中で大阪大空襲の語り継ぎ部を育成する為のネットワーク作りを行い、その交流会を3月末に開催するという大きなテーマを任されました。このテーマを遂行する事で、分かり易く説明する事や戦争体験を伝える事の難しさを感じました。
 人を引き付けるような話術(コミュニケーション能力)が重要だと思い努力しました。 また、研究室時代の専門分野の一点集中型ではなく、視野を広げて物事を見る能力も付いたと思います。
 研究生活の最終目標としていた事をインターンシップで経験して、改めて私が就きたい仕事はこれだと再認識できました。 また、自分自身に大きく影響した事は研究は個人プレーですが、このピースおおさかでは職員が一丸となって、博物館を盛り上げていく連携プレーの大切さに気付いた事です。2013年2月にピースおおさかでの採用計画が決まり、42名の応募者の中から採用された2名の内の1名となる事ができて、非常に喜んでいます。
 2013年4月から専門職員として、理念実現の為に尽力されてきた方々の志を受け継いで、語り継ぎ部ネットワークの更なる充実や展示品のリニューアルに頑張っています。PD、DC院生でアカデミアだけでなく、社会での貢献を考えている人は積極的にPDキャリア開発事業に応募して、事前セミナーで専門分野以外の幅広い知識やビジネススキル、コミュニケーション能力を向上させた後に長期インターンシップを経験する事をお勧めします。
[若手研究者の声]もお読みください。

未知の可能性がある中小企業は博士人材を必要としています。

ケイセイ医科工業(株)
笹崎 淳氏 (プロジェクト管理部 執行役員・部長)
 技術開発職はいますが、研究職はなかったので、どの様なテーマでインターンシップを行うのか多少悩みましたが、プロジェクト管理部では顧客の専門的なニーズを拾い集め、医療機器の開発(OEMを含む)に取り組んでおり、医療機関や研究機関との共同研究も積極的に進めているので、研究チームを増強してそのリーダーとして、松田君の博士人材力を発揮してもらいたいと考えています。
医療機器の製造(開発)・販売には(独)医薬品医療機器総合機構(PMDA)による許可・承認が必要なので、新規参入しにくい業種であり、これからも優秀な博士人材を長期インターンシップで受け入れて、当社事業の発展に貢献してくれる博士人材を採用したいと考えています。
私共中小企業は、やらなければならない職務の幅も広く、人手も少ないことから、ある一定期間に続けてインターンシップに来られるよりも、フレキシブルな期間を設定できるようにして貰った方が有効的な内容を築けると感じました。 また、弊社が工場をおく新潟県県央地区は中小企業が多いところです。 私共中小企業にとって博士人材の採用は敷居が高いと感じる時もありましたが、採用される側にとっても中小企業ならではの職務の広さや、守っていかなければならない伝統技術、未知の可能性という面では、中小企業に魅力を感じている方もいると思います。
近隣の企業でも、優秀な博士人材とのマッチング、インターンシップ、採用を希望している所も多いと思いますので、中小企業向けにもこの事業の周知と博士人材情報のネットワークを構築して、多くの希望者が閲覧できるようにして欲しいと考えます。
[企業の声]もお読みください。

コミュニケーション力は最も重要な博士人材力です。

ケイセイ医科工業(株)
松田 純平氏 (プロジェクト管理部 主任研究員)
 2008年3月に博士号を取得後、PDとして生体・機械工学を専門分野として研究していた時に、PD仲間と話している中で、実社会で学んだ知識を持って勝負した方が面白いのではないか、また、工学出身者として持てるアイデアが市場に通用するのか試したいという思いに至りました。
 2009年度から新潟大学が始めたPDキャリア開発事業に、同年10月から参加し、新潟大学ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー研究機関研究員として事前スクーリングを受講して、マッチングの後、現在の職場のケイセイ医科工業の研究開発部門で6ヶ月間のインターンシップを実施しました。 研究室時の専門に近いバイオメカニクス(医工連携)、医療技術関連の研究・開発は高度な専門技術が必要で、医療機器の製造(開発)・販売に必要な厚生労働省の許可・承認には、検証・評価・価値の証明が大変重要です。当初は就職前提では無かったのですが、会長、社長、部長等の会社幹部の方々とのコミュニケーションが深まり、インターンシップ終了後の2011年4月に正式採用されました。中小企業ならではの入口から出口まで一貫して見通し、関わることのできる環境には将来の実績と可能性を感じており、社会還元の観点からも重要である“儲けること”(=社会が必要とするもの)、“新しい価値”(=社会をより豊かにすること)という個人的スローガンを掲げて業務に取り組んでおります。
 大学では時間管理は自己裁量という環境でしたが、企業の就業規則で決まった規則正しい時間管理環境となり、複数のプロジェクトや継続しているアカデミックな研究を行う時間配分は、計画進捗の管理も含め、大変重要度を増しております。
 福岡で営業実習した際には、業界独特の特殊な販売ノウハウや買い手の感情、感覚、営業間のやり取りやユーザー(医師)との会話の中から勘所を教えてもらいました。さらに、管理職や営業職の仲間とコミュニケーションを図り、つながりを持つことで、企業や市場の中の自分のポジションや役割を感じることができました。コミュニケーション力はもしかすると最も重要かもしれないと感じています。
 PD、DC院生でアカデミアだけでなく、社会での貢献を考えている人は積極的にPDキャリア開発事業に応募して、長期インターンシップを経験する事をお勧めします。
[若手研究者の声]もお読みください。

Win−Winの関係で良い博士人材を採用。

NIT(株)
伊藤 台蔵氏 (代表取締役社長)
 現在NITでは微細氷粒“ナノアイス”と“爆砕装置”の量産試作機や実証試験設備を用いた実験・検証を進めています。
起業当初NITでは開発リーダーとして即戦力の人材確保を必要としており、既知の三重大学のPDキャリア開発事業実施責任者に相談したら、良い博士人材と紹介された田口さんと面談し、お互いの考えが一致したので、2012年6月から2013年3月末までの約10ヶ月間インターンシップを実施し、終了後に正式入社してもらいました。 主担当の爆砕装置のラボ機開発及びそれを用いた農水産未利用資源の高付加価値化の試験・検証、併せてナノアイスマシ開発を現在も継続して担当して貰っています。 田口さんは当初は外部とのコミュニケーション面で少々苦手とされる所がありましたが、実務にあたって多くの関係者と接する機会が増えるに従い、現在ではそれもかなり改善されたと思います。
とにかく真面目で、残業、休日も構わずに少々オーバーワークと思われる程の仕事振りです。
新規のテーマへの対応や海外も視野入れた今後の展開に、ますます田口さんの研究に期待するところです。このPDキャリア開発事業についての要望点として、中小企業にも博士人材の優秀さをPRして、長期インターンシップを実施し、Win−Winの関係で良い博士人材を採用できるように、中小企業向けにもこの制度の周知をより広く図って戴ければと思います。
[企業の声]もお読みください。

是非、長期インターンシップを経験してください。

NIT(株)
田口 秀典氏 (爆砕担当)
 三重大学で2004年7月に博士後期課程を修了して、博士号取得後北海道大学で約8年間PDをしていましたが、大学や公的研究機関で研究職を目指すよりも積極的に実社会で貢献でき安定的な身分・収入が得られる事を重要と考え、公募情報サイト(JREC-IN)で目に留まった三重大学地域イノベーター養成室の養成者公募に応募しました。 2012年5月に本事業の特定研究員に採用され、すぐにマッチングをした伊藤社長が新規に起業したNIT(株)でのインターンシップを実施する事を決めました。 2012年6月から2013年3月末までの約10ヶ月間インターンシップを実施し、終了後に正式入社できて、身分、収入が保証され、安心しました。NITでは、インターンシップ期間中から継続して微細粒氷(ナノアイス)製造装置の開発及び爆砕装置のラボ機開発と爆砕試験・分析を担当しています。
機械系の仕事が中心ですが、もともと機械に興味があったので、モノ作りの一からCADまで幅広い勉強をしています。 新しい仕事に取り組むには、色々な切り口で違った見方が出来るフレキシブルな考えを持つ事が重要だと思います。 インターンシップ期間で、知識・技術の欠如と計画性、相互連絡の重要さを痛感しました。 また、コミュニケーション力、語学力、積極性を修得する事ができました。 また、インターンシップ中に受講したセミナーではプレゼンテーション力・説得力の重要さを学びました。 企業で発揮すべき博士人材力とは、深い専門知識の他に、幅広い分野の知識・技術と優れたコミュニケーション能力だと思います。  持っている博士人材力を広く実社会で貢献したいと考えているPD、DC院生の方々には、このPDキャリア開発事業に参加して、長期インターンシップを経験する事をお勧めします。
[若手研究者の声]もお読みください。

インターンシップで、自分がどこまで通用するか研究者であるかを確認することもできます。

大阪府立大学
松岡雅也氏(工学研究科 物質・化学系専攻 教授)
 「大学教員の声」で本学のインターシップの成功例を紹介しました。全てのインターンシップがこのような成功裏に終わるものではないかもしれません。しかし、何もアクションを起こさずに、DC時代を過ごしPDを続けることにも疑問が残るのも事実です。例えば、先のPDは自分の将来を見据えようとDC時代から一貫して次のように行動していました。@自分の専門を形として役立つ物にする方法を模索する(商品化までをイメージする)、A自分の専門の周辺から知識を吸収し専門分野を広げていく、B海外の動向に敏感である(基礎研究だけでなく製造・販売についても)、Cビジネスモデル・ビジネスチャンスにアンテナを張っているなどです。これらの積み重ねがあったからこそ幅広い視野を持つことができ、さらに自らインターンシップへと行動を起こすことで企業から認められ、新たな事業展開につながる研究成果も出せたのだと確信しています。自分の進路(企業かアカデミアか)は早く決めることが望ましいと思いますが、いずれであっても、企業に入って現場の空気に触れるとともに、できれば専門とは違った分野に身を置く経験により視野を広げ、異分野との出会いと融合を通して、自分がどこまで通用する研究者であるかを確認しつつ自己実現につながる将来への道を拓いていただきたいと思います。是非積極的に違う分野を体験し視野を広げ、DC・PD時代で得た経験を最大限に生かして活躍していただければと思います。
[大学教員の声]もお読みください。

自分が本当に面白いと思うことをしよう!

大阪府立大学
森直樹氏(工学研究科 知能情報工学科 准教授)
「自分が本当に面白いと思うことをすること」もしもPD、DCの皆さんにひとつだけアドバイスめいたことを言えるのであれば、私からはこれに尽きます。PD、DCの環境は随分と改善されたとはいえ、やはりリスクがあり、将来に対するプレッシャーも相当なものでしょう。その代わり、望むように時間を使えるという素晴らしい権利も同時に手にしているはずです。もちろん指導教官の存在、研究室の事情、業績の必要性などたくさんの障害(?) もあり好きなことだけをするというわけにはいかないでしょう。短期的に結果が出そうな研究をすることも戦略的に必要かもしれません。けれども,研究テーマに対する強い想いだけは忘れないで欲しい。「自分が本当に面白いと思えなければ他人を魅了することなどできはしない」という言葉は科学の世界でも当てはまると思うのです。そういった想いを持っている研究者は本当にたくさんいます。そして、あなたの想いが強ければ必ず共鳴してくれる人達がいるはずです。そういった出会いを求めるためにも狭い分野に限定することなく学会やインターンシップを利用して一人でも多くの人々に自分の想いをぶつけて欲しいと思います。
[大学教員の声]もお読みください。

企業人として成就しませんか。

(株)UNIGEN
小川敦嗣氏(取締役 副社長)
アカデミアポストを目指してDCに進学し、それが叶えられないためにPDに身を置いているのなら、そして、それが成し遂げ感のなさに繋がっているのなら、是非、一度、企業に目を向けてください。多くの企業では、基礎研究をできる人が開発に携わることを望んでいるはずです。そのことは、企業に身を置くことで実感できると思っています。ただ、そのときに求められるのは、肩ひじを張らずにチームに入ることと、並びに、自分の専門だけに固執しないことです。それができれば、大学での研究と同様に、課題設定し、その課題を解決していけば、自分のコアは失わずにスキルを増やしていけるはずです。そうすれば、例えば研究部署に配属された後でも、将来的には、製造、品質管理、生産管理と、活躍できる範囲が広くなるでしょう。また、就職とは切り離して考えても、インターシップによって企業を経験することは有意義です。当初は企業活動の中での基礎動作(挨拶、報連相、スピード)に慣れないかもしれませんが、そうした課題を払拭してプロの企業人になる道も探ってください。
[企業の声]もお読みください。

インターンシップで多くの事を学び、大きなプラスとなりました。

東北大学
土見 大介氏 (大学院医工学研究科 PD)
私は、学部生の頃から感覚のフィードバックが可能な義肢を開発する事業を立ち上げたいと考えており、コミュニケーションや各種マネジメント力の習得を目的として高度技術経営塾に入塾しました。その後、そこで得たものを実践できる場を求めて、就職が前提ではないことを予めお伝えしたうえでインターンシップに応募しました。その結果、弘進ゴム鰍ノ受け入れてもらうことが決まり、2011年3月末から9月末まで約6ヶ月のインターンシップを実施しました。弘進ゴムには介護用機器の研究開発をしている部署があり、そこでインターンシップ期間中お世話になりました。東北大では福祉・介護用機器の開発に応用可能な技術の研究をしていたため、弘進ゴムでもすぐに開発テーマに取り組む事ができました。半年間のインターンシップを通して、企業における製品開発・生産化のノウハウの一端を知る事やスケジュール管理の重要さを知った事が、自分にとって大きなプラスとなっています。インターンシップ終了後は、出身研究室でPDとして3年間働く事になり、震災の影響で計画よりも遅れましたが、2013年3月に目標としていた、起業をする事ができました。今でもインターンシップ先の皆さんとは良い関係が続いており、インターンシップを通して広がった人脈も大きな財産となっています。高度技術経営塾とインターンシップ制度は本プログラムにおいて両輪をなすものです。高度技術経営塾で学んだコミュニケーションや各種マネジメントの基礎はインターンを通して実践レベルに引き上げることで初めて使えるものになります。後輩の皆さんにはぜひ高度技術経営塾とインターンシップ両方に参加することをお勧めします。
[若手研究者の声]もお読みください。

DC3年間で3ヶ月程度のインターシップは研究も効率アップに。

東北大学
松木英敏氏(東北大学 大学院医工学研究科長・教授)
研究室のDC学生には、インターンシップに参加する事を勧めています。インターンシップ先は自分のテーマと異なる分野の企業の方が視野を広げる為にもよいと思っているので、DC学生にはそのように勧めています。自分自身も理学部出身で素粒子論が専門でしたが、今は全く違う医学と工学(電気系)の融合分野を専門に研究しています。 また、DC後期課程3年間で3ヶ月程度のインターシップであれば、研究が遅滞する事はなく、かえってメリハリがついて効率良く研究が進む場合が多いと思っています。太田君の場合も、DC1年の最後の3ヶ月にインターンシップに参加した事で、インターンシップ先での研究内容や電磁波に関する研究が進み、良い経験をしたと思っています。アカデミック以外の道にも関心があるPD、DCの方には、本事業での長期インターンシップを経験する事を勧めたいと思います。
[大学教員の声]もお読みください。

自分の研究領域に近いインターンシップで研究との両立が可能に。

東北大学
太田 佑貴氏 (大学院医工学研究科 D2)
インターンシップ応募の動機は、DC1年の時に研究室のDCの先輩からPDキャリア開発事業で実施している高度技術経営塾は面白いし、自分の為になると思うので、参加したらどうかと紹介を受けた事がきっかけで入塾しました。 その後、高度技術経営塾を受講していてインターンシップにも参加しようと思い、具体的に自分の研究領域に近いインターンシップ先を探して、マッチングをお願いしました。インターンシップ先の宮城県産業総合技術センターの機械電子情報技術部で自分の研究領域とかなり近いEMC(電磁両立性)を専門としている部署がある事が判り、2012年12月から約3ヶ月のインターンシップが始まりました。 技術センターでの研究テーマは自分の研究内容とは異なる分野での自動車用機器について各種規格に沿った適正な測定方法を確立する事でやりがいがありました。技術センターの特殊設備(電波暗室)は昼間は外部予約利用で一杯なので、夜間の空いている時間に測定を実施し、昼間の空いている時間は大学の研究室で自分の研究を行うなどの時間的自由度を認めてもらったので、テーマを予定通り進める事ができました。インターンシップ先の方々に自分の研究室を見学してもらう機会を設けたり、インターンシップ終了後も自分の研究テーマに関する測定を技術センターで実施するなどの交流が大学と技術センター間の連携が築けた事も良かった。 アカデミアだけでなく、産業界に進む事も視野に入れて現在の研究を続けたいと考えています。PDやDCの方々には、研究室内での研究とは違った考え方に触れる良い機会になるので,興味があれば体験して見ることを勧めます。
[若手研究者の声]もお読みください。

積極的に実社会で貢献できる道を選びました。

住友電気工業(株)
馬場 将人氏  (新領域技術研究所  農業技術研究室)
筑波大学で2012年3月に博士後期課程を修了して、博士号取得後PDをしていましたが、このままPDが多い大学で安定的な職を目指すよりも、研究はどこでも出来ると思い、積極的に実社会で貢献できる道を選びたいと考えるようになりました。 筑波大学グローバルリーダー養成プログラムに応募し、インターンシップ先とのマッチングを行い、最初の印象が良かったので、現在の職場でのインターンシップを実施する事を決めました。 その後グローバルリーダーキャリア開発講座を受講して、博士人材が広く社会で活躍する為に不可欠な教養を深め、視野を拡げる事に努め、ビジネス実務能力を養う事が出来たと思っています。2013年3月から9月末までの約7ヶ月間インターンシップを実施し、終了後の2013年10月に同じ職場に正式入社できて、身分、収入が保証され、安心しました。  住友電気工業の中では、異分野での新しい事業である農業技術研究室の立ち上げに参加できた事は大変うれしく思いました。 大学院時代とインターンシップ期間で大きく違いがあるのは、時間管理や安全管理の厳しさです。 また、企業では自分でやりたい事をうまくまとめて、事前に説明し了解を得る事が重要である事を実感しました。 博士後期課程院生やPDの方で、アカデミアだけでなく、実社会で博士力を活かしたいと考えている人は積極的にPDキャリア開発事業に参加する事を勧めます。
[若手研究者の声]もお読みください。

即戦力となる博士人材を採用できました。

住友電気工業(株)
池口 直樹氏  (新領域技術研究所  農業技術研究室長)
住友電気工業(株)で農業技術研究という異業種で新規部門を2011年秋に立ち上げた為、即戦力となる博士人材が欲しかったので、PDキャリア開発事業に参加している筑波大学に就職前提のインターンシップ希望者の推薦をお願いしました。 その際、馬場さんの紹介を受け、マッチングを行った結果、お互いの思わくが一致したので、2013年3月から9月末までの約7ヶ月間インターンシップを実施しました。主な業務内容は、サンドポニックス栽培システム(砂地栽培)の特長を活かした野菜の最適栽培条件を確立する為に共同研究機関や農家から情報収集する事と得られたデータの解析です。その業務遂行には専門知識だけでなく、優れたコミュニケーション力を必須です。馬場さんはインターンシップ中うまく職場に溶け込んで博士人材力を発揮して、積極的に改善提案をして次第にリーダーシップ力を表すようになりました。2013年10月から正式に社員となり、業務は継続ですので、今ではリーダーとして活躍しています。このPDキャリア開発事業では3ヶ月以上の長期インターンシップで博士人材の能力や人柄がじっくりと見極められますので、大変良い制度だと思います。
[企業の声]もお読みください。

Win−Winの関係になれる博士人材を受け入れたい。

弘進ゴム(株)
古仲 昌弘氏 (化工品販売部 KKSチーム サブチームリーダー(当時))
受け入れ前には博士号を持った方にどのように応対すべきかと少々かまえてしまったものです。実際に土見さんと仕事を進めるとインターンシップ期間の6ヶ月はとても短く感じました。仙台市が高齢者の自立した生活実現の為のサービス・機器の開発を支援しており、弘進ゴムも介護用見守りシステムの研究開発で参画しています。土見さんにはその担当部署で一緒に仕事をしてもらいました。年代も経歴も様々な職場に溶け込むことで、解決すべきテーマの能力を持った者を社内の他部門から見つけてくれたり、欲しい情報やアイテムをインターネット等のITツールを活用して素早く見つけてくれたりと、商品開発に優れた博士力を発揮して大変頑張ってくれました。 Face to Faceで対応する営業開発部門なので、多様な人を紹介しましたが、持ち前のコミュニケーション能力と堪能な語学力で通訳なしで交渉ができたりと大きな戦力となりました。 インターンシップ終了後は、正式採用したいと思っていましたが、本人の「起業したい」という強い意志もあり、開発途中の業務が完了するまでの約3ヶ月間、技術アドバイザーとして追加支援をしてもらいましたので、本事業への希望としては、インターンシップ期間は途中からでも延長ができればよかったなと思います。今後は、弊社が求めているテーマでマッチングを行い、Win−Winの関係になれる博士人材を受け入れたいと思います。
[企業の声]もお読みください。

産学官の良い関係を構築可能な長期インターンシップ希望者を受け入れます。

宮城県産業技術総合センター
中居 倫夫氏 (機械電子情報技術部 電子応用技術開発班長)
DC学生やPDの長期インターンシップを受け入れたのは、当グループとしては、今回が初めてです。ちなみに、当センターの博士号取得者は、技術職員の15%程度で、部内12名のうちでは2名です。当センターでは、自動車関連産業の拡大を予想して、車載機器用のEMC(電磁両立性)評価設備を導入しましたが、測定条件が確立できていなかったので、このテーマを担当してもらえる人材を探していました。このようなおり、東北大からインターンシップの打診があり、研修テーマを連絡して、研究分野の近い太田さんとのマッチングを行いました。その結果、2012年12月から約3ヵ月間のインターンシップを行い、期待以上の成果が得ることが出来て大変良かったと思います。太田さんにとっても、これまで未経験の高周波測定に関する講習(実習)を受けて、電波暗室という大型設備を使っての測定を経験できたということで、バランスの良いgive & take の関係で受け入れられたものと思います。また、太田さんの所属する東北大の研究室との接点が構築されたという点でも、産学官連携のもとで地域産業の発展を支援するという当センターの業務展開に広がりをもたらしてくれました。これからも、本事業のもと、産学官の良い関係を構築できる長期インターンシップ希望者があれば受け入れたいと思います。
[企業の声]もお読みください。

たかがポット試験、されどポット試験

協友アグリ(株)
水口敦雄氏(研究所 所長)
一見ルーチン的に見える仕事であっても、その中から本質を見抜き、他への応用・展開を考えてほしいと思っています。例えば、当社には「ポット試験」という殺虫剤の評価があります。私は、研究所員に「たかがポット試験、されどポット試験」と言っています。作業者にとってはルーチン業務ですが、その試験には最も高い成果が期待できる設計が求められ、またその試験から次のヒントを見出す眼力も重要です。そこでは大きなイマジネーションを持って実施しなくてはなりません。それができて研究者、できなければテクニシャンです。インターンシップでも同様で、与えられた業務をそのままこなしていると、あなたは、研究者ではなくテクニシャンとなってしまいます。イマジネーションで核となるのは、「会社における研究とは、自己満足ではなく会社ひいては社会の利益のためにやる」です。そこでは会社の事業目的を共有することが第一歩です。単に研究に興味があるだけなら、企業でのインターンシップや就職はお薦めできません。「ポット試験」を含めたそうした日々の取組の中から何を掴みとるかによって、企業で力を発揮できる博士人材かどうかが決まってきます。
[企業の声]もお読みください。

自走力を持ち、常に自分を磨き、常に新しい見方を探る。

信州大学
樽田誠一氏(工学部 物質工学科 教授)
若手研究者には「一人前の研究者」になっていただきたい。そのための三つの行動計画です。まず、自走力のある人であることが最低限必要です。そして、研究を通じて、課題設定し、実行計画を策定し、実験によって発見し実証し、論文として纏める、そして、これをくり返して推し進めていくことを訓練として実行していただきたいと思います。最後に、もう一つ、ものの見方だと思います。違うところばかりを見て尻凄みするのか、共通するところを見つけ出してチャレンジするのか。「大学教員の声」で紹介したDC学生は、セラミックスが専門ですが、金属の企業にインターンシップに行き、そこで、自分の専門性を使えるのではないか就職することを決めました。そのインターンシップの話があったとき、私は、我々もその企業も粉末をやっている、材料が違うところで専門性が活かされれば面白い経験になると、賛成しました。自走力を持ち、常に自分を磨き、常に新しい見方を探ることを実践してください。
[大学教員の声]もお読みください。

専門に近いところでのインターンシップなら、さらにチャンスは広がります。

長崎大学
柴田裕一郎氏(工学研究科 電気・情報科学部門 准教授)
「大学教員の声」で自分の専門分野と近いところでのインターンシップはチャンスを広げますとお話しました。もう少し詳しくお話ししましょう。自分の専門分野と近いところで、あなたの研究の延長としてできるのであれば、さらにチャンスは広がります。かならずしも共同研究にこだわらなくても構わないと思います。海外においても、先方に金銭的な負担がなければ、インターンシップの受け入れに前向きな企業は案外と多いものです。指導教員などの人脈など総動員して探してください。期間は、学位論文の進捗も見ながら、少し長めの方がまとまった成果を期待できるでしょう。そこで得られる人脈も将来にわたって大きな財産となるはずです。とにかく、トライする積極性を持つことです。何かを見たら、そこからメリットを引き出して、何事もやってみよう、わからないところに飛び出してみようとする積極性です。
[大学教員の声]もお読みください。

自走力。基本技術があって、応用力があれば、専門性が企業との完全一致でなくても成果を出せます。

(株)日本製鋼所
千村禎氏(広島研究所 材料・分析グループ グループマネージャー)
多くの企業は、博士人材の業務遂行能力の高さを知らず、そのために博士人材の採用も進んでいないと思います。その解決には、博士人材自らが打破していくことが必要です。多くの場合、本人と企業の専門性は完全には一致せず、さらには、たとえ一致してもずっと同じ専門分野で仕事ができるものではありません。博士人材にまず言いたいのは、基本技術があって、応用力があれば、専門性が企業との完全一致でなくても企業で成果を出せるということです。自分で考えて、自分のやりたいことを表明して、そっちの方向に持って行こうとする。これを研究者の自走力と呼んでいます。インターンシップで自分の自走力が企業で通用するかどうかを試してはどうでしょうか。そのとき、例えば、研究部門でのインターンシップでも、広い視野を持って、可能なら事業部門や製造部門と一緒にディスカッションして、それを元に勉強してほしいと思います。そうすると、コミュニケーション能力が磨かれます。つまり、企業を理解でき、企業にあなたを理解していただけます。
[企業の声]もお読みください。

刺激を与える。あなたには影響力があるのです。

タテホ化学工業(株)
川瀬厚哉氏(ネクスト事業カンパニー 事業開発部長)
「企業の声」でも述べましたが、社内に刺激を入れたくPDのインターンシップを受け入れました。人は何に刺激を受けるのでしょうか。もちろん成果もありますが、それよりも、取り組む姿勢です。今回の場合は、従来、お客様の課題を解決したところで終わっていたのが、理論解明まで進めていこうとした姿勢です。そして、その高いモチベーションを維持し続けたことです。多くの企業は、「自分たちは強くなっていきたい、大きくなっていきたい」と思い、それを支えてくれる人材を欲しています。多くの企業は、新たな分野の人材を探したがっています。積極性を持ち、挑戦心を持ち、それを実行していく人に、自分の専門にこだわることなく、あなたしかできないことをしてもらいたいと、成長を期待しています。
[企業の声]もお読みください。

学位を持っていても+αはないでしょうが、持っていないとチャンスを失います。

大阪産業大学
津野洋氏(人間環境学部 生活環境学科 教授、京都大学名誉教授)
自分の研究遂行能力を活かしたいのであれば、企業も選択肢に入れるべきです。そのためには企業をよく知ることが重要ですが、自分が所属する研究室での企業との共同研究ではお客さんになってしまいます。インターシップなどで、自分から企業に入って肌で感じ取り、また、感じ取ってもらうことが大事です。企業に入れば、自分の狭い専門分野で凝り固まっていると仕事ができないことにすぐに気づきます。さらに、企業に入れば、社会とのかかわりから自分の能力を導き出されることもあります。当然、その企業との相性もわかります。「大学教員の声」でインターンシップの有効性を述べました。周到に準備してインターシップに行ってください。博士課程進学後は、まず研究に集中して学位論文の目途をつけ、区切りをつけた上で、企業就職を希望するならインターンシップの準備を始める。企業では、学位を持っていても+αはないでしょうが、持っていないとチャンスを失います。興味を持っていれば、いろんなチャンスがあります。活躍してください。
[大学教員の声]もお読みください。

業務の理解力、自己管理力・仕事のアウトプット、コミュニケーション力。

クロスプラス(株)
新家祐介氏(EC事業開発課 課長代理)
「企業の声」で、インターンシップの成否は企業と学生、お互いの努力によって変わると感じてご案内していました。ここでは、学生側の努力と表現した部分について、もう少し詳しくお話ししたいと思います。うまくいくコツとしては3点です。@仕事として求められる内容についての理解力。依頼の内容が何を求めているものか真に必要とされているポイントの理解が深いと納品する成果物の完成度が高い物になります。そのとき注意すべきことは、作り手特有の「ひとりよがり」に陥らないこと。成果物を見る人・使う人の立場になって、自分が作ったものを再評価してください。直すべき点が見つかれば成果物は進化していきます。A進捗がわかる報告をするくせをつける。企業によるかも知れませんが進捗報告のレポートを求められる事は多いと思います。ただこれは自分の為に役立つので求められなくても作る習慣を身につけることをお勧めします。自分の課題成果の進捗確認や成果物として残しておき、目に見える形で履歴を残しておけばスケジュール管理や課題管理に役立ちます。日々漫然と過ごしていると生産性が低くなってしまうものですが、予定を立てたペースから遅れていないかセルフチェックできるようになります。私は周りから仕事ができると言われる人は「仕事のアウトプットが上手い人」と思っています。わかりやすい内容できちんと進捗を報告されると依頼主も安心でき、仕事をまかせてくれる様になります。そういうことで得られる信用は自分の評価を支えてくれるので是非とも習慣づける事をお勧めします。B自分と違った分野の人にわかるように説明できるコミュニケーション能力。依頼主は経営者や顧客など専門知識をもっていない相手が大半です。相手にどう伝えれば理解がしやすいか相手の立場に立った考えで要点をおさえて説明すれば聞き手に話が浸透しやすくうまく伝わる様になります。相手と自分では育った環境・経験・知識が違うと意識することが大事です。
[企業の声]もお読みください。

博士人材であることのプライドを保つための努力をし続けてください。それは、

京都大学
奥野恭史氏(薬学研究科 総合薬学教育開発センター 特定教授)
同じことにずっと凝り固まっていると危険です。かつては30年間、同じことを研究することができましたが、今では研究の対象は5年で変わっていきます。薬学や医学の分野では、「研究=pure science」から「研究=応用」へと変わっています。博士人材はイノベーティブな“モノ、コト”を開拓する人であることが原典です。このことを認識するとともに、博士人材であることのプライドを保つための努力をし続けてください。その努力とは何でしょうか。異分野に亘る広い視野を持ち、グローバル的発想をし、産業界も視野に入れ、自分を磨くことです。企業が共通して困っているところが基礎で、大学の役割はこの基盤となる課題の研究です。皆さん、自分は企業、大学のいずれで仕事をしたいのか、どちらに向いているのか、よく考えてください。企業と結論を出しても、「学位を取ると就職はない」ということは全くありません。企業の欲しがる人材になりなさい。その領域のEnd pointから考えて、欲しがられる人材に。
[大学教員の声]もお読みください。

アカデミア志向、企業就職希望に関わらず、外部環境での長期インターンシップを経験してください。

京都大学
長谷部伸治氏(工学研究科 教授)
PD、DCの皆さんは日々研究で忙しいことと思いますが、研究に集中すればするほど視野が狭くなるおそれがあります。それを避けるためには、「研究室の外の世界、専門以外の分野を知ること」が重要で、その1つの方法として、アカデミア志向、企業就職希望に関わらず、是非、自分の専門を違った方向から見られる外部環境(特に企業、海外)での長期(3ヶ月以上)インターンシップを経験してほしいと思います。若手研究者の長期インターンシップでは、短期のものと異なり企業はインターンシップ生に研究、事業への貢献を期待します。この期待に応えるには、皆さんの有している高い専門性に基づいて積極的に考えを述べ、それを専門性の異なる相手側研究者・技術者に正しく理解してもらう必要があります。これまで同じ分野の研究者の中で議論してきた皆さんには、簡単なことではないかもしれませんが、このような経験は将来どのような職に就いたとしても役立ちます。皆さんの真摯なインターンシップの成功体験は、大学・若手研究者と企業とがwin-winの関係でインターンシップ事業を続けていくのに非常に重要です。研究室や学会などと違う世界を経験することによって、現在の自分、将来のキャリアパスを客観的に見つめ直すことができるようになると思います。PDの皆さん、長期インターンシップを経験することにより、PD後に様々なキャリアパスがあることを認識し、できる限り早く正規のポジションにつかれることを期待しています。
[大学教員の声]もお読みください。

求める人材は、いろいろな仕事をしていく中で、考察する能力を有する人。

太陽化学(株)
中村武嗣氏(インターフェイスソリューション事業部 研究開発部門長)
博士人材に企業で活躍していただくためには、専門性を突き詰めること以外に、次の二つのことを心掛ける必要があると考えています。@協調性を持ってほしい、A自分の専門枠を越えてチャレンジできる柔軟性を持ってほしい。当社では、ジョブ・ローテーションの考えがあり、入社後研究開発部門、生産部門や営業部部門、その他の部署で、経験を増やしていくことが求められています。どの部署においても必要とされる人材とは、仕事をしていく中で考察する能力を有し、次の行動に結び付けられる人、様々な課題に他の人と協力して物事に当たれる人だと考えています。例えば、当社の営業では、単に製品を売るだけではなく、お客様の現場で起きている現象や抱えている問題の本質を科学的に見抜き、研究開発や生産と協働して問題解決や提案を実施できる人材が求められます。この姿勢は生産部門であってもその他の部署であっても同じです。そして、そのとき課題に対して、「結論に到達」するまでにどれだけ深く考えたかどうか、つまり、知識に加えて深く考えていく訓練を日々積み重ねていくことで仕事のスキル向上も当人の人間としての成長もあると思います。皆さんは大学での研究を通じて、深く考察する基礎はできていると思います。その上に、「協調性」と「柔軟性」を身につけどのような状況でも活躍できる人間となることを目指してください。
[企業の声]もお読みください。

如何にチャンスを掴むか。常に周囲に関心を払い、興味を持って。

宇都宮大学
村井保氏(農学部 生物生産科学科 教授)
私は、博士課程に進学した以上、学位を取ることに専念すべきと考えています。ただし、それは、自分の研究に埋没してもよいということではありません。私の部屋は病害虫の研究室であり、企業、役所、農家など、多くの人と付き合っていく必要があります。また、私は、海外の害虫調査には大学院学生を連れて行ったり、アジアから侵入した害虫が発生している米国農務省のプロジェクトに大学院学生を派遣もします。ここから如何にチャンスを掴むかです。常に周囲に関心を払い、興味を持って接して欲しいと思います。学位取得後すぐにアカデミアや企業に職が得られないこともあります。また、PDは我が国が研究を行う上で必要と考えています。PDになるときは、出身大学ではなく他の研究機関でPDになってください。出身大学だけでやっていると狭くなってしまいます。そして、3年間(1回)のPDで自分の道を見つけてください。多くの人と付きあってください。日々が訓練です。
[大学教員の声]もお読みください。

博士人材の全員はアカデミアには残れないことを前向きに考えてください。

岐阜大学
室政和氏(工学部 応用情報学科 教授)
博士人材の全員はアカデミアには残れない。このことには大学もかかわっていかなければなりませんが、博士人材自身はこれを前向きに考えていく必要があると思います。一番困るのは、ズルズルとやっていて「何とかなるだろう症」になってしまうとことです。「大学教員の声」でもお話ししましたが、博士人材には全てを自分で行うことが求められます。それは研究だけではありません。自分の将来の決定についてもです。論文執筆やインターンシップなど、常に、人の手を借りずに「ここまでいけた」という経験を積み重ねていくことが重要です。それを通じて、目先のことにこだわらず、基本的なことを身につけてください。一方、困っているときは、一人で解決しようとせずに、人に頼りなさい。そのために、異分野・異文化との交流も増やして、頼れる人を作ってください。「全てを自分で行う」と「困ったときは人に頼る」、この切り替えができるようにすることが大切です。いずれにしても、前向きにやっていけばいいのです。
[大学教員の声]もお読みください。

相手のことを考えながら仕事のできる人になって下さい。

岐阜大学
社会資本アセットマネジメント技術研究センター 准教授
村上茂之
私は学生を指導するとき、学部生からDC学生まで、一貫して、学生にはテーマを与えるだけで、作業ノルマを課すことはしません。学生が、自ら課題を設定して、自ら結果を出す、つまり、最初から最後まで自分でやることを求めます。これが教育だと考えています。特に、博士人材には、その研究過程から自分の領域を広げ、自分の専門分野と異なっても、「自分はこれしかできない」「自分はこれしかやらない」ではなく、アレンジして「〜ではどうか」と、代案を出せる人に成長して欲しいと思っています。現場では即断することが求められます。「理想」と「最低限」を即座に判断して、現状を加味して提案できる人になってください。そのためには、相手のことを考えながら仕事のできる人であることが必要です。
[大学教員の声]もお読みください。

博士人材には、「アカデミア」を「現場」で活かすための視点の高さと、新しいものを創り上げる行動力を期待します。

大日コンサルタント株式会社
細江育男 コンサルタント事業部 保全部長
社会で、特に産業界では、論文で得られる固有の新たな知見より、現象をどう捉えて問題点や課題を抽出し、いかに解決してある形を創れるかという、「技術力」を求めています。社会には「現場のことを良く知る技術者(経験重視の人)」が多く、彼らが多くの場面で活躍しているため、社会で仕事をするためには、現場を知り、彼らを説得できるだけのコミュニケーション力、特に「聴く力」を磨く必要があります。企業で働くことを希望する博士人材には、「アカデミア」に軸足を置いた上で「現場」の声を聴いて現実を理解し、現場で役立つ博士エンジニアになることを期待しています。そのためには、精神的および肉体的なタフさを持ち、協調性のある人に成長してください。繰り返しますが、あなたが、今後、接するのはアカデミアの人だけではありません。インターンシップはそのことを知る良いチャンスです。
[企業の声]もお読みください。

企業で活躍するためには利益追求への発想の転換も必要である

澁谷工業株式会社
中田竜弘 (グループ生産・情報統轄本部 開発本部 開発部、部長代理)
澁谷工業株式会社・佐々木基 (開発部 開発課 主任技師)
博士人材の方々にとって、DC/PD時代に十分にトレーニングされ培った論理的思考力は、専門領域が異なったとしても、企業のR&D活動の中で実験の成績(結果)を評価し考察を進める段階で活用できるはずですし、大いに期待しています。しかし一言付け加えるなら、大学の研究室と企業のR&D部門の根本的な違いは「利潤を追求するか否か」にあります。専門性のみを探求してきた人には、利益に繋がるかどうかの視点で仕事をする、この点での根本的な発想の転換が求められることを認識してください。企業に興味のある人は、是非その企業のことを良く調べてください。そして、インターンシップは企業を知るための絶好の機会ですから、積極的に活用してください。
[企業の声]もお読みください。

論文を書くことは基礎トレーニングになるはず

金沢大学
理工研究域・数物科学系
教授 末松大二郎
アカデミアにこだわるか、企業研究者を含む別の道を選ぶかは、個人の生き方の問題だと思います。しかし、企業研究者を目指す人に対するアドバイスとして次のことを考えます。例えば、大学院の研究室で行った研究が基礎分野の場合、それは企業での多様な分野の研究には直ぐに直接に役立たないことが多いでしょう。しかし、自分の専門分野と企業で行う研究対象が一致している必要は無いのではないでしょうか。企業における研究で必要となるであろう問題を見出し、それを解決していくための基礎能力は、大学院で研究を行い論文をまとめる作業の中で、トレーニングされ、身についているはずです。新たに企業での研究で必要となる知識は勉強すれば身につくはずで、この基礎能力を生かせば、あらゆる分野の研究開発にも対応できるように思えます。要は、企業で働くために頭を切り替えることが出来るか、視野を拡げ、応用力を発揮できるか、ではないでしょうか。
[大学教員の声]もお読みください。

成果を見せるための表現力と発信力、コミュニケーション力

ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社・石川貴正
(取締役、リエンジニアリング室長)
大学では、自らの専門性を深堀していくことに主眼を置き、主として学術研究論文として成果を出しますが、企業で働くためには、むしろ、専門分野以外に興味を持つ好奇心、自分の考えたことを周囲に伝える発信力、さらに、挨拶をするなどの基本的コミュニケーション能力を身に付けて欲しいと思います。特に、身に付けたことをoutputとして、成果として見えるものにしてこそ評価されます。インターンシップは会社を知る良い機会ですが、インターンシップ期間には、企業のニーズや不足部分を汲み取り、積極的に提案するなど、自分をアピールする表現力/発信力と“指示待ち”でない主体的報告姿勢を持って取り組んでください。
[企業の声]もお読みください。

専門性(真の柱)、自信、好奇心、そして、意外性

ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社 大橋由明
取締役 バイオマーカー・分子診断事業部長、研究開発事業部長
企業の研究者となるためには、しっかりとした専門性を持ち、自分の立ち位置に真の柱を立てて欲しいと思います。しかし、それだけでは通用しません。元々の能力が高くても伸び代が無い人は要らないとも言えます。弊社の業務には、分析化学はもちろん、生物学、医学、数学などに及ぶ様々な学問領域の知見を必要とします。自分に自信を持ち、旺盛な好奇心で知見を拡げながら、業務を俯瞰しながらチャンスを窺う。自分(の能力、アイデア、提言)をアピールする方法を考える。見せ方を含む表現力を磨く。企業は“意外性”に弱いものです。意外な提案を、例えば、インターンシップの終了間際に出して見るのも効果的かもしれません。
[企業の声]もお読みください。

企業人を目指すなら、広く好奇心を持つこと

辻製油株式会社
第一研究室長、辻H&Bサイエンス研究室 籠谷和弘
学位を取得した高度研究人材が企業の研究者として成功するためには、学位取得後の努力の方がはるかに大変かつ重要だと思います。専門領域に固執せず貪欲に知識を拡げ、応用力と課題解決力を身に付けなければなりません。また、企業(会社)とのミスマッチを避けるためにインターンシップは有効な手段です。三重大学PDのインターンシップ生を受け入れるにあたり、通常は社外秘に属することも出来るだけオープンにし、真の会社を見て貰い、真の業務を経験して貰えるように努めました。このような環境を準備しても、お互いを正しく理解するためには、6ヶ月程度のインターンシップは必要だと思います。DC/PDへのアドバイスとして、アカデミア志向は必ずしも否定しませんが、熟慮の上で一旦決意したなら石に噛り付いてでもやり遂げる、強い意志を持ってください。もし企業人を目指すなら、とにかく専門分野以外への無関心は絶対に禁物です。
[企業の声]もお読みください。

「I型志向」ではなく、「T型志向」を求めています。

日鐵住金建材株式会社
岩佐直人 商品開発センター土木商品開発部長 (写真右)
阿部陽子 人事総務部(写真左)
あなたはよそのことを知らず専門的になりすぎていませんか。当社が欲しい人材は「I型志向(専門分野のことはよくしているが、その他分野には興味をもてないし、知らないことが多い)ではなく、「T型志向(専門分野はもとよりその他の分野にも耳目を向けて活動している)」の強い人です。そして、創造性を求めます。企業活動ではプロダクツを求めており、論文はその技術的裏づけを示す手段でありスキルアップの一つだと考えています。完成形に向けて、企画・立案力を発揮して、自分の知識経験はもとより、いろんな人材を集めて全体を描くことができる能力です。心当たりのある人は、あなた自身が変わってください。博士人材には、専門分野をベースにしながら幅広く仕事ができることを期待しています。
[企業の声]もお読みください。

企業就職を決める時期は、大学での基礎研究を企業の応用研究に活かせることを気づいたとき。

クラシエ製薬株式会社
大窪 敏樹  執行役員 漢方研究所長(写真左)
範本 文哲 漢方研究所 薬理研究グループ長(写真右)
あなたは将来の方向性を決めましたか。もしまだでしたら、そして企業就職も選択肢にあるなら、インターンシップは、あなたが企業で意志と意欲を持って業務を遂行できるかを確認するにも有効な手段にもなります。つまり、大学で基礎研究を積んだ上で企業での応用研究に自分の専門性を活かせることを気づいたときに、企業志望を決めるのが有効だと考えています。私どもが研究者に求めることは、主に、以下の4点です。@新しい環境にとけ込む順応性、A専門以外の新分野への興味、B研究に対する主導性、C粘り強さ。企業は常に新しいことが求められてきます。そこで順応して、課題解決ではなく課題設定できる博士人材の力を発揮してください。
[企業の声]もお読みください。

インターンシップは、指導教員から離れて、自分で考える訓練にもなります。

立命館大学
防災フロンティア研究センター センター長
深川 良一

若手研究者に期待されるのは、問題の発見から解決までの一連を、自分で切り開く力です。そのためには、指示待ちではなく、提案して周りを巻き込んでいく能力=「提案力」が求められます。それを養うための一つの手段として、企業でのインターンシップなど、新たな環境に自らを置くことが有効です。つまり、指導教員から離して、自分で考える訓練をさせるのです。この訓練は企業就職志望者に限らず、アカデミア志望者でも有意義と考えています。なぜなら、「提案力」はアカデミアでも必須であり、また、研究者が企業から孤立して研究することもできません。インターシップ中にも論文を書けます。モチベーションを高くしてインターシップに望めば、学位論文の遅れの心配もありません。本事業のインターシップは、全てのDC/PDにとってありがたい制度です。大いに活用してください。
[大学教員の声]もお読みください。

充実した人生は研究以外の進路を選んでも送れることを忘れずに!

大阪大学・大学院理学研究科・宇宙地球科学専攻 教授
芝井 広

研究室の博士後期課程の学生を見ていると、そのまま研究の道に進む場合もありますが、D2の間には自らの適性を冷静に見極めて、研究以外の進路を自主的に選択している場合も多いようです。アカデミックポストに就くための競争が厳しい現実や、自らの適正を冷静に判断した結果、2から5年程度の任期のあるポスドクの職に就くより、民間企業を含む広い進路を考える方が良いとの判断でしょうか。米国などと異なり日本では、残念ながら、ポスドクと民間企業の人的交流が少なく、民間企業側のポスドクの受け皿が不十分です。これらの状況の結果、若手研究者の強い研究志向が、本人にとっての充実した人生につながらない場合が多くなるのでしょう。アドバイスとして、大学院時代には専門の研究を追及するのは勿論ですが、一方においては専門研究分野に固執することなく、広い視野を持って柔軟な進路選択を心掛けるのがよいでしょう。
[大学教員の声]もお読みください。

目的達成には、日頃の健康管理と、タイムリーなチャレンジを

昆 泰ェ 北海道大学大学院 獣医学研究科 教授
今回の韓国からの留学生は、教授として初めて博士課程4年間を指導した留学生であり、また頑張り屋のため健康を損ねることが多く、なおさら学位取得後の就職については心配でなりませんでした。幸い、本人の希望する製薬企業とのマッチングがうまくいき、内定をいただくことができたことは喜びに耐えません。この経験から、以下のアドバイスをします。まず初めに、「自分のやりたいことがあれば、相手にわかるように伝えることを心掛けよ」です。この留学生はとくに相手に自分の思いを伝えるため、日本人以上に日本語の使い方を独力で勉強してきました。相手の立場に立つことが、人と人との信頼関係を深めていきます。また「自分のごく狭い専門性に拘ってやりたいことを限定するな」とも言えるでしょう。何でも興味があります、何でもやりたいですというチャレンジが必要でしょう。最後に、日頃の健康管理は社会人として最も大切なことです。学生のときから心がける努力をしてください。
[大学教員の声]もお読みください。

自分の将来に対する意志をまず明確にしてください

星野洋一郎 北海道大学大学院 環境科学院 助教
星野洋一郎 北海道大学大学院 環境科学院 助教
多くの人は「個人の意志を尊重」したいと考えていると思います。DCに進むにあたっては、DC期間に何をし、学位取得後に何をしたいのか、これらを明確にして周囲に説明してください。そうすれば、理解者・協力者は現れます。私の研究室にいたDC学生に、将来は国際協力の職に就きたい、学位はそのためのステップであり、3年間での学位取得より将来やりたいことのための準備活動を重要視した者がいました。本人の意志を尊重し、そのためのアドバイスもしました。その甲斐あってか、インターンシップで経験し、学位も取り、希望する狭き門に挑戦を続けています。DC期間のインターンシップや国際学会での経験や研究はその糧になっているのは当然ですが、その糧を手に入れるために自分の意志を明確することが、まず、必要です。
[大学教員の声]もお読みください。

企業就職を希望するなら、その企業で何をしたいのか、夢を語ってください。

株式会社 高研  研究開発本部  研究所長  藤本 一朗
株式会社 高研 研究開発本部 研究所長 藤本 一朗
素質的に優秀で、かつ、即戦力となる人材をJREC-INを活用して、ここ2-3年で数人を採用しています。毎回、非常に多くのPDの応募があることから、PDが企業就職を切実に希望していると感じています。しかし、その応募書類を見ると我が社にとって適材か否かはすぐにわかります。つまり、次のような人が多すぎる。@企業に入ってやりたいことの夢を語れない人、Aアカデミアに席がないので企業を逃げ道にしている人、B「ポストがあれば就職したい」とあまり準備していない人。企業就職を本気で希望するのであれば、その企業を調べ尽くし、自分がそこで何をやりたいのかを語れるようになってください。
[企業の声]もお読みください。

「暴れん坊」− 今の価値では捉えきれないことを行う人。

高木様高木様
三菱樹脂株式会社
高木潤  商品開発研究所 所長 兼 基盤技術研究所 所長 (写真左)
竹本晋也 知的財産部 長浜分室長(写真右)
インターンシップは若手研究者と企業のGive & Takeで成り立っています。ただ企業のGiveが「1から10まで教え、1から10まで指示する」が必要な人はお断りします。指示待ちではなく、自分で考え周囲を動かすように働きかけることができる人を期待しています。このような人は、指導に手が取られないこともありますが、企業のTakeとして当社社員に刺激を与えてもらえることがあります。失敗をおそれない「暴れん坊」に、インターンシップに広く門戸を開けています。
[企業の声]もお読みください。

専門分野以外でも活発な能力開発を期待したい。

パナソニック株式会社 エコソリューションズ社
藤岡 透  コア技術開発センター センター長
真継 伸  コア技術開発センター 環境システムグループ グループマネージャー
博士人材に求めることは、大別して2つの能力です。一つは、勿論、専門分野での高度な知識ですが、もう一つは、組織の中で業務推進ができる能力です。前者を有していても後者の能力に欠ける人材が散見されます。少し考えれば明白ですが、企業活動において、今のあなたの今の専門性で、生涯、活動できる分野は極めて限られていると思います。後者のためには、具体的には、協調性、コミュニケーション能力、自主性、グローバル感覚を高めてください。もう一つ認識してほしいのは、企業がほしいのは研究者のスキルであって学位ではありません。将来企業を希望するDC学生であれば、3年間で学位を取得することを心配するよりは、その先、「自分の専門性を社会でどう活かせるか?」の方が重要である思います。積極的にインターンシップのような取り組みに参加し、今の企業研究を体感することをお勧めします。([企業の声]もお読みください。
[企業の声]もお読みください。

インターンシップは進路を決めるチャンス。そのための時間を作りなさい。

信州大学 工学部 環境機能工学科 准教授
牛 立斌氏
DC学生をD2後期に地元のオリオン機械株式会社に3か月間のインターンシップに派遣。
インターンシップに行くか、また、いつ行くかを考えるために、まず、自分の進路を真剣に考えてください。そして企業への就職をも考えるのであれば、DC学生中のインターンシップを勧めます。D1で行けば視野拡大などの経験になりますし、D2(またはD3)で行けば効率的な就職活動にもなります。例えば3か月間のインターンシップ、この期間、知恵を出して計画を立てて取り組めば、博士論文のための研究を止めずに両立させることができます。例えば、インターンシップ中でも実験はできなくてもメールで教官と議論できますし、論文を書くこともできます。DCに土日はありません。重要な進路を決めるために時間を作りなさい。
[大学教員の声]もお読みください。

「博士論文に目処を立てた上で企業経験をしたい」というモチベーションを上げてください。

増田 税 氏(北海道大学大学院 農学研究院 教授)
D2学生を大手ゼネコンに6か月間のインターンシップに派遣
インターンシップに行くことが、3年間での博士論文に支障が出ると尻込みしている学生や教官もいらっしゃると思います。しかし、学生本人が将来の進路設計をしていて、それが企業への就職であれば、インターンシップは非常に良い制度です。このとき学生に求められるは「博士論文に目処を立てた上で企業経験をしたい」というモチベーションを上げられ、頑張りの縛りを課すことができるかどうかです。論文の目処をつけ、できるだけ長期間のインターンシップに出てください。例えその企業に就職できなくても成長は大きいはずです。
[大学教員の声]もお読みください。

企業の真の姿は外からでは見えません。

佐伯 宏樹 氏(北海道大学大学院 水産科学研究院 教授)
D1学生を企業に3か月間のインターンシップに派遣
パンフレットやインターネット情報は、企業の「今」の姿を説明しているに過ぎません。期待される人材の多くは、新しい分野・新しいニーズに対応できる研究者です。企業が力を入れようとしている研究分野・技術分野を知るためにも、企業内に身を置くことをお勧めします。基礎研究に近い分野に在籍し、企業活動と関連の少ない研究をしている方で「インターンシップは自分には関係ない」と考えているのであれば、再考して下さい。あなたの研究に価値を見出すのは、あなた自身だけではありません。企業がどのような研究に興味を持ち、どのような発想で仕事を進めているかは、外からはわかりません。研究者・高度技術者の位置づけでインターンシップに参加すると、一部とは言え企業活動の概要が把握できます。研究の進め方や時間管理の考えは、将来の企業就職のために有益であるばかりではなく、日々の研究活動においてもプラスになります。さらにインターシップ中の活動成果を論文にできれば、研究業績にもなるでしょう。アンテナをしっかり張り巡らして参加する限り、PD・DCを対象としたインターンシップは、研究領域に関係なく有益な体験を与えてくれるでしょう。
[大学教員の声]もお読みください。

インターンシップで自分の視野の狭さを客観的に見直してください。

宮下 和夫 氏(北海道大学大学院 水産科学研究院 教授)
D1、D2の二人の学生を企業に3か月間のインターンシップに派遣
同じ分野の人の中にいると、いくら視野が狭くならないように心がけていても狭くなっていきます。それを客観的に気づくためには異質なもの(異分野・異業種)との交流が必要となってきます。PD/DCの人たちにとって、その機会はインターンシップです。D1やD2であれば、3か月程度インターンシップに行って自分の研究を離れることは何ともありません。あなたが漠然とアカデミア志向でいるなら、または、企業への就職の選択肢も持っているなら、是非、企業に触れてみてください。
[大学教員の声]もお読みください。

インターシップによって企業人としてスタートできるかどうかを見極めることができます。

株式会社セラバリューズ CSO/サイエンスグループ長
今泉 厚氏
博士で入社しても、その延長線上で、専門性が生かされる仕事ができるとは限りません。インターンシップではそのことを学ぶことから始まります。博士には限られた分野の専門性がありこれを即戦力として評価する企業もありますが多くは本人の希望とは合致しないケースがあります。企業人になる前段階で役に立つ人材であることを意識して行動することが大切です。企業人になるとPD/DCは期待される面が大きいのですが反面期待に応えられないと挫折しやすいひとが見受けられます。インターンシップ期間中は、企業からのこのことを学ぶことができます。その意味でも、インターンシップは重要です。
[企業の声]もお読みください。

企業理念に共感できれば、そこでリーダーシップを発揮しませんか。

オリオン機械株式会社 常務取締役 技術開発本部長
吉岡 万寿男氏
DC学生をインターンシップに受け入れ、卒業後採用。
当社ではPD/DCの採用を積極的に増やしていくことを考えています。それは博士人材の研究内容や技術力の高さを求めるためのものではありません。当社の企業理念に共感していただいた上で、リーダーシップを発揮できる人材を求めています。判断力、企画力、実行力、意欲およびプレゼンテーション能力を磨き、対人関係をわきまえた上で自己主張を示してください。PD/DC、国籍、性別を問いません。
[企業の声]もお読みください。

求められる研究者は自らの考えをチームワークで進められる人です。

日生バイオ株式会社
北海道研究所長 杉 正人 取締役
北海道研究所 副所長 西原 雅夫
水産学部のDC学生2名をインターンシップに受け入れ
博士人材の価値は、自分で考え、自分で研究テーマを探すことができることです。そのためには視野の広い考え方が必要です。例えば、当社のインターンシップでは、1つの製品開発におけるPD/DCに与えられた業務の位置づけを示して、PD/DCに自分は何ができるかを考えさせ、提案させています。そして、その提案と実行中の進捗について密に議論を行い、チームワークで仕事を進めることの重要性も実感させています。さらには、研究の他にパイロット生産を体験してもらうことで、自分の携わった製品の世の中での貢献に感心が持てるようにしています。大学では得られない考え方を養ってください。
[企業の声]もお読みください。
文部科学省 科学技術振興機構