低炭素社会戦略センター

2.1 背景

2011年夏、経済産業省の電力需給緊急対策本部は「夏期の電力需給対策について」として、大口需要家・小口需要家・家庭の部門毎での電力需要抑制の目標を15%に決めました。特に、大口需要家(契約電力500kW以上)には、電気事業法27条に基づく使用制限が実施され、7月1日から9月9日まで2010年夏の最大消費電力から15%近い値で使用が制限されました。しかし、産業界での電力需要の過度な抑制は、経済活動に多大な影響を与えました。低炭素社会戦略センター (LCS)では、経済活動を停滞させずに計画停電および大規模停電を回避するには、家庭での節電が極めて重要と考えました。

低炭素社会戦略センター (LCS)は、自治体およびプラチナ構想ネットワークと協働して、夏場および冬場の電力不足による大規模停電を未然に防止するために、電力不足が予想される時刻や効果的な節電につながる行動のリストを、自治体が保有する緊急連絡網を通じて市民に直接お知らせする取り組みを行っています。

停電予防連絡ネットワークシステムの概要

節電の呼びかけ方

低炭素社会戦略センター(LCS)では、電力需要の予測モデルを用いて、電力供給・使用データ、気象予報データ、国と協力して得られる電力需給に関する情報などから、家庭での節電の必要度を予測するモデルを構築しました。このモデルに基づき、翌日の電力需要が供給上限に近づく可能性があると予測した時は、自治体などで保有する緊急連絡網を通じて、家庭に「節電予報」として節電レベルとそれに応じた節電行動を呼びかけます。これにより、過度な我慢を伴う節電を強いることなく電力需要のピーク値を低く抑えることを狙います。数時間後に電力需給が著しく逼迫してくると予測した場合は「節電警報」を当日に発します。また、日常的に心がける節電行動については低炭素社会戦略センター (LCS)や自治体などのWebサイトなどにより普及啓発を図ります。

実証実験の実施

このシステムの効果を検証し、よりよいシステムにするために、荒川区・足立区・柏市・川崎市・流山市の住民の方々にご協力いただき実証実験を行っています。2011年夏は、約240世帯のモニター家庭の方々にご協力いただき、節電の呼びかけを受けた時の行動の記録をとっていただだきました。また、そのうち約100世帯では、各家庭の分電盤や電気器具に消費電力量を記録するメータ「省エネナビ」を取り付けました。これらのデータより、節電行動が消費電力量にどれだけの影響を与えるかを実証実験で検証しました。モニター家庭に対して「節電予報」を発した結果、全体として7割弱の家庭が節電行動をとりました。また、モニター家庭のうち、「省エネナビ」を取り付けた家庭の消費電力量の変化を調べた結果、電力ピーク時で約1割の消費電力量(Wh)削減を実現しました。

参考:「停電予防連絡ネットワーク」に関するプレスリリース情報

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