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募集要項

III.「研究領域の概要」、および「研究総括の募集・選考・研究領域運営にあたっての方針」

【CREST】
○戦略目標「細胞リプログラミングに立脚した幹細胞作製・制御による革新的医療基盤技術の創出」の下の研究領域

「人工多能性幹細胞(iPS細胞)作製・制御等の医療基盤技術」

研究総括:須田 年生(慶應義塾大学医学部 教授)

研究領域の概要

 本研究領域は、近年著しい進歩の見られる、iPS細胞を基軸とした細胞リプログラミング技術の開発に基づき、当該技術の高度化・簡便化を始めとして、モデル細胞の構築による疾患発症機構の解明、新規治療戦略、疾患の早期発見などの革新的医療に資する基盤技術の構築を目指す研究を対象とするものです。
 具体的には、ゲノミクス・染色体構造・エピジェネティクス解析を通じたリプログラムおよび細胞分化機構の研究、遺伝子導入の制御などの研究、リプログラムを誘導する化合物のハイスループットスクリーニングを行う研究、先天性疾患の患者細胞から作製された多能性幹細胞を用い疾患発症機構の解明を目指す研究などが含まれます。
 さらには、こうした幹細胞研究と病態研究等の統合による、これまでにない新規治療法や予防医療の開発に繋がる研究も対象とします。

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研究総括の募集・選考・研究領域運営にあたっての方針

 平成19年11月にヒトiPS細胞の樹立成功の発表がされて以来、本技術に関する研究の進展は目覚ましく、今なお新たな発見が国内外にて生み出されており、これに携わる研究者のみならず一般の人さえ研究進展のスピードを感じ続けている状況です。しかし、当のフロントランナーである山中教授も、iPS細胞は「わからないことが多い」と述べるように、この研究成果を実際の臨床研究や実用化につなげるためには、解明するべき事象や解決するべき課題がまだ山積している状況です。一方、この細胞リプログラミング技術に関する研究の新たな可能性については、大きな広がりをみせています。引き続き、iPS研究開発の裾野及び出口の拡大を図る取り組みを行いながら、細胞リプログラミングの機構解明とそれを応用した新たな医療基盤の創出を、骨太に目指すことが必要と考えています。
 本研究領域は、平成20年度から課題公募を実施していますが、昨年度は多くの研究者にとって、実際にiPS細胞に関する研究を行った経験が少ない状況でした。しかし、その後、iPS細胞を手ずから対象とした研究に着手し、細胞リプログラミングに関する基礎的あるいは応用的研究を構築している研究者が多々いるかと考えられます。また、生物学・医学分野に留まらず、従来は幹細胞研究などとの関連が薄かった分野の研究者の中にも、この細胞リプログラミング研究に触発され、今までにない展開を目指そうとする動きがあります。従来のiPS/ES細胞あるいは組織幹細胞研究の後追いでなく、新しいパラダイムを切り拓くような本格的かつ挑戦的な研究課題を提案していただけるよう期待しています。海外の研究者による研究成果が目を引くことが多くなっている昨今ですが、是非、わが国の研究者も、自らの研究基盤の上に、細胞リプログラミングの新たな概念を取り込み、研究を展開していただきたいと思います。
 新たに採択された研究課題に関しては、引き続き1年に1,2回ほど研究成果を発表するミーティングを開催し、相互の情報交換を行います。また、細胞をはじめとする研究材料の交換も促進し、研究を加速する予定です。

本研究領域に対する課題提案についてのご注意

 文部科学省においては、「iPS 細胞(人工多能性幹細胞)研究等の加速に向けた総合戦略(以下、「総合戦略」という)」(平成21年1月20日 文部科学大臣決定)を策定し、我が国のiPS 細胞研究等を日本全体で戦略 的に進めています。その取組の一環として平成20年度に、iPS細胞研究等を加速し総合的に推進するため、文部科学省及びJSTが支援するiPS細胞研究等に係る事業の研究機関・研究者を包含した「文部科学省iPS細胞等研究ネットワーク(以下、「研究ネットワーク」という。)」を構築しています。この研究ネットワークは、「文部科学省iPS細胞等研究ネットワーク規約」によって定められた、知的財産権、研究成果の公開、機密保持等の観点に関する共通的なルールに基づき、研究ネットワーク内における知的財産権及び生体試料等の有体物利用の原則無償の実施許諾等を通じて、iPS細胞研究等の総合的な推進に向けて効果的に機能することが期待されています。
 本研究領域もこの研究ネットワークの構成要素となっていますので、選考の結果、採択され研究を実施する際は、この研究ネットワークに加入していただくことを原則とし、総合戦略に基づく政策にご協力をお願いしますので、ご了解下さい。

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