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領域について

領域の趣旨

 本領域では、人間の知力と行動力を最大限に発揮させる人工生命体と呼ぶべきシステムを構築しようとするもので、人間と機械が相互作用としての物理的関係と情報交換によって、さらに賢くなる人工の空間形成に関する研究を対象としています。

 例えば、情報の感知と命令の集積・融合化、スマートアクチュエータ、インタフェースなど構成要素のほか、知能ロボット、学習機能、微小機械、人工現実感、メカトロニクス、新システムの設計や構築に向けての研究などを含みます。


研究総括
総括の写真
氏 名: 原 島 文 雄
勤務先: 東京電機大学 学長
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論文発表 受賞歴

領域総括からのメッセージ
(2000年10月1日)
 この数十年の間、科学技術が果たした役割は目覚しいものがあります。半導体・コンピュータ・通信・メカトロニクス技術などの発展は、肉体的苦痛を伴う労働から人類を解放しました。さらに、人類の夢であるテレパシーに相当するインターネットを世界的規模で構築し、時間と空間を超越することすら可能になりました。また、宇宙・航空技術の目覚しい発展が、人類の文化に与えた影響も大きいものがあります。

 しかしながら、科学技術はマイナスの遺産を我々に残しています。科学技術は資源浪費形の経済発展を加速し、その結果として、深刻な環境問題をひきおこしてしまいました。地球環境問題の解決は、今後、科学技術が全力をあげて取り組み、人類の生存を確信するまで続く長い戦いとなるでしょう。

 さて、21世紀のある時期、人類が生存を確信したとき、我々は、どのような生活をするのでしょうか。おそらくエネルギー、食料などの基本的資源は、贅沢をするほどではないにしても、十分あるでしょう。さらにそのときには、人類は過去において肉体的苦痛を伴う労働から解放されてきたように、精神的苦痛を伴う労働からも解放されるでしょう。そして人類は「知的生活」を楽しむ時代を迎えるでしょう。科学技術は、人間の知性を活性化する環境をつくるための最大の貢献をするものと思われます。我々科学技術者はその準備をはじめるべきです。

 本領域「相互作用と賢さ」は、このような時代にむけての鍵となる科学技術の開発を行うものです。すなわち、人間の知力と行動力を最大限に発揮させる人工生命体と呼ぶべきシステムを構築しようとするもので、人間と機械が相互作用としての物理的関係と情報交換によって、さらに賢くなる人工の空間形成に関する研究を対象としています。

 特に若い研究者は、来世紀半ばまで確実に生きておられるので、この点を十分留意して研究を始めてほしいと願っています。今後とも、21世紀の半ばまで視野に入れた斬新な研究の提案を歓迎いたします。