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1963年富山県生まれ.93年慶應義塾大学大学院理工学研究科計算機科学専攻修了.博士(工学).1993年〜2000年 旧通商産業省工業技術院電子技術総合研究所勤務.2000年より東京大学大学院総合文化研究科広域システム科学系助教授.現在に至る.乳幼児の「心」と脳の発達に関心があり発達認知神経科学的研究を行っている.趣味・特技は子どもと一緒にお散歩.(仮想)ドラム.
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小さな子どもは電子玩具やテレビ上での出来事をどう捉えているのでしょうか?本研究では人工物あるいはメディアが、子どもの発達過程に及ぼす影響を認知科学的観点から明らかにします。具体的には、TV・コンピュータゲーム・ペット型ロボットの3つを題材とし、感覚統合・素朴物理学・心の理論の初期形成に着目した乳幼児行動実験を行います。
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小さな子どもはTV映像やビデオ映像,TVゲーム,デジタル玩具といった人工物・メディアをどう捉えているのであろうか? こうしたハイテク情報機器は「心」の発達や「自己」の成長にどのような影響をおよぼすのであろうか? これらの問いに対して,本研究では,発達途上にある乳幼児を主な研究対象とし,最新のパラダイムを用いた認知科学的実験を行うことによってアプローチした.具体的には,(1)TV映像の認知,(2)自己映像の認知,(3)ロボットの認知,の3つのサブテーマを設定し,これらの研究項目を並行的に実施した.一連の実験研究の結果,(1)に関しては,6ヶ月児は現実世界と対応付けてTV映像を認知しているものの,現実世界における事象とTVにおける映像を区別してみておらず,生後10ヶ月になってTV映像を「いま,そこ」的ではないものとして捉え始めていることが示唆された.2)に関しては,自己認識の発達的変遷において,視覚と自己受容感覚の時間的随伴関係の検出が重要な役割を果たしていること,身体図式に関する視覚的情報(身体イメージ)と自己受容感覚の「同時性の時間窓」が発達に伴って変化する可能性があることなどが明らかになった.(3)に関しては10ヶ月児で,「インタラクティブ性」が,大きくロボット認知に影響することなどが明らかになった.これらの知見は認知科学的に興味深いだけでなく,一般家庭に浸透しているハイテク製品・情報メディア機器の設計指針にも大きな示唆を与えるものである.
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