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- [情報計測] 平成30年度採択課題
※ 所属・役職は、活動終了時点のものです。
東京大学
大学院工学系研究科
特任准教授
従来の経験に頼った手動補正では実現できない高精度かつ高速なオンラインの自動収差補正法の開発を行います。従来のRonchigramではなく結晶の原子分解能像を用いることに主眼を置き、収差の種類に依存しない原子像を評価する最適な記述子の探索と自動化が中心的な課題となります。また、深さセクショニングにより得られたデータから原子レベルでの3次元情報を抽出するためのベイズ推定や多変量解析を用いた画像解析も行います。
理化学研究所
放射光科学研究センター
専任研究員
データ駆動型補正を取り入れた放射光全散乱計測をよりどころとして、情報理論により0.1 Å分解能で100 Å超をカバーする原子二体分布関数を導く不均質現象可視化システムを開発します。それを水素吸蔵ナノ材料に応用し、水素の分布を個々の粒子の統計平均として明らかにすることで、イメージングで得られる「個々の像」と回折で得られる「全体像」との間にある観測のギャップを埋めることを目指します。
京都大学
大学院工学研究科
准教授
心臓の運動により生じる血液の弾性波である脈波の伝搬をリアルタイム映像として非接触計測するために、電波による人体の皮膚表面の変位計測を高分解能化します。人体の呼吸・心拍などの生体信号を数理モデルで表現したブラインド信号分離により人体複数部位の信号を分離し、アダプティブアレイとの統合により全身の血管に沿った脈波伝搬を超高分解能でイメージングする技術を開発することを目的とします。
京都大学
大学院工学研究科
助教
共役高分子のようなソフトマター材料の吸収・発光スペクトルはブロードなため、観測波長範囲内に複数のスペクトルがオーバーラップしてしまい解析が困難になります。本研究ではスパースモデリングと遺伝的アルゴリズム、ベイズ推定を融合した新奇スペクトル分離手法を確立し、複雑にオーバーラップした超短パルス分光のデータ解析を可能にします。
九州工業大学
大学院情報工学研究院
准教授
異なる時空間解像度で計測された高速共焦点顕微鏡カルシウムイオンイメージングデータを機械学習に基づき統合することで、撮像の時間解像度と空間解像度の限界を超えて緻密な動態を推定する「動態モーフィング手法」を確立します。それにより、生物の神経間結合様式によるカルシウムイオンシグナル伝達特性の違いを明らかにし、生物はなぜ2種類の神経間結合を使うのかという、神経科学と知能情報科学の問題に挑みます。
海洋研究開発機構
付加価値情報創生部門
研究員
魚群探知機は海面下の魚の存在を探知するために漁業・養殖業・海洋調査などで広く使われていますが、魚群の全体像や個々の魚の特徴を捉えることは得意ではありません。本研究では、養殖生簀中の魚の成長や動きをシミュレートし、生簀に設置した魚群探知機のエコー画像と比較することで、生簀中の魚の体重分布・個体数計測の高精度化を目指し、魚群探知機から魚群の詳細な状態を知る技術の開発に挑みます。
東北大学
大学院工学研究科
准教授
軸索輸送は神経細胞の物流システムです。宅急便役の分子モーターがシナプスの材料などを運びます。軸索輸送障害はアルツハイマー病などの神経疾患と関連するため、輸送メカニズム解明は高齢化社会にとって重要な課題です。本研究では電流や熱伝導などの輸送現象を対象とする非平衡統計力学を軸索輸送に応用します。顕微鏡動画の解析から分子モーターの力、速度、分子数などの物理量を推定し、輸送メカニズム解明に役立てます。
東京大学
大学院理学系研究科
助教
functional Raman(fRaman)分光法では測定の高速化のために測定におけるスペクトル次元数の削減を行いますが、空間位相変調器を用いて入射光のパルス形状を任意に整形することで、生命科学的に有意なスペクトル次元の直接計測を実現します。それにより、細胞のがん・非がんといった生命科学・医学的に重要な情報の高速測定を実現します。培養がん細胞を用いてfRamanイメージング、フローサイトメトリー測定を実施し、原理実証を行います。
大阪大学
大学院生命機能研究科
助教
細胞内では生体分子の自己組織化現象によって生成した多様な時空間パターンが機能発現に利用されています。このメカニズムの解明は無生物と生物の境界の理解につながるため基礎生物学の重要な一課題となっています。本研究では、細胞運動を支配するイノシトールリン脂質の進行波について、データ同化を利用した1分子粒度シミュレーションによって再現することを通して、生物が内包する自己組織化原理の解明を目指します。
早稲田大学
理工学術院
准教授
感圧塗料(PSP)計測法は高空間分解能に物体表面の圧力分布を計測でき、複雑な流動場を詳細に把握することが可能なため大きな注目を集めています。しかし現在のPSPは圧力分解能が低く航空工学分野に適用範囲が限定されています。自動車や鉄道車両などの空力設計に活用できる高圧力分解能での圧力分布計測手法を、構造化光を用いたPSP計測法と圧縮センシングを融合することで確立し、空力抵抗や空力騒音の低減技術の進展に貢献します。
名古屋大学
大学院理学研究科
准教授
アナログ写真技術である「原子核乾板」とそれを高速に読み取るデジタル顕微鏡解析技術を組み合わせた世界最先端の素粒子計測技術と高度情報処理の融合により巨大な物体の内部を3次元的に可視化する革新的な宇宙線ミューオントモグラフィ技術を実現します。