蛋白質構造データバンクの国際的な構築と高度化(PDBj)

代表研究者: 中村 春木 (大阪大学蛋白質研究所 教授)

①目的

国際協力のもと、蛋白質や核酸などの生体高分子の立体構造データベースを構築し、データ品質を保ちつつ大量のデータの登録・編集とその維持・管理を行う。一方、それらデータをインターネットで利用しやすいWeb環境の構築やWebサービス等の高度化を進める。また、NMR実験情報データや電子顕微鏡データ等の新たなデータベース構築を進め、テキスト検索だけでなく、蛋白質の骨格構造や基質結合部位の局所構造、分子表面の形状などのアナログ情報検索も高速に稼動させる。

②研究概要

大阪大学蛋白質研究所では、2001年度から日本蛋白質構造データバンク(PDBj: Protein Data Bank Japan)を組織し、米国・欧州と協力してwwPDBを設立して国際協力による蛋白質立体構造データベース(PDB)の維持・管理とサービス・システムの開発を進めている。一方、NMR実験データを収集しているBMRBデータベース開発も米国Wisconsin大学と共同して実施し、データ登録を行っている。また、電子顕微鏡構造の閲覧(EM-Navigator)を始め、類似フォールドや基質結合部位、分子表面の検索、蛋白質の動的性質データベース、蛋白質構造事典などのサービスを行っている。

③研究概要図

中村春木PDBj

④成果

蛋白質立体構造データバンク(PDB)の維持・管理を、wwPDBメンバーとして欧米と協力して進めている。PDBjにおける編集処理数は2000年に開始以来2009年末までで14,351件(世界全体の25%)に達し、PDBj-BMRBでは458件(世界全体の15%)を処理した。日本語のWebページを充実すると同時に、繁体および簡体中国語とハングルによるWebページも用意した。EM-Navigatorでは743件のムービーを公開した。ホモログ蛋白質の立体構造モデリング(Spanner)のサービスを新たに開発・公開した。類似フォールド、類似した基質結合部位、分子表面等の検索、配列と構造の同時アラインメント、機能アノテーションのサービス、蛋白質の動的性質データベースや蛋白質構造事典も、継続して拡充した。

【関連リンク】

PDBj [外部リンク]
BMRB[外部リンク]
EM-Navigator [外部リンク]
Spanner [外部リンク]
GIRAF [外部リンク]
MAFFTash[外部リンク]
SeSAW[外部リンク]
Protein Globe[外部リンク]
eF-seek[外部リンク]
ProMode[外部リンク]
eProtS[外部リンク]
(2010/05/07更新)