研究シーズ探索プログラム-TANSAKU-

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最終更新日:2010年8月10日


低炭素社会づくり関連分野

PO:野城智也(東京大学 生産技術研究所 所長)

光の反射効率を高めた砂漠適応型植物の創製
研究代表者明石 欣也(奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス研究科 助教)
研究概要 本研究は、地球上の陸地の約50%を占める乾燥地における植物の生存能力を高めCO2固定効率を増大させるために、 過剰な光の反射能力を高めた植物創製のための基盤開発を目的とする。具体的には、葉の表面のクチクラ層のワックスについて、 (1) 砂漠植物におけるワックス形成メカニズムの理解を図り、(2) バイオ燃料植物ヤトロファ等にこのメカニズムを導入し、乾燥地でのバイオマスおよびCO2固定効率の増大を図る。
太陽光による二酸化炭素の資源化を目指した新規光触媒系の創製
研究代表者石谷 治(東京工業大学 大学院理工学研究科 教授)
研究概要 本研究は、CO2を太陽光エネルギーのリザーバとして利用し、有用なエネルギー資源を得る人工光合成システムの創製を目的とする。 具体的には(1)水の酸化を高効率で行う半導体光触媒を、我々の開発した高効率にCO2を還元する金属錯体光触媒とハイブリッド化し、 水によるCO2還元を駆動する新規光触媒系を創製する。(2) CO2を多電子還元し、より有用な有機分子を直接生成する光触媒を開発する。
新規錯体触媒による水系酸化反応プロセスの開発
研究代表者 小川 昭弥(大阪府立大学 大学院工学研究科 教授)
研究概要 本研究は、環境にやさしい省資源・省エネルギー酸化技術の開発とプロセスの確立により、 技術立国における先進的な酸化技術の工業化を目指し、低炭素社会の確立のための基盤研究を行う。 具体的には(1) 安全かつ無尽蔵の空気(または酸素)を共酸化剤とし、(2) 二酸化炭素排出削減のために水を反応場とし、 (3)リサイクル容易な前周期遷移金属触媒を用いる新酸化触媒系を開発する。
原形質膜CO2透過性の分子機構解析と利用
研究代表者且原 真木(岡山大学 資源植物科学研究所 准教授)
研究概要 本研究は、CO2の原形質膜透過を担っている蛋白質アクアポリン分子種の同定・解析を目的とする。 具体的には酵母を用いた新規スクリーニング系を使って、原形質膜で機能する複数のアクアポリンをCO2透過活性の有無で分別する。 同時にホモロジーモデリングを実施して、CO2分子の認識と透過を実現しているアクアポリンの分子構造を明らかにする。
二酸化炭素を重合単位とする新しい合成高分子の開発と機能付与
研究代表者 榧木 啓人(東京工業大学 大学院理工学研究科 助教)
研究概要 本研究は、二酸化炭素固定による新たな高付加価値高分子の創製を実現するために必要な合成手法の開発を目的とする。 具体的には、アジリジン類をはじめとするアミンモノマーと二酸化炭素の共重合法の開発と、 二酸化炭素由来のウレタンおよびカーボネートの重合による新規な脂肪族ポリウレタン・ポリカーボネートの合成を試み、 低炭素社会づくりに資する機能性高分子材料の候補となる化合物群を開拓する。
二酸化炭素を利用する高効率アルケン製造触媒の開発
研究代表者 宍戸 哲也(京都大学 大学院工学研究科 准教授)
研究概要 本研究は、二酸化炭素を穏和な酸化剤として利用する低級アルカン脱水素反応に有効な触媒系を設計・構築することを目的とする。 具体的には、クロムおよびバナジウム系触媒を中心に反応機構の解明、活性種の動的挙動のその場観測を行い、 得られた知見を基に高い活性・安定性を示す高機能触媒系を設計・構築を行う。
生物的な炭酸同化作用によるCO2リサイクリングを目指した樹木に特異的な環境適応能力による光合成制御とストレス耐性機構
研究代表者 柴田 勝(長岡工業高等専門学校 物質工学科 准教授)
研究概要 本研究は、樹木が本来備えている環境適応能力を高めることで、劣悪な条件下で生育できる樹木の開発を目的とする。 具体的には、樹木特異的な環境応答を証明すると共にオルガネラネットワークによる光合成の最適化機構を示し、新規ストレス耐性についての実験を行う。
光合成生物を用いたプロパノール産生技術の開発
研究代表者 鈴木 石根(筑波大学 大学院生命環境科学研究科 准教授)
研究概要 本研究は、ブドウ糖から、プロパノールあるいはプロパンジオールを生産する代謝経路を、光合成生物ラン藻細胞内に構築し、 光エネルギーを利用してバイオ燃料及びバイオマテリアルを高効率に生産するシステムを創出することを目的とする。 具体的には細菌の5つの遺伝子をラン藻の染色体中に導入し、新規な代謝経路を創出する。導入した代謝経路を効率的に駆動するため、 細胞のプロパノール及びプロパンジオールに対する耐性の増強と、代謝経路の隘路を見出して遺伝的改善を試みる。
電力の地産地消を目指した自律分散型直流スマートグリッド実現の為の人工知能による電力取引機構の研究
研究代表者 谷口 忠大(立命館大学 総合理工学院 准教授)
研究概要 本研究は、低炭素社会へ向け、再生可能エネルギー利用を爆発的に普及可能させる自律分散型スマートグリッド実現のための 人工知能を有した地域電力融通のための機械学習に基づく人工知能の実現を目的とする。具体的には、実環境に適用可能な機械学習則を開発し、 実験では、異なる生活パターンで生活をする居住者が住み、太陽光パネルと蓄電池を有する住居が相互に接続された系を模擬した大規模シミュレーションモデルを構築し、 有効性及びその安定性を検証する。
光励起型水分解によるグリーン水素製造
研究代表者 成田 吉徳(九州大学 主幹教授)
研究概要 本研究は、水の光分解触媒系を創製し、太陽光を用いた水素・酸素分別製造のための技術基盤構築を目的とする。 具体的には、半導体電極上に合理的設計した水分解錯体触媒と光増感色素とを組み合わせて修飾し、可視光域全般の光利用を可能とする高い太陽光利用効率での水の分解反応系を作成する。
赤外まで透明な酸化スズ系透明導電体の開発
研究代表者 長谷川 哲也(神奈川科学技術アカデミー 重点研究室透明機能材料グループ グループリーダー)
研究概要 本研究は、赤外領域まで高い透明性を示す酸化スズ系透明導電体を開発し、太陽電池の変換効率向上に貢献する事を目的とする。 具体的には、酸化スズとの格子マッチングに優れた二酸化チタン/二酸化ニオブ混晶系あるいは酸化物よりもさらに格子マッチングの良いフッ化物系をシード層として用い、 酸化スズ薄膜の配向ならびに粒径制御を行うことで、高い移動度と赤外までの透明性を兼ね備えた透明導電薄膜を開発する。
二酸化炭素無放出天然ガス発電の可能性
研究代表者 圓山 重直(東北大学 流体科学研究所 教授)
研究概要 本研究は、低炭素社会構築にむけた新発電システムを提案し、メタンハイドレートを使った発電で排出される二酸化炭素と廃熱をメタンの 再生に使う画期的システムのフィージビリティスタディを行うことを目的とする。 具体的には、熱力学/伝熱工学計算によりどのような発電システムが二酸化炭素無放出発電システムに適合するか検討を行い、 二酸化炭素無排出メタンハイドレート発電プラントの可能性について定量的評価を行う。
天然リグニンの逐次構造変換による芳香族原料化およびその利用
研究代表者 三亀 啓吾(三重大学 大学院生物資源学研究科 特任准教授)
研究概要 本研究は、植物主要構成成分リグニンから石油代替芳香族化学原料を得ることを目的とする。 具体的には、天然リグニンから相分離系変換システムにより得られるリグノフェノールをアルカリ処理やルイス酸処理、微生物変換などにより逐次構造変換し、最終的にモノフェノールへと誘導する。 リグニンをカスケード的に長期循環利用し、石油代替原料として現在の工業原料から少しずつ変更することにより低炭素社会をつくる。
シリコン精錬を目指したナトリウム蒸発法の開発
研究代表者 森戸 春彦(東北大学 多元物質科学研究所 助教)
研究概要 本研究は、Na溶媒蒸発による高純度Siの結晶化を利用した革新的Si精錬法を開発することを目的とする。 具体的には、Na溶媒蒸発法を用いてSi結晶を作製し、溶液組成やNa蒸発速度などの精錬条件がSi結晶の形態や不純物の分配挙動、精錬効果などに及ぼす影響を明らかにする。
既存住宅の低炭素化に向けた省エネルギー・健康環境計測診断システムのプロトタイプの開発
研究代表者 吉野 博(東北大学 大学院工学研究科 教授)
研究概要 本研究は、住宅部門のエネルギー消費量およびCO2排出量を削減するため、圧倒的な数を占める既存住宅の低炭素化を図ることを目的とする。 具体的には、既存住宅の用途別・時刻別のエネルギー消費および室内環境を測定し、省エネルギー性と健康性を診断するとともに、断熱改修、高効率機器の導入、 ライフスタイルの変更等による効果の情報を居住者に提供する「省エネルギー・健康環境計測診断システム」のプロトタイプを開発する。

物質・機能探索分野

PO:高尾正敏(大阪大学 大学院基礎工学研究科 特任教授)

人工光合成を目指した高配向集光アンテナ薄膜の創製
研究代表者 浅岡 定幸(京都工芸繊維大学 大学院工芸科学研究科 准教授)
研究概要 本研究では、光合成の集光アンテナを模したナノ構造体を、膜中で位置と配向方向を正確に規定して配列させる手法を確立し、 生ずる長寿命励起状態に基づく人工光合成膜材料を創製することを目的とする。具体的には、高規則性のシリンダー型ミクロ相分離構造の界面に ポルフィリンを自己組織的に配列させることにより、集光アンテナ構造を一定の異方性を保って膜中に組み込み、物質変換膜材料へ展開するための基盤を確立する。
ダイヤモンド/窒化ホウ素ヘテロ接合の作製と電子デバイス応用
研究代表者 植田 研二(名古屋大学 大学院工学研究科 准教授)
研究概要 ダイヤモンドはその優れた特性から次世代高周波高出力デバイスとして期待されている。 しかし、室温で十分なキャリア濃度と信頼性を併せ持つドーピング技術が無いため、実用化に至っていない。本研究ではこのドーピング問題解決のために、 ダイヤモンドより広い禁制帯幅を有し、格子整合性も良好な立方晶窒化ホウ素とダイヤモンドのヘテロ接合を作製し、 窒化ホウ素へ変調ドーピングすることによりヘテロ接合界面でのキャリア生成を図る。
スメクチック液晶相をテンプレートに用いたナノ構造構築
研究代表者 大越 研人(東京工業大学 大学院理工学研究科 特任准教授)
研究概要 本研究は、@棒状高分子のスメクチック相をテンプレートに用いた、スメクチック層間へのミクロ相分離構造形成における自発的な構造形成のメカニズムの解明、 A発現する10−50 nmのメゾスコピック領域の層間隔を有する巨大スメクチック相を、基板上に展開しテンプレートとして用いた、 高度に配向が制御された長相関のナノ構造の構築およびその機能の解明の2点を目的とする。
分子回転運動に同期した単電子移動現象のデバイス化の研究
研究代表者 久米 晶子(東京大学 大学院理学系研究科 助教)
研究概要 本研究では、分子の回転運動をトリガーに、分子内の単電子移動を起こす基本骨格を用いた分子特異的な方向的応答性を示すデバイスの構築を目的とする。 具体的には、銅中心に回転を経て双安定的に配位するピリミジン環に、光応答や、水素結合を行う機能性部位導入による回転運動の駆動、 また回転方向による電子移動方向変換特性を検出する。さらに電極界面へ分子を展開することで回転の電気化学・伝導性による応答検出を行う。
新規低温酸素イオン伝導酸化物の探索とイオン伝導機構の解明
研究代表者 島川 祐一(京都大学 化学研究所 教授)
研究概要 本研究は、ペロブスカイト構造酸化物における酸素イオン伝導機構の解明を通して、中低温で動作可能な燃料電池への応用展開を含めた 新規な酸素イオン伝導酸化物の探索を目的とする。具体的には、単結晶薄膜を用いた原子レベルの酸素の動きに注目し、基板からの格子歪みを利用して 低温で異方性をもった酸素イオン伝導の制御を試みる。さらには、薄膜イオン伝導材料のマイクロ燃料電池への展開の可能性を探る。
マンガン窒化物を用いたゼロ応答材料の開発
研究代表者 竹中 康司(名古屋大学 大学院工学研究科 准教授)
研究概要 本研究は、逆ペロフスカイト型マンガン窒化物Mn3AN(A:遷移金属など)の組成最適化により、ゼロ熱膨張材料とゼロ抵抗温度係数材料の開発を目的とする。 電気抵抗率などの特性が外部変数に依存しない「ゼロ応答材料」は、環境変化に対する安定性が必要な精密機器に不可欠であり、広範な応用分野を有する。 各種精密機器の計測精度やプロセス精度を飛躍的に向上させる革新的機能材料創製へ展開する。
酵素インスパイアード触媒表面の創製によるテイラーメイド触媒反応空間の設計と選択触媒反応制御
研究代表者 唯 美津木(分子科学研究所 物質分子科学研究領域 准教授)
研究概要 本研究は、目的とする物質合成のためにテイラーメイド設計された形状選択的触媒反応空間を構築し、 目的分子に応じた選択触媒反応の自在制御を可能にする酵素インスパイアード触媒表面を創製することを目的とする。 具体的には、固定化金属錯体の配位子を鋳型分子とするモレキュラーインプリンティング法を基盤として、目的物質のみを作り出せる高機能触媒表面を設計する。
メカニカルエネルギーの段階的化学変換によるトップダウン物質合成
研究代表者 津田 明彦(神戸大学 大学院理学研究科 准教授)
研究概要 本研究課題では、従来よりも短い波長の超音波による機械的な物理エネルギーで、(1)マイクロスケールあるいはナノスケール物質の一時的構造変化を引き起こし、 (2)その変化の摂動のさらなる分子レベルへの伝播を利用して、機械エネルギーの段階的化学変換によるトップダウン物質合成に挑戦する。
半導体ナノ結晶の超構造形成とタンパク質との複合化
研究代表者 中嶋 琢也(奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学研究科 准教授)
研究概要 本研究では、半導体ナノ結晶間またはナノ結晶−タンパク間相互作用の階層的制御による自発的キラル超構造形成と革新機能発現を目的とする。 具体的には、ナノ結晶間の長距離、短距離相互作用の制御によるキラル自己集合の方法論を確立し、キラル超構造におけるナノ結晶間の励起子相互作用に基づく キロプティカル特性を明らかにする。さらに、ナノ結晶と同次元のタンパク質とのヘテロ超構造を作製し、超光電子機能の探索を行う。
自己組織性糖鎖高分子による超分子ナノワイヤーの創製
研究代表者 三浦 佳子(九州大学 大学院工学研究院 教授)
研究概要 本研究では糖鎖高分子を用いた水溶性ナノワイヤーの創製を目的とする。具体的には、糖鎖を側鎖に持つ高分子が、 水溶液中で疎水性のコアを持つ筒状となることから、これをホストとした超分子複合体の形成を行う。ゲストとして、共役高分子、ナノカーボンを検討し、 有機エレクトロニクス分子の可溶化と、超分子ナノワイヤー化による機能の向上、水溶性の確保による集合性の制御、そして糖の機能を利用した生体機能の検討を行う。
有機π電子物質を用いた蓄電デバイスの創出
研究代表者 御崎 洋二(愛媛大学 大学院理工学研究科 教授)
研究概要 本研究は次世代の蓄電デバイス用活物質として用いられる新規な有機材料の開拓を目的とする。 具体的には、TTPおよびTTPY骨格を有する様々な分子系を合成し、それらの酸化還元挙動を解明すると共に充電状態における蓄電デバイス中の活物質の構造・充放電機構を解明し、 1) 高エネルギー密度化、2) 酸化状態・還元状態両方における有機活物質の安定化、3) 有機溶媒に対する活物質の難溶解性の実現、を図る。
酸化バナジウムナノ細線における金属-絶縁体ドメイン壁の電流駆動ダイナミクス
研究代表者 守谷 頼(東京大学 生産技術研究所 特任助教)
研究概要 本研究は金属-絶縁体ドメインの境界面(金属-絶縁体ドメイン壁)を電流によって移動させる技術を確立し、 金属-絶縁体転移を低消費電力で制御することを目的とする。具体的には強相関電子系材料の酸化バナジウム(VO2)において、 ドメイン壁を電子が通過するときの局所的熱電効果を利用することでドメイン壁の電流駆動を実現する。更にAC電流励起によるドメイン壁の共鳴効果を利用して、駆動電流の低減を目指す。
新奇な金属絶縁体転移を示す酸化物探索とデバイス応用を目指す研究
研究代表者 山浦 一成(物質・材料研究機構 超伝導材料センター 主幹研究員)
研究概要 本研究は新物質・新現象の研究を進展させ、先端機能スピン素子の開発を促進し、情報処理や通信システムの飛躍的な性能向上を目指すものである。 具体的には、提案者らが最近合成に成功した新物質(NaOsO3)に着目し、それが示す有益な新現象(室温スレーター転移)の研究を進展させ、 電流/電圧による固体磁化制御に向けた基盤技術を整備する。
単分子接合素子におけるスピン検出に関する研究
研究代表者 山田 亮(大阪大学 大学院基礎工学研究科 准教授)
研究概要 本研究は、分子が発する多彩な情報を電気的に読み取る単分子エレクトロニクスの基盤を形成することを目的としている。 このために必要な基本技術である一分子の電気特性、とくにこれまで計測された例がない電子のスピンに関連した、 (a) 強磁性電極に架橋した分子による磁気抵抗効果と(b)通常の金属電極に架橋された単分子内の不対電子由来のスピン検出に注目した。

融合分野

PO:阿草清滋(名古屋大学 大学院情報科学研究科 教授)

生態系の機能的階層構造と非線形相互作用に基づく環境複雑系研究
(融合分野:非線形科学分野と生態環境学分野)
研究代表者 雨宮 隆(横浜国立大学 環境情報研究院 准教授)
研究概要 本研究は、物質科学の分野で大きな成功を収めてきた非線形科学と生態環境学を融合し、 生物・生態系の非線形相互作用と階層構造に着目した、新しい環境複雑系科学の開拓を目的とする。 湖沼の富栄養化を事例研究とし、数理モデル解析と微小生態系実験により、生物(ウキクサ−根圏細菌)間の共生的相互作用を利用した 効果的な生態環境修復(藍藻類の増殖抑制)手法を非線形科学の視点から提示し、環境複雑系研究分野の確立を目指す。
化学的拡張進化分子工学による機能性分子の創成
(融合分野:有機化学分野とバイオテクノロジー分野)
研究代表者 伊藤 嘉浩(理化学研究所 基幹研究所 主任研究員)
研究概要 生物の生存戦略である「進化」を模倣する進化分子工学を化学的に拡張することで新しい「バイオものづくり」の方法論を確立し、 この方法で様々な新しい原理に基づく機能性分子の創成が可能となることを示す。 具体的には、阻害剤をモチーフにしたペプチドアプタマーにより阻害効果や選択性を高める創薬原理と、 蛍光分子をモチーフとして標的分子に結合するだけで蛍光を変化できるセンシングできるプローブ構築原理を、実証する。
コンシステンシーに基づく情報セキュリティ技術
(融合分野:情報セキュリティ分野と非線形力学分野と光・レーザ工学分野)
研究代表者 内田 淳史(埼玉大学 理工学研究科 准教授)
研究概要 本研究は、非線形ダイナミカルシステムにおける普遍現象であるコンシステンシーを用いて、 新たな情報セキュリティ技術の実装可能性を示すことを目的とする。 具体的には、ハードウェアダイナミクス依存型の情報暗号方式および高秘匿な動的情報メモリへの応用を目標として、 超高速不規則振動するカオス的レーザデバイスにおけるコンシステンシーの実証実験を行う。
マウス脳深部内埋埴イメージングデバイスの無線化とその超低侵襲化に向けた試み
(融合分野:半導体集積回路分野とバイオ医療分野)
研究代表者 太田 淳(奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学研究科 教授)
研究概要 本研究は、脳内神経活動の時空間ダイナミクスの超多点リアルタイム計測を可能とする埋植デバイスの実現を目的とする。 具体的には、マウスなどの実験用小動物の脳深部への埋埴を可能とするイメージングデバイスの無線化および埋植用超小型イメージングデバイスの開発を行い。 これの結果をもとに無線機能を内蔵した超小型イメージングデバイスを多数分散埋埴する超低侵襲分散型アーキテクチャ実現可能性を検討する。 さらにこのアーキテクチャを生体とのインタラクションを行う極小半導体集積回路チップ「マイクロコミュニケータ」として発展させていくことを目指す。
原子間力顕微鏡を利用した力学的生物界面のナノスケール現象解析
(融合分野:生物工学分野と物理学分野)
研究代表者 荻野 千秋(神戸大学 工学研究科 准教授)
研究概要 本研究では、生体分子と細胞の分子間相互作用を解析するために、原子間力顕微鏡(AFM)を適用する。 AFMのカンチレバー先端への生体分子修飾し、「7回膜貫通型受容体認識機能性核酸分子の探索」を行い、 生体分子によるナノスケール(細胞空間)における機能創発の制御を目指す。 更には、これまでの“リガンドによる細胞全体への一様な刺激”では捉えることが出来なかった、新しい情報伝達機構に関して解析を目指す。
多能性幹細胞の未分化維持に関与する糖鎖の探索
(融合分野:化学分野と医学分野)
研究代表者 佐藤 智典(慶應義塾大学 理工学部 教授)
研究概要 本研究では、iPS細胞やES 細胞等の多能性幹細胞の未分化に関与する糖鎖構造の解析を行う。 特に、フィーダー細胞との共存の意義、多分化能を獲得する際の糖鎖生合成経路の変化に焦点を当てる。そのために、フィーダー細胞に発現する糖鎖構造の解析、 フィーダー細胞の有無による幹細胞での発現糖鎖の相違、iPS細胞の親株であるヒト胎児肺組織由来細胞MRC5の発現糖鎖との比較解析などを行う。
遅延評価手法を用いた大規模統計システム構築法の確立
(融合分野:情報通信分野とライフサイエンス分野)
研究代表者 篠崎 隆宏(東京工業大学 大学院情報理工学研究科 助教)
研究概要 本研究はバイオインフォマティクスや音声認識において使用される大規模な統計モデルを用いたシステムの構築・改造・改良を容易にする、 システムの新しい部品化および構築法の確立を目的とする。具体的には、重みつき有限状態トランスデューサ(WFST)の枠組みを遅延評価戦略に基づく 純粋関数型プログラミング手法内に取り込んだ、時系列データ処理のための統計プログラミング言語・処理系を開発する。
磁気交換相互作用の原子分解能計測手法の開発
(融合分野:ナノ計測分野と磁性研究分野)
研究代表者 菅原 康弘(大阪大学 工学研究科 教授)
研究概要 本研究は、物質表面の磁気交換相互作用を原子分解能で測定できる磁気交換力顕微鏡を開発することを目的とする。 具体的には、顕微鏡探針の磁化状態の変調に強磁性共鳴を利用するという独創的なアイディアを導入し、磁気交換相互作用だけを分離して原子分解能で測定できるようにする。 このような革新的な研究手法の出現は、磁性材料の原子スケールの機能発現機構を解明することを容易し、磁性研究の仕方を質的に変える可能性が高い。
組織特異的生理活性物質を指標にした心筋分化細胞選別法
(融合分野:生化学分野と再生医療分野)
研究代表者 竹内 純(東京大学 分子細胞学研究所 准教授)
研究概要 本研究は、特定組織や器官分化形成期における生理活性物質ATP分解酵素群が組織・領域特異的に発現することに着目し、 心臓発生おける特定細胞運命決定機構を明らかにし、分化細胞を構築することを目標とする。 具体的には、未だ不明である心臓構成細胞(心筋、ペースメーカー細胞、心臓幹細胞、刺激伝導系細胞、内皮細胞)の分化決定機構を明らかにしていくことである。 特定の細胞運命にプログラムされるメカニズムを解明し、分化誘導技術を開発することは、多くの組織再生、創生医学に大きく寄与すると考えられる。 その中でも心臓心筋は壊死すると再生困難な細胞集団であり、心機能の低下による2次的な影響を生じ壊死が加速することからも、 心筋再生、心機能回復に向けた研究は重要である。
生物時計移植による時間制御型薬物送達システム
(融合分野:植物分子生理学分野と薬学分野)
研究代表者 寺内 一姫(立命館大学 生命科学部 准教授)
研究概要 本研究は、生物時計を利用することで薬物投与を「必要な時」に行うための 新規な時間制御型ドラッグデリバリーシステム構築の基盤開発を目的とする。具体的には、シアノバクテリアの生物時計遺伝子を導入した乳酸菌を作出し、 乳酸菌内で治療用タンパク質の発現を時間的に制御することで、一定の時間周期で治療用タンパク質をヒト腸内で生産させる薬物投与送達システムの基盤構築を目指す。
全身のin vivo免疫細胞動態、機能可視化プロジェクト
(融合分野:光科学・光学分析分野と蛍光プローブ開発分野と免疫学分野とコンピューターシミュレーション分野)
研究代表者 戸村 道夫(東京大学 大学院医学系研究科 特任助教)
研究概要 新規蛍光タンパク質発現マウスを用い、全身のin vivoレベルで免疫細胞の時間・空間・数量的な制御を可視化して評価するシステムを構築する。 従来の細胞レベルの解析と組み合わせ、免疫応答制御の新たな概念の提唱を目指す。更に、免疫細胞の動態及び機能発現の時間・空間・数量的な制御機構をモデル化及び視覚化し、 最終的に免疫系を緻密に制御された一つの統合された高次機能システムとして理解することを目指す。
人工合成分子の1分子メカノケミストリー
(融合分野:一分子生物物理分野と合成分子機械分野)
研究代表者 野地 博行(東京大学 大学院工学系研究科 教授)
研究概要 本研究は、我々がこれまで開発してきた1分子ナノバイオ技術を、合成分子機械の研究に応用することで、 合成分子機械の化学状態を1分子レベルで力学的に制御する「1分子メカノケミストリー」分野を創出することを目的とする。 具体的には、ダブルデッカーやメタロポルフィリンの1分子計測・1分子操作を実施することで、回転ポテンシャルを実測し、反応速度を力の関数として実測し、 より合理的な分子機械設計に還元させる。
ホストゲスト化学に基づく薬物送達システムの開発
(融合分野:ホストゲスト化学分野と薬物送達システム分野)
研究代表者 林田 修(福岡大学 理学部 教授)
研究概要 狙った細胞に薬物を効率よく送り届ける分子システムを開発することが目的である。 具体的には、可逆的で“弱い共有結合”を利用して5個のシクロファンを連結したホストを合成し、 クラスター効果を反映して薬物(ゲスト)を強く捕捉させる。さらに、細胞内へ送達させ、リソソームの弱酸性環境下においてホストが酸加水分解され単量体に解裂することで、 クラスター効果の解消と伴に薬物が放出される薬物送達システムを構築する。
タンパク質ポリマー化の機構解明とタンパク質超分子の創成
(融合分野:タンパク質科学分野と超分子科学分野)
研究代表者 廣田 俊(奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学研究科 教授)
研究概要 本研究は、タンパク質ポリマー化の機構解明とそれに基づいた新規タンパク質超分子の創成を目的とする。 具体的には、タンパク質としてヘムを有するcyt cを取り上げ、cyt cにおける初期凝集体の構造をX線結晶構造解析やNMRなどにより見積もり、 これまで不明であるcyt cポリマー化の生成機構を解明する。そして、アミノ酸部位特異的置換法などにより、タンパク質多量体の形成制御を行い、新しいタンパク質超分子の創成を目指す。
In vivo神経活動・分子変化検出可能な蛍光顕微内視鏡システムの開発
(融合分野:実験脳科学分野と理論脳科学分野)
研究代表者 船曳 和雄(大阪バイオサイエンス研究所 システムズ生物学部門 研究副部長)
研究概要 本研究は、申請者が開発したin vivoで個々の神経細胞を観察可能な蛍光顕微内視鏡システムのレーザー光源、 光検出部を蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)プローブの蛍光変化の検出に対応させることで、覚醒状態の動物の脳内でおこる神経細胞・神経回路の形態ならびに活動変化、 さらにはFRET信号による分子変化を、細胞レベルの分解能でリアルタイムに捉えることを可能にする研究ツールを開発することを目的とする。
SHG顕微鏡とナノ・マイクロ力学試験を融合した非接触光応力測定
(融合分野:マイクロメカニクス分野と光計測分野)
研究代表者 吉木 啓介(兵庫県立大学 工学研究科 助教)
研究概要 本研究は生体組織中の内部応力を非接触、非侵襲に計測する応力顕微鏡の開発を目的とする。 まず,任意の太さのコラーゲン線維を作成、把持する。次に、微小力学試験器によって応力負荷を与え、 微小変形分布を計測したコラーゲン線維をSHG(第2高調波発生)光顕微鏡で観察することによって応力、歪みとSHG光信号の相関を求め、 SHG顕微画像を応力分布画像に変換する。