低炭素社会実現に向けたシナリオと戦略

LCS(低炭素社会戦略センター)設立1周年シンポジウム

快適で豊かな低炭素社会の実現を目指して

世界は今、低炭素化へ向けて動き出しています。
温室効果ガスの削減は、今後、人類が大きな努力を注ぐべき重要な課題です。産業の発展目覚ましいアジア、中東諸国も、政策措置や巨額の投資など、地球温暖化問題への対応方針を打ち出し始めています。

一方、近年の日本では二酸化炭素削減への動きに滞りが生じている印象も否めません。これまで低炭素化へ向け多くの取り組みを実践してきた日本では、「ものづくり」(産業からの排出)においては、すでに世界で最もエネルギー効率が高く、この分野からさらなる大幅な削減は困難なところに達しています。これは遠からず世界が直面する問題となるでしょう。さらに、低炭素化へ向けた課題には、経済、産業、家計、雇用、高齢化、地域社会など様々な課題が複雑に絡み合っています。

日本は世界最高レベルの環境技術を有しています。
LCS(低炭素社会戦略センター)では、細分化されている優れた科学技術を効率的に社会に活用していくことで、「日々のくらし」(家庭からの排出)からさらなる低炭素化を図ることが可能であると考え、経済成長と両立する低炭素社会を実現するための最適な方法を調査・研究しています。この1年間は経済・社会シナリオと技術シナリオの策定を中心に、それらシナリオを導入した社会システムの考案を行ってきました。

本シンポジウムでは、国家戦略、産業、高齢化社会、まちづくりなど、あらゆる見地から事例や意見を募り、議論することで、グリーン・イノベーションによる豊かな低炭素社会創造について皆でもう一度考えてみたいと思います。

日時
2011年5月10日(火) 13:00-16:45
会場
一橋記念講堂
東京都千代田区一ツ橋2丁目1番2号 学術総合センター2階
主催
独立行政法人 科学技術振興機構(JST)
参加人数
394名
13:00-13:10
開会挨拶
北澤 宏一(JST 理事長)
13:10-13:20
来賓挨拶
笹木 竜三(文部科学副大臣)
13:20-13:50
基調講演
小宮山 宏
(JST 低炭素社会戦略センター センター長)
「日々のくらしと地域の連携が可能にする
明るい低炭素社会の実現」
13:50-14:20
講演
山田 興一
(JST 低炭素社会戦略センター 副センター長)
「科学技術進歩と社会システム設計がもたらす
明るく豊かな低炭素社会」
14:20-14:30 休憩
14:30-15:20
スピーチセッション
<グリーン・イノベーションによる豊かな社会創造>
小沢 鋭仁
(衆議院議員・環境委員長/前 環境大臣)
茂木 敏充
(衆議院議員/自由民主党 広報本部長)
山口 あをい
(大阪市計画調整局 科学技術振興担当部長)
「グリーン・イノベーションによる豊かな低炭素社会創造
~大阪市のまちづくりの視点から~」
渡 文明
(日本経済団体連合会 評議員会議長/JXホールディングス(株) 相談役)
「水素エネルギーへの期待」
秋山 弘子
(東京大学 高齢社会総合研究機構 特任教授)
「長寿時代の低炭素まちづくり」
15:20-15:30
休憩
15:30-16:40
パネルディスカッション
モデレータ:
松橋 隆治(JST 低炭素社会戦略センター 研究統括)
パネリスト:
スピーチセッションメンバーおよび小宮山 宏
総括:
小宮山 宏
16:40-16:45
閉会挨拶
眞峯 隆義(JST 理事)