原子力システム研究開発事業
目次III. 技術開発課題 → 【課題12】TRU燃料取扱い技術
平成18年度募集要項― 特別推進分野 ―

III. 技術開発課題

○ 簡素化ペレット法燃料製造に関する技術開発課題

【課題12】TRU燃料取扱い技術
(1)研究開発項目
・TRU燃料集合体組立時の燃料バンドル冷却評価技術の開発
(2)目的
 MAを含有する低除染TRU燃料は、ペレット原料の高い発熱が想定されるため、燃料製造各工程における発熱影響の緩和対策を施す必要がある。対策として、発熱源の分散、除熱、不活性雰囲気化、耐熱素材の選択等があるが、燃料集合体組立工程においては燃料集合体1体分の発熱源の集合は避けられない。そこで、燃料集合体組立工程における除熱手法を確立することを目的として、最適な冷却システムを提案し、冷却挙動の評価手法を整備する。
(3)達成目標
 本技術開発課題において期待される成果は以下のとおりである。
・燃料組立工程において、ラッピングワイヤ付燃料ピンバンドル内の温度分布を予測できる解析評価手法を整備すること。
・被覆管最高温度が200℃以下となる効率的な冷却システム概念を提案すること。
 本技術開発課題における具体的な開発要件は以下のとおりである。
・燃料組立工程において、強制送風/自然通風にて空気冷却されるラッピングワイヤ付燃料ピンバンドル内の温度分布を予測できる解析評価手法を整備する。要求精度は±5℃程度以下とする。
・停電により送風冷却が一時的(30秒程度)に停止した場合の被覆管最大温度の上昇挙動を評価する。評価ケースとして、組み上げ工程における裸のピンバンドル状態及び次のラッパ管挿入工程においてラッパ管が完全に被った状態(いずれも横置き)とする。
(4)前提条件
・燃料集合体仕様:
対象 項目 単位 仕様
燃料 長さ 炉心燃料領域 cm 100
ブランケット燃料領域 cm 上15/下20
発熱密度(注) 炉心燃料領域 W 10
ブランケット燃料領域 W 0
被覆管 材質   ODS鋼
外径 mm 10.4
ラッピングワイヤ 材質   PNC-FMS鋼
外径 mm 1.03
巻き付けピッチ mm 200
集合体 燃料ピン本数 255
集合体構造   内部ダクト付き
燃料ピン配列 mm 三角ピッチ11.5
(注) 炉心燃料1kgあたりの発熱量を20Wとしたときの燃料ピンあたりの発熱密度。ブランケット燃料については無視する。その他の仕様及び構造の詳細については、技術検討書(1)2.1.3.1節及び2.2.2.1節を参照のこと。

・燃料集合体組立方式:横置き型
・セル内環境:セル内容積 1,400m3、通常運転時の空気雰囲気温度25℃
・送風冷却の効率化を図るため裸の燃料ピンバンドルをガイド板で囲う場合は、組立動作の障害とならぬようピン列下段部に対してのみ囲い、かつピンバンドルに対し5mm以上の間隙を設定すること。
(5)関連技術情報
・技術検討書 - (1)原子炉プラントシステム - 2.1.3.1節及び2.2.2.1節
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科学技術振興機構 原子力システム研究開発事業 原子力業務室