低炭素社会戦略センター

平成22年度の成果

低炭素社会に貢献する科学を構造化し、低炭素技術として体系化した技術データベースを構築して、それぞれの要素技術の性能やコスト、環境負荷の経時発展予測となる定量的技術シナリオの骨格を完成しました。また、経済・社会モデルを用いて日々のくらしの中に優れた低炭素化技術を導入して低炭素化を進めるなど家計をより低炭素型"消費"構造へ、企業をより低炭素型の"産業"構造に転換する経済・社会シナリオの骨格が完成しました。

さらに、定量的技術シナリオにより細分化した科学の研究開発動向から低炭素技術の発展を読み取り、それらの技術を経済・社会シナリオにより時間軸に沿って豊かで快適な低炭素社会のニーズにつなげる、センターのシナリオと戦略策定の方法論を構築しました。

設立準備

低炭素社会戦略センター (LCS)は平成22年度事業として予算要求し、認可されましたが、先行的に平成21 年秋から設立に向けた準備作業を進めました。同年12 月11 日には科学技術振興機構(JST)内に立ち上げ、センター長、副センター長、研究統括および理事長の同席の下、設立の記者会見を行いました。 同日付で低炭素社会づくり科学技術推進室を立ち上げ、センター企画運営室長ほか職員が着任して本格活動に向けて業務を開始しました。

準備作業として、平成21年秋から様々な学識経験者の参画を得て実施していた勉強会を継続・発展させて、低炭素社会づくり推進ワーキンググループを組織しました。同ワーキンググループおよび勉強会として、5 回にわたり会合を行い、(1)今後10年で具体的に何をどのように進めるのか(作業、タイミング)、(2)実施体制づくりや関係機関との協力、(3)日本における主要研究機関の取組み・低炭素社会活動について調査・検討しました。それらの成果を低炭素社会戦略センター (LCS)の体制構築や研究計画の立案に反映しました。

また、平成22年3月8日に開催された文部科学省低炭素社会づくり研究開発戦略推進委員会(第2回)において、低炭素社会戦略センター (LCS)の当面の活動および研究の方向性を、副センター長が「社会シナリオ研究の現状と今後の方向性について」、研究統括が「低炭素社会への移行とその経済影響」と題して発表し、議論されました。内容については異論なく、進めることとされました。

成果と活動

低炭素社会戦略センター (LCS)における研究活動は、低炭素社会システムのデザイン、定量的経済・社会シナリオおよび定量的技術シナリオに、得られた研究成果を落とし込むことにより、明るく豊かな低炭素社会の構築につなげることを狙いとしています。このため、8 つの研究テーマを設定し、それぞれ副センター長、研究統括、上席研究員等から構成されるグループで分担して研究を実施しています。

温暖化ガス削減目標の提示と低炭素社会に貢献する技術の抽出

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定量的技術シナリオと技術研究開発の1年の差に関する検討

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先端的低炭素化研究開発事業の募集領域の構造化

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経済・社会シナリオと応用一般均衡モデルを用いたシミュレーション

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社会システムとデータベースの構築

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東日本大震災特別対策シナリオの検討等

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対外活動

委員会活動等
表5. 平成22 年度委員会活動等一覧
平成22 年度委員会活動等一覧

総合科学技術会議、文部科学省、地方自治体等の依頼を受け、山田副センター長や松橋研究統括、研究員が委員となりました。また、経済・社会モデルに係る先行的な検討結果は「地球温暖化対策に係る中長期ロードマップの提案(平成22 年3 月31 日 環境大臣 小沢鋭仁試案)」の「分析に用いた経済モデル」の一つに採用されました。(表5)

外部組織との連携

効率的・効果的に研究成果を発信するため、外部組織との連携を進めています。平成22 年度は「低炭素都市推進協議会」、「GCCSI(Global Carbon Capture and Storage Institute)」に参加しました。

「低炭素都市推進協議会」
組織概要
低炭素都市づくりを目指す自治体のプラットフォームとして、環境モデル都市等の優れた事例の全国展開、互いの切磋琢磨、国内外に向けた情報発信を目的とする内閣官房地域活性化統合事務局の下に組織された協議会です。
活動概要
環境モデル都市の計画およびその進捗状況についてデータ提供を受け、「環境モデル都市データベース」および「地域地球温暖化対策事例データベース」を作成し、データベース構築後、各都市のユーザー評価を経て、公開する予定です。
http://ecomodelproject.go.jp/pclcc/
「GCCSI (Global Carbon Capture and Storage Institute)」
組織概要
CO2 回収・貯留(CCS)の諸課題を解決し、商業的な事業の普及を促進させる目的で豪州法人法に基づき設立された会社組織。持続可能な商業規模のCCSプロジェクトの開発と安全な展開、CO2 排出を捕捉・移送・貯留する技術、炭素の分離のコストと利益およびそれらを成功させるのに必要な運用面・立法面の要件に関する専門知識の提供、気候変動の緊急問題の解決策を提供するため、CCSへの信頼を構築し、国際的な機運を高めることなどを目的に運営されています。
活動概要
同研究所の会員になり、研究所が開催するシンポジウムやワークショップに参加し、国内外のCCSの研究開発や実施状況、それらの問題点の把握など情報収集を行いました。
http://www.globalccsinstitute.com/
シンポジウム、ワークショップの開催

低炭素社会戦略センター (LCS)の活動や成果を対外的に発信するため、シンポジウムの開催や外部イベントでの発表等を行いました。

「Nature Photonics Technology Conference」
概要
「太陽光発電の将来展望」をテーマに、経済産業省、環境省、文部科学省、英国大使館等の後援を得て開催されました。将来へ向けた革新的な太陽電池やその大規模展開等について多数の基調講演・特別講演が行われた。その中で小宮山センター長が「『課題先進国』日本の役割」と題する基調講演、山田副センター長が「太陽光発電の大規模普及に向けた開発」と題する特別講演を行いました。
http://www.natureasia.com/japan/events/photonics/
主催: NPG ネイチャーアジア・パシフィック
日時: 2010 年10 月21 日(木)
場所: TFTホール(東京有明)
その他の広報活動
「AAAS Annual Meeting 2011」でのパネル出展

2011 年2 月に開催された本ミーティングに参加しました。出展者ブースにおいて、センター紹介パネルの掲示と紹介ビデオのループ上映を行いました。50 カ国以上からの参加があり、センターの活動を幅広く紹介することができました。また、ブース内にOpinion Podを設置して来場者にアンケートを実施し、今後の活動の参考となる意見が得られました。
http://www.aaas.org/