JSTは、平成24年4月、中央大学(大学)から、大学の調査過程において機構の直執行研究費に係る不適正経理疑惑が判明したとの報告を受けたことから、自ら調査した結果、JSTの直執行による研究費において一部で不適正な経理処理を確認しました。
このため、JSTは、大学の研究者等に対して、以下の措置を講ずることとしました。
1.不適正な経理処理の内容
調査の結果、大学の研究者1名が、次に掲げるJST事業に参画し、不適正な経理処理に関与していました。
(1)戦略的創造研究推進事業
戦略的創造研究推進事業に係る直執行研究費において、大学の研究者1名が、平成15年度及び平成16年度で架空請求と預け金により不適正な使用を行っていたことを確認しました。研究者は、業者1社と架空の取引を行い、その代金をJSTに支払わせていました。
不適正な研究費総額は、796,220円(直接経費)でした。
研究者 | 事業名 | 不適正研究費 |
---|---|---|
理工学部 教授 | 戦略的創造研究推進事業 | 796,220円 |
2.措置の内容
- (1)研究費等の返還
- 大学の研究者に対し、不適正な経理処理により支払われた研究費について、当該研究費、間接経費及び遅延損害金(年5%)の合計金額の返還を求めることとし、全額返還されました。
- (2)申請等資格停止
- 大学の研究者1名に対して、JSTの全事業への申請資格及び新たに共同研究者として参加する資格を平成25年度から3年間停止しました。なお、併せて文書により厳重注意を行いました。
- (3)再発防止策
- 直執行の再発防止策は、既に過年度において講じており、今後、国の「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)」(平成19年2月15日付文部科学大臣決定)の適用以降の対応として、JST役職員等に対して一層の注意喚起を図るものとしました。
- (4)その他
- 本件で措置された上記(2)の応募等の申請制限については、文部科学省等に文書により通知しました。