『明るく豊かな低炭素社会』に向かう2050年の姿

終了いたしました。多数のご参加ありがとうございました。

低炭素社会戦略センター(LCS)は、「明るく豊かな低炭素社会の構築」に向けて、低炭素技術の技術的・コスト的展望に関する定量的な解析、社会への導入のシナリオの検討とともに、低炭素社会の実現を加速する新技術創出に資する研究開発から、成果の普及、社会への実装までの戦略や社会システム設計のための取組みを行っています。

LCSシンポジウムは、センター発足以来毎年開催しているもので、本年は「『明るく豊かな低炭素社会』に向かう2050年の姿」をテーマに、2100年頃のゼロエミッション(温室効果ガス排出量ゼロ)社会に向かうなかで、我が国が目標として掲げている「温室効果ガスの排出を80%削減した2050年の社会」がどのような姿となるかを展望します。LCSからは、低炭素社会実現に向けて進めている技術、経済、社会システムに関する研究の現状や最新の研究成果について、講演とポスター発表でご紹介します。また各分野の専門家を招き、低炭素社会の実現に向けた技術面、経済・社会制度面の課題や今後の展望等について話題提供いただき、議論を深めます。

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 科学技術振興機構は「持続可能な開発目標(SDGs)」への科学技術イノベーションの貢献(STI for SDGs)という視点から積極的に活動しています。本シンポジウムもその一環として、SDGs達成への貢献につながることを期待しています。

日時
平成30年12月12日(水)
13:30~17:00(ポスター展示 13:00~17:30)
会場
伊藤謝恩ホール
(東京都文京区本郷7-3-1 東京大学伊藤国際学術研究センターB2階)
定員
300名(事前登録制、無料)
対象
企業、国、大学、地方自治体等の関係者および一般の方
主催
国立研究開発法人科学技術振興機構
後援
文部科学省
経済産業省
環境省
プログラム(敬称略)
13:30-13:35

開会挨拶

小宮山宏〔LCSセンター長〕

13:35-13:40

主催者挨拶

濵口道成〔JST理事長〕

13:40-13:45

来賓ご挨拶

横地 洋〔文部科学省 研究開発局 環境エネルギー課長〕

第1部 講演・ポスター発表
13:45-14:15

主催者講演

山田興一〔LCS副センター長〕 pdf_icon 要約 pdf_icon 発表資料 

「『明るく豊かなゼロ炭素社会』に向かう2050年の姿」
我が国は、2050年までに温室効果ガス(GHG)を80%排出削減するという目標を掲げて、さらにその先での排出量ゼロの社会に繋げることを考えている。このように、大幅にGHG排出量を削減するためには、まず2050年の日本の社会や産業構造の姿を明確にする必要がある。社会の構成要素である人口、年齢構成は、ある程度の確度で予測することはできる。しかし、それらの人たちがどのように教育を受け、どう働くのか、また、皆が豊かに生活できる産業構造はどのようになり、そこで必要とされる材料、エネルギー消費量はどの程度かなど、多くの明らかにすべき課題が出てくる。LCSではこれらの課題に一つの回答を出すのではなく、ある程度変化幅を考慮した数種のシナリオを示すことを進めている。
そのシナリオに、これまで進めてきた将来の低炭素化技術の定量的評価結果を組み合わせての経済活動の拡大とGHGの大幅な排出削減が両立する、定量的な低炭素社会シナリオについて述べる。

14:15-14:45

ポスター発表

※LCS研究員等によるポスター発表
14:45-15:15

基調講演

若生信弥〔イオン株式会社 執行役副社長〕 pdf_icon 要約 pdf_icon 発表資料 

「『脱炭素』に向けビジネス界ができること」
今年も日本列島は多くの台風や集中豪雨により想像を超える被害を被った。被害はかつては台風などの豪雨被害には縁遠かった北海道にも及ぶようになっている。日本以外でも世界各地で見られる気象異常は地球温暖化が原因であると科学者は強く警鐘を鳴らしている。
これに呼応し世界のビジネス界においても多くの主要企業の経営者や投資家が、地球温暖化防止へのリーダーシップを取り始めており、その目指すところはすでに低炭素社会から脱炭素社会へ切り替わり始めている。脱炭素が企業にとって必須の経営目標となり、経営資源配分を左右するようになる一方、市民生活にとっては安心安全で快適な暮らしをもたらすものでなければならない。
イオングループを含めビジネス界が脱炭素社会に向けどう取り組むべきか、そして実現する社会の明るい姿についての考察を提供したい。

15:15-15:25 休憩
第2部 パネルディスカッション
15:25-16:55 テーマ:2050年、低炭素化の実現とSociety5.0  pdf_icon 要約
情報通信技術の進化とともに、IoT、IoEに代表されるネットワーク化やビッグデータの活用、サイバー空間利用の飛躍的発展による「超スマート社会」(Society5.0)が未来社会の姿として描かれ、その実現に向けた取組が進められている。こうしたSociety5.0は低炭素化の実現にどのように影響、貢献するだろうか。
以上の観点から、各パネリストにはこうした未来社会における主要産業の展望や具体的な取組をご紹介いただくとともに、Society5.0で起きるであろう各産業の変革が将来のエネルギー消費にどのように影響するかも踏まえつつ、それぞれの立場から「明るく豊かな低炭素社会」実現を目指す方法を議論する。
【モデレータ】
森 俊介 〔LCS研究統括〕 pdf_icon 発表資料 
【パネリスト】
朝日 弘美 〔日産自動車株式会社 企画・先行技術開発本部 技術企画部 エキスパートリーダー〕 pdf_icon 発表資料 
中出 博康 〔三井不動産株式会社 ビルディング本部 環境・エネルギー事業部長〕
西尾健一郎 〔一般財団法人電力中央研究所 社会経済研究所/エネルギーイノベーション創発センター 上席研究員〕 pdf_icon 発表資料 
山崎 誠也 〔富士通株式会社 環境・CSR本部 環境エンジニアリング部長〕 pdf_icon 発表資料 
16:55-17:00

閉会挨拶

山田興一〔LCS副センター長〕

※プログラムは都合により一部変更となる場合があります。

ポスター発表一覧
1 「明るく豊かな低炭素社会」の実現を目指して
—JST低炭素社会戦略センターの取組—
2 展示ポスターと関連するSDGs
3 「低炭素技術設計・評価プラットフォーム」の設計型ツールへの展開
4 低炭素電源システムの安定化と技術・経済性評価(3)
—2050年の低炭素電源システムの技術開発課題—
5 太陽光発電システム(5)
—定量的技術シナリオに基づくペロブスカイトを含む新型太陽電池の技術評価—
6 二層ポーラスSiのゾーンヒーティング再結晶化法と急速蒸着法による単結晶薄膜Si太陽電池のコスト予測
7 炭素電極を用いたペロブスカイト太陽電池に関する提案
8 固体酸化物形燃料電池システム(6)
—セルデザインおよび新型燃料電池の包括的評価—
9 小規模アンモニアプラントの技術課題
—主としてアンモニア分離工程—
10 石炭ガス化による水素、アンモニアの経済性とCO2排出量
—石炭ガス化(CCSを含む)による水素、アンモニア製造・物流システムの比較検討—
11 アンモニア直接燃焼によるガスタービンシステム
—燃焼機構解明によるNOフリー発電システム—
12 バイオマス二段階ガス化法の評価と課題
—メタノール合成—
13 木質バイオマスエネルギーポテンシャルの地域分布(2)
—不均一に分布する人工林の伐採作業のコスト—
14 林業を持続的に継続するためのコンテナ苗活用の提案
15 北海道下川町の低炭素社会の実現に向けて
—持続可能な開発目標とともに—
16 会津地域13市町村 森林資源活用実現計画策定事業
—木質バイオマス資源の持続的活用による再生可能エネルギー導入計画策定から自然共生社会の実現に向けて—
17 蓄電用の揚水発電のポテンシャルとコスト
—既存ダムを下池として利用した揚水発電—
18 蓄電池の技術シナリオ(6)
—リチウムイオン電池のエネルギー密度向上の可能性—
19 情報化社会の進展がエネルギー消費に与える影響(1)
—IT機器の消費電力の現状と将来予測—
20 GaN系半導体デバイスの技術開発課題とその新しい応用の展望(3)
—市場規模と省エネルギー効果—
21 酸化ガリウムの新規ワイドギャップ半導体としての電子デバイス応用へ向けた技術開発課題
22 地熱発電(5)
—高温岩体発電による誘発地震と地下天然亀裂密度の関係—
23 戦略的創造研究推進事業 先端的低炭素化技術開発(Advanced Low Carbon Technology Research and Development Program;ALCA)
24 エネルギー脱炭素化施策の設計と社会実装
25 新しいエネルギー変換・貯蔵機器と技術特性を明示した住宅街区分散エネルギーシステムの在り方に関する研究
26 新しいエネルギー変換・貯蔵機器技術、未利用熱源およびビル省エネルギ-技術による低炭素都市エネルギーシステム(2)
27 日本の部門別エネルギー需給動学シミュレーションモデルの開発
28 日本の中長期多部門動学的エネルギー経済モデルの開発
29 2050年低炭素社会シナリオ構築のための既往シナリオの調査と体系化
30 鉄リサイクルを利用した将来低炭素社会にむけて(2)
31 国際戦略:地球温暖化緩和技術のバリューチェーン評価
—ケーススタディ:太陽光発電システム・CO2排出量及びエネルギー消費量の評価—
32 地域の消費活動に内包されるCO2排出量の可視化
33 富山市の低炭素社会実現に向けた取組
—公共交通を軸としたコンパクトなまちづくりによる“脱”炭素社会の実現—
34 世界の水需給評価
—社会経済シナリオおよび気候変動シナリオの長期的影響—
35 2020年東京五輪・パラリンピック「カーボンマイナスのための国民参加型プラットフォーム」の提案

地図

伊藤謝恩ホール

東京都文京区本郷7-3-1
東京大学伊藤国際学術研究センターB2階

  • 本郷三丁目駅(地下鉄大江戸線) 徒歩6分
  • 本郷三丁目駅(地下鉄丸の内線) 徒歩8分
  • 湯島駅または根津駅(地下鉄千代田線) 徒歩15分
お問い合わせ

シンポジウム事務局
TEL:03-6661-0205(受付:平日10時~17時) FAX:03-6661-7517 E-MAIL: h30-lcs@seiko-sha.co.jp

国立研究開発法人 科学技術振興機構低炭素社会戦略センター(LCS)文部科学省