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募集要項

III.「研究領域の概要」、および「研究総括の募集・選考・研究領域運営にあたっての方針」

【さきがけ】
○戦略目標「細胞リプログラミングに立脚した幹細胞作製・制御による革新的医療基盤技術の創出」の下の研究領域

「iPS細胞と生命機能」

研究総括:西川 伸一(独立行政法人理化学研究所発生・再生科学総合研究センター 副センター長)

研究領域の概要

 本研究領域は、iPS細胞を樹立する技術によって大きなブレークスルーがもたらされると考えられる分野、すなわち、細胞のリプログラミング、分化転換、幹細胞生物学などを対象とします。これまでにはない自由で創意に満ちた発想による基礎研究とともに、医療などに将来貢献できる基礎研究も対象とします。
 具体的には、1)リプログラム機構の分子レベルでの解析に基づくリプログラミング技術の高度化・簡便化、2)幹細胞分化転換過程の解析と人的調節、3)iPS細胞を用いたエピジェネティック過程の分子機構解析、4)iPS細胞を駆使する疾患発症機構の解析、5)ヒト疾患モデルの構築などの研究が含まれます。

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研究総括の募集・選考・研究領域運営にあたっての方針

 世界初の哺乳類の体細胞クローンである"ドリー"の誕生は、リプログラミング、分化転換、幹細胞研究、再生医学など様々な分野に大きな変化をもたらしました。しかし、ヒトの体細胞から作り出されたiPS細胞は、ヒト胚性幹細胞(ES細胞)に匹敵する能力を有しており、誰でもが作製可能であるという点で、"ドリー"以上の大いなる可能性を秘めています。日本発となるヒトiPS細胞を樹立する技術は、国際的な注目度も高く、世界各国で大きな旋風が巻き起こりました。そして1年、日本でもこの発見に触発された研究が多くの場所で準備されていると期待しています。
 科学的に考えると、iPS細胞が拓く可能性を、例えばリプログラミング機構の解明など、より一般的な課題としてとらえることは可能です。しかし、世界中からの期待や注目度を考えると、これまでの「さきがけ」で行ってきた比較的に広範囲にわたる領域設定によって募集を行うより、iPS細胞を前面に押し出した研究提案を募集したいと考えます。
 しかしながら、iPS細胞が拓く可能性の広がりは多岐にわたるはずです。iPS細胞の成立過程など、リプログラミング制御の研究、iPS細胞を利用した疾患の研究、さらに想像を超える研究の可能性もあるはずです。従って、対象分野を限定することは考えていません。ヒトであれマウスであれ、対象とする種は問いません。ただし、iPS細胞でなくても、ES細胞で十分可能な実験などは対象としません。
 最後に、今回から始まる大挑戦型について私の考えを述べておきます。この「さきがけ」では、誰もが大挑戦型にチャレンジしていただきたいと思います。ただ、これまでの審査では、申請書の面白さ、新鮮さだけではなく、どうしてもこれまでの業績もかなりの割合で考慮せざるを得ませんでした。従って、今回の大挑戦型については、書類審査では全く業績を気にすることなく、計画の面白さだけで面接対象者を選びたいと思っています。まだ論文は少ないが、絶対良い研究が提案できるという方は大挑戦型を意識してチャレンジしていただきたいと思っています。
 若い研究者の頭脳がiPS細胞の樹立に刺激されて芽生える自由で創意に満ちた研究提案を、数多く期待しています。

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本研究領域に対する課題提案についてのご注意

 iPS細胞等研究を加速し総合的に推進するため、文部科学省及びJSTが支援するiPS細胞等研究に関わる事業の研究機関・研究者を包含した「文部科学省iPS細胞等研究ネットワーク」が、平成20年度に構築されております。この研究ネットワークは、「文部科学省iPS細胞等研究ネットワーク規約」で定められた、知的財産権、研究成果の公開、機密保持等に関する共通ルールに基づき、知的財産権及び生体試料等の有体物利用の原則無償の実施許諾等を通じて、iPS細胞等研究の加速・推進に向け効果的に機能することが期待されています。
 本研究領域もこの研究ネットワークの構成要素となっていますので、選考の結果、採択され研究を実施する際は、この研究ネットワークに加入していただくことを原則といたしますので、ご了解ください。

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