充実した領域マネジメントと研究推進サポート

進捗管理

研究計画の進捗状況を把握し、適切なタイミングで必要なマネジメントを行うために、以下のような取組を行っています。研究者の負担も考慮しながら、会議体、書面報告、関係者を絞った対面打ち合わせなどをうまく組み合わせています。

領域会議 [CREST・さきがけ、ACT-X全領域]

  • ネットワーク型研究所としての情報交換を目的に、研究領域全体で研究進捗を確認する領域会議を開催(原則、CRESTでは年1回、さきがけ、ACT-Iでは年2回)。チーム間連携や異分野間を含めた情報交換の場として活用。
  • 領域会議の参加者は、採択課題チームの参加メンバー全員の場合もあれば、研究代表者と主たる共同研究者(CREST)/個人研究者(さきがけ、ACT-I)まで、としている領域もある。
  • 年4回程度開催する領域もあり、会議に合わせて施設見学・基調講演を行う場合もある。
  • さきがけの場合、原則合宿形式としており、夕食後も(夜通し)活発な議論を開催。
  • 分析等を担当している若手研究者によるポスター発表やショートトークを実施。[CREST「植物頑健性」(H27~R4)]
  • 関連するさきがけ領域から研究者の参加を募り、同様に発表してもらうことで、制度を越えた連携を促進。[CREST「植物頑健性」(H27~R4)]
  • 上手くいかない部分・悩んでいることなどについても発表を促し、研究計画や今後の方向性などについて、研究総括や領域アドバイザーから助言。 [さきがけ「ナノエレ」(H25~H30)]
  • 総括、アドバイザー、他の研究者から受けたアドバイス等のうち、研究計画の修正につながるような項目について、研究者自身が記録(多くは毎回3~5項目)し、対応方針とともに総括とアドバイザーへ共有。[さきがけ「フィールド植物制御」(H27~R2)]
  • 発表の場においてアドバイザーにコメントを記載していただき、質疑の時間内で伝えきれなかったコメントやアドバイスを研究者に伝えている。[さきがけ「情報計測」(H27~R2)、「分子技術(H24~H29)」]
  • 参考記事(JSTNew2008-2月号 Close-up

月報・四半期報・半期報

  • 総括やアドバイザー、領域担当と研究者との間で、研究の進め方や生じたトラブル等について、指示をしたり、アドバイスを求めたりする手段として、月報等を依頼
  • 間隔が短いものについては、簡潔な様式あるいはメール形式とすることにより、研究者の負担を軽減。
  • 四半期毎に研究進捗報告書を研究総括に直接提出し、コメントを返答。[さきがけ「ナノエレ」(H25~H30)]

研究概要と目標概要の作成 [さきがけ「フィールド植物制御」(H27~R2)、「情報計測」(H28~R3)、「微小エネ」(H27~R2)]

  • 研究開始2年目頃に研究概要と目標概要を提出してもらい、領域内で共有。「研究概要」は、スライド2枚のポンチ絵、「目標概要」は、1)研究とその後の展開で解決等を図りたい問題、2)研究期間で達成したい目標、3)自身の研究の「売り」/「強み」を記載。

ライフイベント(出産・育児・介護)支援制度 [CREST・さきがけ全領域]

  • キャリアを中断することなく研究を継続できること、一時中断せざるを得ない場合は復帰可能となった時点で研究に復帰でき、その後のキャリア継続が図れることを目的として、研究とライフイベントとの両立支援策を実施。(詳細はこちら

異分野融合の推進

近年は、学際的・学融合的な研究推進が鍵を握る領域も増えています。分野融合促進に向けて、相互理解を深める機会を増やす取組を進めています。

さきがけ新分野開拓セミナー「ICTの展開」 [さきがけ「情報協働栽培」(H27~R2)、「マテリアルズインフォ」(H27~R2)、「情報計測」(H27~R2)

  • 情報学的手法をどのように自身の研究に取り入れ、異分野展開ができるかを研究者自らが考えることを目的に、研究者同士の情報交換や共同研究につなげるセミナーを開催]

数理デザイン道場 [CREST「生命動態」(H23~R1)]

  • 生命体の動的システムを統合的に理解する理論の充実を目的に、生物系の研究者と数理系の研究者とが集まる数理デザイン道場を年2回開催。資料はHP上で一般公開。(詳細はこちら

MathWorks 機械学習セミナー

  • 機械学習やDNNをデータ解析等への活用について、Mathworks社の協力のもと、MATLABの概要説明や技術相談会を開催。
  • さらに、機械学習、深層学習等を活用した研究加速、情報・数理の専門家と共同研究の検討等を対象に研究費の増額支援を実施。

合同領域会議、クラスタ会議等

  • さきがけ「革新的触媒」とさきがけ「マテインフォ」で、合同領域会議を実施。
  • 多様な分野の研究者が領域に参画していることから、全研究者とアドバイザーを分野横断になるよう3つのクラスタに分け、クラスタ毎に研究内容等の理解を深めるための活動を実施。[CREST・さきがけ複合「情報計測」(H28~R5)]
  • 領域内外での分野融合等を目的に、6領域のさきがけ研究者有志による領域横断シンポジウム「ポスト新機能物質開発のための戦略会議」を開催。[さきがけ「微小エネ」(H27~R2)、「超空間制御」(H25~H30)、「元素戦略(H22~H28)」、「ナノエレ」(H25~H30)、「マテインフォ」(H27~R2)]

インセンティブ作り

  • 異分野融合による研究テーマが具体化した時点で、研究費を増額支援。
  • 異分野融合の仕掛け(セミナー等)を行うグループに対して、融合推進費を支援。

社会実装・実用化展開に向けた取組

研究成果をイノベーション創出に結びつけていくために、自らの研究の位置づけを振り返る機会や、企業へのアピールの場、特許化へ向けた支援など、さまざまな取組を行っています。

Science for Society(SciFoS)プログラム

  • 米国NSFが、NSFのファンドを受けた研究課題の成果の企業化を促進するために実施しているプログラム「I-Corps」を参考に、平成25年度より、「Science for Society(SciFoS)プログラム」を実施。
  • 研究者自身が、研究成果を活用するエンドユーザーが誰か、何が研究成果に期待されるか、について仮説を立てたうえで、関連する企業を訪問して仮説を検証。一連のプロセスにより、社会の中の科学という観点から自らの研究を振り返る機会を与えている。(詳細はこちら

研究成果のデモンストレーション [CREST「ナノエレ」(H25~R2)]

  • 採択条件として、実装を期待した実システムによるデモンストレーションを設定。

省庁の政策立案者との意見交換

  • 文科省研究振興局にとどまらず、実用化展開の視点などをも持ち合わせる、高等教育局、生涯学習政策局、総務省等と意見交換の場を設け、幅広い議論の機会を研究者に提供。 [さきがけ「社会情報基盤」(H26~R1)]
  • 次のステップにつなげることを目的に、NEDOプロジェクト分野の担当者に、総括より領域の成果を紹介。 [CREST「超空間」(H25~R2)]

新技術説明会の活用

  • JSTが主催するライセンス・共同研究可能な技術を研究者(=発明者)自らがプレゼンする新技術説明会において、多数の企業関係者の集客・マッチングに成功。

INPIT「知的財産プロデューサー派遣事業」の活用

  • 研究成果を事業化に結びつける知財の専門家を派遣する事業を通じ、知財プロデューサーに研究室へ定期訪問(常駐含む)してもらうことで、知財戦略に活用。

研究会における問いかけ [CREST・さきがけ複合「相界面」(H23~H30)]

  • 月1回、研究会を開催し、「いかに社会からの期待に応えるか」というテーマに対応した研究課題へと軌道修正を進めている。

運営・専任アドバイザー [CREST・さきがけ複合「微小エネ」(H27~R4)]

  • 出口志向をさらに強める段階である後半フェーズに向けて、企業連携や現在の市場動向情報を把握することを目的とするため、大手コンサルティング会社のコンサルタントを領域運営アドバイザーとして追加的に配置。
  • 運営側からも融合加速になる技術シーズを見逃さないように、さきがけ研究者一人一人に専任アドバイザーを導入することで、細やかに課題の進捗把握を実施。

企業等との連携強化

  • 実証試験現場とのコミュニケーションを強化。[CREST「EMS」(H24~R1)]。
  • 企業から試作品・製品、データの提供を募る。[CREST「共生インタラクション」(H29~R6)]
  • 領域会議では、企業見学にとどまることなく、企業との議論の場を設定。[CREST・さきがけ複合「微小エネ」(H27~R4)]
  • 研究者自身がピンポイントで1企業に訪問して企業研究者と議論する場を設けており、2016年度に4件(浜松ホトニクス、NTT等)実施。[CREST・さきがけ「ナノエレ」(H25~H30)

技術成熟度レベル(TRL)による評価 [CREST「次世代デバイス」(H19~H26)、CREST・さきがけ複合「微小エネ」(H27~R4)]

  • 採択時に研究終了時点の技術成熟度レベル(TRL)の目標を設定。研究推進時には今どの立ち位置にあるか、自分の周りは誰かを確認し、他者との共同(競争)を意識づけている。

応用展開フェーズ事業への橋渡し

  • JST研究成果をNEDOと共有するスキームを組んでおり、成果情報を提供。
  • 特に関連の深い事業・プログラムの場合は、個別に総括や研究者と、相手事業の担当者との間で意見交換会を設定。
  • 領域会議では、企業見学にとどまることなく、企業との議論の場を設定。[CREST・さきがけ複合「微小エネ」(H27~R4)]
  • JSTの応用展開フェーズ(未来、産連等)事業と、成果情報を共有し、必要に応じて研究者との面談の場を設定。また、各評価会を担当部署が傍聴し、情報収集を実施。

若手研究者の人材育成

さきがけやCREST、ACT-Iに参画している若手研究者向けに、若手研究者同士や海外研究者との交流の場を設定したり、表彰制度を設けたりしています。

さきがけ研究者交流会 [さきがけ全領域]

  • 全さきがけ研究者間の広い異分野ネットワーク形成の機会をつくる場として、「さきがけ研究者交流会」を開催。学会等では出会わない分野の研究者との異分野交流を通じて、新たな共同研究のパートナーを見つける場として活用。
  • 参考記事(JSTNew2012-10月号 特集2

若手研究者合宿 [CREST「ビッグデータ応用」(H25~R2)]

  • 交流と意見交換を目的にCRESTチーム内の若手研究者を集めて合宿を開催。総括やアドバイザーと若手が直接ディスカッションすることで若手研究者への良い刺激を与える。

ライジング・スター賞 [CREST「分子技術」(H24~R1)]

  • 「分野全体の発展及び10年、20年後の分子技術を担う若手人材育成」を目指し、ライジング・スター賞という表彰制度を導入。領域の若手研究者と他の若手研究者間の協働研究による分子技術の新しいシーズの発見や開発のアイディアに対して、研究費を追加支援。(詳細はこちら)。

AIPチャレンジプログラム [CREST「ビッグデータ応用」(H25~R2)、「知的情報処理」(H26~R3)、「人工知能」(H28~R5)]

  • 大学院生を含む若手研究者の独創的なアイディアを支援することを目的として、受賞者を対象に研究費を追加支援。平成28年度は29名からの提案があり、5名がラボ長賞を受賞。(詳細はこちら)。

海外武者修行 [さきがけ「社会情報基盤」(H26~R1)、CREST「人工知能」(H28~R5)]

  • シリコンバレー、台湾等への海外ショートビジットを実施し、海外の投資家や企業家との対話・議論を通し、世界レベルの開発現場を体感することで、各研究者の活躍を加速。
  • 2~3名で海外一流研究者の研究室を訪問し、自らの研究についてプレゼン・議論を行う。事後には、訪問先の研究者から総括宛てに、評価をフィードバック。 [さきがけ「超空間制御」(H25~H30)]

国際ワークショップ [さきがけ「情報協働栽培」(H27~R2)、CREST「植物頑健性」(H27~R4)]

  • 海外の最新技術の導入・研究動向の把握を目指した国際ワークショップを開催。テーマごとに領域の若手研究者等にセッション企画・運営や、講演者の招へいを任せて国際経験を積ませている。

サイエンティスト・クエスト [さきがけ「恒常性」(H24~H29)、「社会情報基盤」(H26~R1)]

  • 社会の中での研究の意義や役割を考えることを目的に、日本科学未来館来訪者に対して、研究内容や成果について分かりやすく説明する「サイエンティスト・クエスト」を実施。平成28年度は11名の研究者が参加。

担当アドバイザー制 [さきがけ「数学協働」(H26~R1)、ACT-I「情報と未来」(H28~R3)]

  • 個々の研究内容に対して的確に助言・指導が行えるよう、研究者それぞれに主として指導を行う領域アドバイザーを研究総括が指定。

未解決問題ワークショップ [CREST「数理モデリング」(H26~R3)、さきがけ「数学協働」(H26~R1)]

  • CREST若手、さきがけ研究者を中心に、数理的に未解決な問題を予め提案し、その解決の為に総括、アドバイザーを含めて問題毎のチームに分かれて合宿制で集中議論する。

国際連携

海外の研究機関や研究者等のポテンシャルを活用して、研究を加速・推進すること、また、研究成果を広く世界に発信することを目的に、さまざまな国際連携を促進する取組を行っています。

国際アドバイザー [CREST「ビッグデータ基盤」(H25~R2)、「ビッグデータ応用」(H25~R2)]

  • 選考、評価に国際的な視点を取り入れるため、海外機関の外国人アドバイザーを選任。

海外の既存プログラムとの協調

  • ドイツDFGが実施するエクサスケール向けソフトウェア研究開発プロジェクト「SPPEXA」の公募(平成26年11月)にANRとJST・CREST「ポストペタ」領域が参加。日本側はCREST「ポストペタ」領域の研究代表者が応募の対象となり、採択された研究チームに追加的に研究費を支援。
  • 米国NSFの国際プログラム(PIRE)を通じて、CREST・さきがけ研究の米国との連携を支援。
  • フランスANRとCREST「共生インタラクション」「量子技術」が連携公募を行い、共同提案を募集。選考は各FAが各々行い、双方で評価の高かった提案を採択として、相互に研究を支援。(平成30年度実施予定)
  • 欧州委員会HORIZON2020などとプログラム間の協力について協議中。
  • ドイツシュツットガルト大学との共同研究や共同WSなどを開催。[CREST・さきがけ「ナノエレ」(H25~R2)

JST国際科学技術共同研究推進事業(SICORP)との連携

  • SICORPは、二国間で募集・選考を共同して行い、両国の研究者からの共同提案を採択し、共同研究を促進するプログラム。研究費はそれぞれ自国の研究者へ支援する枠組みで、20ヵ国以上と実施中。(詳細はこちら
  • SICORPにおけるフランスとの共同公募(分子技術分野)に際し、山本研究総括(CREST)がSICORPのPOに、加藤研究総括(さきがけ)が副POに就任。3回(平成26年~28年)の公募により合計12件が採択となり、うち4件はCREST代表者あるいはさきがけ研究者であった。
  • SICORPにおける米国との共同公募(ビッグデータと災害分野)に際し、喜連川研究総括および柴山悦哉副研究総括がSICORPのPOに就任。平成28年度はNSFとの共同ワークショップを開催。CREST・さきがけ研究者と関与する課題の採択は無し。
  • SICORPと一体的な運用とすることで、CREST、さきがけの研究が国際的な交流によってさらに加速されていくことが期待。

海外機関との共同WS開催 [さきがけ「細胞構成」(H23~H29)]

  • ハーバードメディカルスクール、ジョンズホプキンス大と共同WSを開催。

アウトリーチ

さきがけ数学塾 [CREST・さきがけ「数学」(H19~H27)]

  • 数学と諸分野の協働の実例として、「応用数学と物理学の協働」「変分法入門」「生物現象を解明する数学の基礎」などを学生・若手研究者を対象に紹介。

さきがけ数学キャラバン [CREST「数理モデリング」(H26~R3)、さきがけ「数学協働」(H26~R1)]

  • 高校生を対象として、数学と社会のつながり、数学の楽しさを伝えるためにCREST若手やさきがけ研究者が講演。Hybrid「数学」領域で2011年から始まり、H29年度、までで25回開催。

ニュースレターの発行 [CREST「生命動態」(H24~R1)、CREST・さきがけ複合「ナノエレ」(H25~R2)、「微小エネ」(H27~R4)]

  • 研究総括のメッセージ、領域会議の開催報告、研究成果、各研究室の紹介、領域アドバイザーによるエッセー等を掲載したニュースレター等を発行し、一部領域はHP上で公開。

教科書作り

  • 学理としての見える成果としてのアピール、領域のプレゼンス向上、分野の確立などに期待。

学会等の既存イベントを活用した特別企画

  • 学会の年会等、関連分野の研究者が集まるイベントを利用し、コラボイベントを開催。

論文誌等における特集記事 [CREST「元素戦略」(H22~H29)]、CREST・さきがけ複合「微小エネ」(H27~R4)、[さきがけ「元素戦略」(H22~H28)]

Newton
  • 関連する論文誌や雑誌社において、特集記事や特集号を企画。(例:科学雑誌『Newton』のTopics、国際誌STAMでの特集号)

その他

ツール活用による効率化

  • ビジネス向けチャット「Slack(スラック)」: 面接選考会、中間・事後評価会などで活用。研究者の発表を中断せず、アドバイザー・事務局間でコメントを交わすことが可能。記録として残り、議論の密度が向上。
  • researchmapのコミュニティ機能: 領域関係者内に閉じて、掲示板による情報交換やファイル共有が可能。メーリングリスト代わりとしても活用。

技術ワークショップ [CREST「植物頑健性」(H27~R4)]

  • 領域の複数課題に共通する技術に関し、各課題のより詳細な情報交換、連携促進を目指し、個別技術ごとにワークショップを実施。その分野で優れた業績を上げている外部専門家による講演等を行うことにより、技術レベルの底上げを図る。

領域担当による技術相談対応 [CREST・さきがけ複合「微小エネ」(H27~R4)]

  • 領域担当の専門性・経験を領域内にも周知し、予算、契約面だけでなく、研究面でも具体的に相談・議論する。

プログラム

  • CREST
  • さきがけ
  • ERATO
  • ACT-X
  • ALCA
  • CRONOS
  • AIPネットワークラボ
  • 終了事業アーカイブズ
  • ご意見・ご要望