平成17年度募集の概要

バイオインフォマティクス推進事業 創造的な生物・情報知識融合型の研究開発 研究開発提案募集のご案内

独立行政法人科学技術振興機構(JST)は、科学技術基本法、科学技術基本計画のもとに、新技術の創出に資する研究、新技術の企業化開発の推進、科学技術情報の流通促進、科学技術に関する研究開発に係る交流・支援、科学技術に関する知識の普及、国民の関心・理解の増進等、広範多岐にわたる業務を推進しています。
このたび、JSTが実施しているバイオインフォマティクス推進事業の平成17年度新規研究開発提案を、大学、独立行政法人、国公立試験研究機関、公益法人、企業等において研究されている方々から広く募集いたします。つきましては、以下の要領にてご提案いただきたく、ご案内申し上げます。
なお、本募集は、平成17年度政府予算の成立を前提としております。予めご了承下さい。

I.事業の概要

1.事業の趣旨

JSTは、膨大かつ多種多様な生物情報を整理統合し、そこから有用な知識を見出すことにより、新しい産業の創出、新しい医療の開拓、新しい農業の構築へと発展することを可能とする情報生物科学(バイオインフォマティクス)の発展の推進及びそれを基盤とした21世紀の新しい生物科学の創造を目指してバイオインフォマティクス推進センターを設置し、統括、副統括の指導のもと、本事業を実施しています。

統括 勝木元也(大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 基礎生物学研究所 所長)
副統括 高木利久(東京大学大学院新領域創成科学研究科 教授)

本事業は、1)多彩な生命情報データベースが整備されることで利用が可能になる大量の情報源からの計算機処理による新たな知識発見、知識表現の方法・技術の開発(「情報生物科学に関わる創造的な研究開発」)及び、2)情報技術と融合した新しい計測技法の開発により得られる新しいタイプの生命情報の処理技術やデータベースのプロトタイプ研究開発など、研究の発展に伴い発生する新規情報の有効活用に寄与する開発(「情報科学と生物科学との融合型アプローチによる研究開発」)を推進するものです。このように本事業はITとバイオサイエンスを一体として活用する研究開発を促進することで、新しい医療や新産業へ展開することを目標としています。

2.事業のしくみ(別添1を参照して下さい。)

(1)JSTが定めた特定の研究開発領域について、研究開発課題の提案を募集します。

(2)本事業は、研究者個人でも応募ができますが、研究者が複数で応募する場合は、研究開発を代表する者(以下「代表研究者」といいます。)を選定していただき、研究開発を実施することになります。代表研究者は、研究開発実施期間を通じ、研究開発の実施、予算の管理等、研究開発全体に責任を持つこととなります。

(3)統括が外部の有識者からなるバイオインフォマティクス委員会の協力を得て、研究開発課題を選考します。

(4)課題が選定されますと、JSTは、研究開発に携わる研究者(代表研究者及び共同提案者)の所属する研究機関と研究開発契約を締結します。研究開発契約は、委託研究契約を原則とします。原則として研究開発費の全額を委託費として研究者の所属する研究機関へ支払い、研究開発費の執行を研究者の所属する研究機関にて行っていただきます。委託研究契約においては、JSTの規程に基づき、委託研究費(直接経費)の最大30%に相当する額を間接経費として支払います。

(5)研究開発課題が選ばれますと、代表研究者と相談の上、研究開発実施の基本となる研究開発計画及び初年度の実施計画を決めます。実施計画は毎年度ごとに作成いたします。

(6)研究開発契約が締結された後、研究開発を実施していただきますが、期間は原則として3年間を予定しています。研究開発開始3年目に評価を行い、評価の結果、きわめて優れた成果が得られ、研究開発を継続することでさらに発展などの重要性を認めた場合、研究開発期間を2年間延長し得ます。

(7)JSTは、データベース・プログラム等の研究開発成果の普及、特許出願の相談、広報活動等、研究者への支援を行います。

(8)課題当たりの研究開発費は、年間3千万円程度です(但し、間接経費は除く)。なお、応募時点で詳細な数字を明記していただく必要はありません。

(9)研究開発の成果としての特許等の知的財産権の扱いは、委託研究契約に基づき研究開発を推進する場合は、産業活力再生特別措置法第30条の扱いに準じ、研究機関の帰属とすることができます。

(10)本事業に参加する研究者は、国内外に対し、成果の発表や知的財産権の取得を積極的に行っていただきます。こうした機会を通じて、研究開発成果等についての外部の評価を得、これらをその後の研究開発運営に活用していきます。
また、研究開発を行った成果として、データベースやプログラム等が作成された場合は、著作権等の所有者と協議し、著作権等の所有者あるいはJSTがネットワーク等を通じて無償で公開あるいは無償で利用できるよう提供することで広く成果を普及することとします。なお、成果を集約的に案内し、活用できる取り組みにも積極的に参加することとします。

(11)研究者が研究開発の成果を発表する場合は、代表研究者の了承を得た後、JSTに公表前に通知するものとし、論文には自己の所属先とともにJSTによるバイオインフォマティクス推進事業の研究開発の成果であることを明示していただきます。

(12)代表研究者からは、各年次毎に研究開発の進捗状況等の報告書を、研究開発終了時には研究開発終了報告書をJSTに提出していただきます。さらに、JSTが開催するシンポジウムにおいて研究開発の成果を発表していただきます。また、各年度末及び研究開発終了時に経理報告書を提出していただきます。

(13)JSTは、研究開発開始3年目に評価を行い、評価の結果、きわめて優れた成果が得られ、研究開発を継続することでさらに発展するなどの重要性を認めた場合、研究開発期間を2年間延長し得ます。また、必ず研究開発終了後、さらに必要に応じて研究開発の途中で研究開発課題に関する評価を行います。

Ⅱ.平成17年度応募要領

1.応募・選考スケジュール
提案書類の受付
平成17年3月22日(火)~5月16日(月)(当日消印有効)
書類選考
平成17年6月中
書類選考結果通知
平成17年7月上旬
面接選考
平成17年7月中
選定
平成17年8月中
研究開発開始
平成17年9月以降
2.応募資格

研究開発課題の提案は、研究者個人あるいはチームを編成する場合はそれを代表する研究者(以下いずれも「代表研究者」といいます。)から行っていただきますが、その要件は以下の通りです。

(1)自らが提案する研究開発課題の発案者。

(2)現在、国内の大学、独立行政法人、国公立試験研究機関、特別認可法人、公益法人、企業等に所属し、所属機関が研究開発実施場所を提供することができる研究者(外国籍研究者も含む)。

(3)研究開発実施期間を通じ、研究開発の責任者として研究開発全体に責務を負っていただける研究者。そのため原則として同一研究機関に在籍し、研究開発に力を注げることが前提となります。

(4)応募の時点で、国(科学研究補助金、科学技術振興調整費等)や独立行政法人等(科学技術振興機構(JST)、日本学術振興会(JSPS)、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、情報処理推進機構(IPA)、農業・生物系特定産業技術研究推進機構(NARO)、医薬品医療機器総合機構(PMDA)、情報通信研究機構(NICT)、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(JRTT)等)が推進する大型の研究開発事業の課題(平成17年度終了予定のものを除く)の代表者となっていない者。

*上記の大型の研究開発事業等により、研究資金を受けている場合には、エフォートもしくは研究開発提案内容等により、それが不採択の理由となる場合があります。

3.対象となる研究開発提案

募集する研究開発課題は、生物科学情報から生物現象の原理や法則を発見し体系化するために、情報科学と生物科学が融合して研究開発を行う課題です。ゲノム研究に限らず、脳研究、免疫研究、ケミカルゲノミクスなど、情報科学が有効に機能できると期待されている分野を始め、画像情報からの生物情報など、新しい手法による情報の取り方を工夫することによって、新しい生物学的解析を展望するような提案を期待しています。具体的には、生物の構造、機能、関係などの生物学的データの生産者と情報科学的解析手法の提案者が協力し、新しい生物学上の発見や情報学の新たな創造へとつながるような、データ処理、データ表現を創出する研究開発などです。また、特定の生物現象や生物の共通原理の探求を目的とした実験を情報科学的視点からデザインし、情報学的に予測された理論を生物学的に検証、補完し、さらに、それらの成果が、情報科学的、生物学的研究のインセンティブとして機能する21世紀のバイオインフォマティクスの確立を目指します。
生物という複雑な対象を扱い、原理を解明していく上において、多種多様の情報を考慮することは必須であり、生物科学と情報科学はこの目標にアプローチするための両輪であると言えます。そこで、両方のポテンシャルを持つ研究者、研究グループの参加を求めます。思考実験にとどまらず、データを収集し、検証していく過程で生物学的、情報科学的発想、問題解決手法がそれぞれに活かされ、生物科学上の発見をもたらすことを期待しています。

○情報生物科学に関する創造的な研究開発
実際の生物研究から発生した情報源(データベース、実験、文献)に由来するデータを解析し、生物科学的発見にむすびつく知識発見、知識表現にかかわる方法論及び技術の研究開発。

○情報科学と生物科学との融合型アプローチによる研究開発
新規に開発された実験手法による新しいタイプのデータの発生、既存のデータ種の増大や多様化を対象とした、データの採取から蓄積、解析に至る一連の情報処理技術の研究開発。これには新しい切り口や焦点の提案を含みます。生物科学者と情報科学者とが協力し合い、実験データの取得と情報科学的観点による実験技法の開発を協調させつつ、結果をお互いにフィードバックすることにより、目標とする事象に対してダイナミックなアプローチを行う研究開発。ただし、これには単に実験規模のスケールアップやオートメーションのための開発は含みません。
また、時間的ファクターや定量性等、既存の生物学的データの収集において欠落あるいは未測定のデータであり、生物現象の記述や再現において重要なファクターとなりうるデータを獲得するための方法・技術の開発及び、その結果獲得したデータの知識化、体系化のための情報処理技術の開発。技術開発のみではなく、実際にデータを収集し、特定の現象または普遍的法則を再現または、モデル化することが目的である研究開発。

4.研究開発費

一研究開発課題当たりの研究開発費は、年間3千万円程度です(但し、間接経費は除く)。なお、応募時点で詳細な数字を明記していただく必要はありません。
・面接選考においでいただく代表研究者(生物科学者と情報科学者との共同研究開発の場合は2人)には、面接時に平成17年度(半年分+設備費)、平成18 年度のおおよその予定額及び全研究開発期間の研究開発費総額をお示しいただくこととなります。書類選考後、別添5.研究開発計画書(案)の提出をお願いします。
・選定された後、詳細かつ速やかに研究開発計画及び予算を検討させていただきます。その結果が必ずしも面接時にお示しいただいた金額となるわけではありません。
・上記研究開発費は、現時点での予算規模から想定したものであり、採択テーマ数、今後の予算の推移によっては減額となる可能性もあります。
・平成18年度以降の研究開発費は、予算の全体枠や研究開発の進捗状況等を考慮し、年度毎に決定していきます。
・研究開発費には、不足する設備の購入費、材料費、光熱水費、ワークショップやシンポジウム開催費、雇用する研究員等の給与、業務委託費(システム開発費)、旅費、情報機器に関する費用等が含まれます。

5.研究開発実施及び研究開発期間

研究開発契約が締結された後、研究開発を実施していただきます。原則として3年間で所要の成果を達成できること、あるいは、達成する見通しが得られることを条件とします。研究開発開始3年目に評価を行い、評価の結果、きわめて優れた成果が得られ、研究開発を継続することでさらに発展するなどの重要性を認めた場合、研究開発期間を2年間延長し得ます。

6.採択課題数

4~5課題程度を予定しています。

7.応募締切

平成17年5月16日(月) 消印有効
(上記期日を過ぎた場合には受理いたしませんのでご注意下さい。)

8.申込書の作成
  • 別添3の様式に従って申込書(様式1~7)を作成して下さい。(ダウンロードファイル:betten3.pdf)
  • なお、面接選考対象となった研究開発課題については、面接選考前までに別添5の研究開発計画書作成要領に従って、研究開発計画書(案)を作成していただきます。提出期限等は、書類選考結果通知の際に研究開発課題の代表研究者に連絡します。
  • 提出書類の様式は、別添3を参考にし、標題、項目及びその順番を満たしていただければ、自由とします。
  • 提案書類の様式は、以下のURLからダウンロードすることができます(但し、MS-Word Ver.6以上)。
    application/index.html
  • A4用紙になるべくワープロで作成して下さい。申込書は、右下に全体の通しページをご記入下さい。
  • 代表研究者が、国(文部科学省等)あるいは独立行政法人等(科学技術振興機構(JST)、日本学術振興会(JSPS)、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、情報処理推進機構(IPA)、農業・生物系特定産業技術研究機構(NARO)、医薬品医療機器総合機構(PMDA)、情報通信研究機構(NICT)、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(JRTT)等)の研究開発推進制度等で採択された研究課題グループの一員となり、自己の研究資金として年間一千万円以上受けている場合、機関名、研究テーマ名、金額(年間)をお書き下さい。(申請中も含みます。)
  • 提案書類の受理後の修正はお断りいたします。
9.申込書の提出
  • 申込書の提出部数は、原本1部、コピー5部(左肩ホチキス留め)です。
  • 申込書は審査以外の目的には使用せず、応募内容に関する秘密は厳守いたします。
  • 申込書は返却いたしません。
10.応募の手続き

(1)研究開発を実施するにあたっては、JSTは研究者の所属機関と研究開発契約を締結します。研究開発契約が締結できない場合は研究開発が行えませんのでご注意下さい。

(2)申込書は、JST研究基盤情報部バイオインフォマティクス課(住所は下記)あて簡易書留あるいは宅配便でご送付下さい。なお、封筒表面に朱書きで「バイオインフォマティクス申込書在中」と記入して下さい。
募集締め切り後、2週間程度で受理通知をご本人にお送りいたします。2週間を超えて受理通知が届かない場合はお問い合わせ下さい。なお、申込書等に不備がある場合、受理できない場合がありますのでご注意下さい。

<申込書送付先>
独立行政法人科学技術振興機構
研究基盤情報部 バイオインフォマティクス課
〒102-0081 東京都千代田区四番町5番地3
11.研究開発課題の選定

(1)研究開発課題は、書類選考を行った後、必要な研究開発提案に対して面接選考を行います。研究開発課題の選考は、統括がバイオインフォマティクス委員会の協力を得て行います。選考結果に基づいてJSTは研究開発課題を選定いたします。なお、研究開発課題の選考にあたっての基準は別添2のとおりです。

(2)書類選考及び面接選考の結果については、採否にかかわらず、ご通知いたします。

12.代表研究者の責務

(1)研究開発の推進及び管理
研究開発の推進全般について、進捗管理、報告書等の提出、研究開発チームへの事務連絡、研究員等の管理、出張、予算の執行状況の把握等について責任を持って行っていただきます。

(2)研究開発成果の発表及び報告
統括等に研究開発の進捗状況を報告していただきます。知的資産の形成(知的財産権の取得等)に心がけていただきます。また、国内外に研究開発成果を論文等で積極的に発表していただきます。その際、公表前にあらかじめJSTに通知するとともに、JSTによるバイオインフォマティクス推進事業の成果である旨の記述を行っていただきます。
各年次毎に研究開発の進捗状況等の報告書を、研究開発終了時には研究開発終了報告書をJSTに提出していただきます。さらに、JSTが開催するシンポジウムにおいて研究開発の成果を発表していただきます。また、各年度末及び研究開発終了時に経理報告書を提出していただきます。

(3)プログラム、データベース等の案内・流通
研究開発を行った成果として、データベースやプログラム等が作成された場合は、著作権等の所有者と協議し、著作権等の所有者あるいはJSTがネットワーク等を通じて無償で公開・提供することを条件としています。また、そのための作業に協力をお願いすることがあります。なお、成果を集約的に案内し、活用できる取り組みにも参加協力をお願いすることがあります。

(4)その他
JSTと研究機関等との契約、その他JSTの諸規定等に従っていただきます。
国の研究開発活動に関するデータベースの構築のため、各種情報提供をお願いすることがあります。また、事業評価、会計検査、その他各種検査等に対応していただきます。

ご質問等は、下記までお願いいたします。

独立行政法人科学技術振興機構
研究基盤情報部 バイオインフォマティクス課
〒102-0081 東京都千代田区四番町5番地3
TEL:03-5214-8491  FAX:03-5214-8470

  • 別添1.バイオインフォマティクス推進事業のしくみ
    研究開発実施体制のイメージ
    別添2.課題選考基準
  • 別添3.バイオインフォマティクス推進事業研究開発申込書
    • 様式1.バイオインフォマティクス推進事業研究開発申込書
    • 様式2.研究開発課題要旨
    • 様式3.研究開発構想
    • 様式4.研究開発実施体制
    • 様式5.研究開発概要
    • 様式6.代表研究者の業績あるいは論文リスト
    • 様式7.助成等の有無、その他
  • 別添4.応募に際しての注意事項
  • 別添5.研究開発計画書
    • 1.研究開発の実施体制
    • 2.3年間の所要額
    • 3.研究開発スケジュール
    • 4.その他

○応募書類のダウンロード

応募書類は、Word及びPDF形式があります。ご自身の環境に合った形式をお選びください。印刷物が必要な場合は、下記にご請求ください。

PDFファイルをご覧いただくためには、Adobe Reader が必要です。アドビ社のサイトより無料でダウンロード可能です。 Adobe Readerダウンロード[外部リンク](22.4MB)

(参考)