独立行政法人 科学技術振興機構
line01
日本語ページ 英語ページ
 
トップページ
トピックス
領域紹介
研究総括紹介
領域アドバイザー紹介
研究課題一覧
研究者紹介
研究成果
お問い合わせ
領域ニュース
研究事務所
光の創成操作と展開
研究者紹介

phase12006.10〜2010.3 2007.10〜2011.3 
芦田 昌明 石川 顕一 井戸 哲也 大村 英樹 尾松 孝茂
桂川 眞幸 久保 敦  熊倉 光孝 長谷 宗明 菱川 明栄
 
  URL: (和)http://www.pc.uec.ac.jp/sp/katsura/
(英)和文内より選択しリンク
 個人プロフィール

【 学歴 】

1993 年東京大学大学院理学研究科物理学専攻博士課程修了 、 博士( 理学 )

【 研究歴 】

1993 年− 1999 年電気通信大学 電気通信学部 電子物性工学科助手。
量子干渉効果を組み込んだ非線形光学過程、及び、量子固体(固体水素)を非線形媒質とする光学過程について研究 。
1999年−2007年現在 電気通信大学電気通信学部量子物質工学科准教授。最大コヒーレンスの誘起方法とその極限光技術への応用について研究。

−主たる研究内容−
非線形光学、レーザー分光学、量子光学
−趣味−
サッカー観戦、美術館・博物館めぐり
 研究内容紹介

 量子干渉をkeyとする共鳴三準位系の光学過程は、電磁誘起透明化(EIT)に始まり、超低速光伝搬や単一光子レベルでの量子コヒーレンス操作など、多くの魅力的な現象を生み出しました。他方、同等の三準位系を遠共鳴に拡張すると、広帯域サイドバンド光の同軸発生や超短パルス光の生成など、光源としての様々な応用が開けてきます。

 このプロジェクトは、遠共鳴三準位系を用いて、完全にコヒーレントに振動/回転する高密度(〜1020cm-3)の分子集団を生成し、それを超高周波(数GHz〜数百 THz)の光変調器として用いることで、実用レベルの超高繰り返し超短パルス光列を発生させることを目的としています。我々はこの原理に基づいて、これまでに10 THz繰り返し、パルス幅12 fs、ピーク強度> 2 MWの超短パルス光列の発生を確立しています。このプロジェクトでは、これをさらに発展させ、“キャリアエンベロープオフセット及びキャリアエンベロープフェーズが固定された10 THz繰り返しモノサイクル光”を発生させることを目指します。高密度コヒーレントフォノンの断熱生成、Rydberg励起状態の空間的量子局在、高効率単色テラヘルツ波発生など、光パルスの高精度高繰り返し性という軸での研究領域が切り開かれることを展望しています。

 図1は、上記の原理に基づき、パラ水素を媒質として発生させた高次のラマンサイドバンド光系列のスペクトルです。赤外から真空紫外近傍の超広帯域にわたるサイドバンド光系列が、効率よく、かつ、位相整合条件に制約されず全て同軸に発生しているのが見て取れます。(a)はパラ水素の純振動遷移(125 THz)を励起した場合、(b)は純回転遷移(10 THz)を励起した場合、(c)は振動(125 THz)と回転(10 THz)の両方を同時励起した場合です。

桂川研究画像1
図1

 

図2は、図1(b)のラマンサイドバンド光系列を対象に、その群速度分散を補正し、再びフーリエ合成することで得た、10THz繰り返し超短パルス光列の自己相関波形です。この測定データは平均化をおこなっていません。細実線は自己相関波形から導かれる時間波形(パルス幅12 fs)、挿入図は得られた超短パルス光のビームパターンを示しています。この手法で、極めて質の高い超高繰返し超短パルスレーザー光列を実現できることがわかります。

桂川研究画像2
図2
 

 

▲UP

Copyright© 2004−2008 JST 独立行政法人 科学技術振興機構 All Rights Reserved