*** 本研究領域は終了いたしました ***
「形とはたらき」領域統括  丸山 工作

 この領域の目的は、無生物、生物の各階層で見られる多様な「形」の実態とその意義、そうした形のできかた、形どうしの相互作用、その集まりとしての系の形成、そしてそれらの環境への適応といった「はたらき」の追究にあります。たとえば「形」を利用した分子認識、分子集合体の構築、それら集合体による高次構造の形成、できあがった高次構造の機能、高次構造の究極的な「形」である生命、動植物でみられる寄生、共生、擬態などによる系の形成、それらの環境への適応に関する研究などを含みます。この領域のめざすところは、努力に正比例して結果が得られる研究よりも、これまであまり陽の目を見ずに個人的に暖められていた萌芽的研究を拾い上げ、これらの中から新しいコンセプトの提案につながる「おもしろい」研究を発掘し、育成していくことです。
1期生10名の研究が終了した今、「形とはたらき」の目指すものが少しずつ見えてきました。無機、有機の分子構築物から生物そのものにいたるまで、新しい視点からその「形とはたらき」が解き明かされるにつれ、驚くほど多様性に満ちた世界が現れます。こうした異分野の研究の衝突と交流が新しい科学の創成に結実していくことを予感させます。とはいえ、私たちを待っているのはまだまだ未知の大きな世界です。これからのいっそうの「おもしろい」研究が形とはたらきのダイナミズムを解き明かしてくれるとともに、その研究成果を身近なものにしてくれることを期待します。
1930年東京に生まれる。
53年東京大学理学部卒。
東京大学教養学部助手、理学部助手、教養学部助教授、京都大学教授をへて、77年千葉大学理学部教授。94年〜98年千葉大学長。99年より大学入試センター所長。2001年より独立行政法人大学入試センター理事長。千葉大学名誉教授。
Japan Science and Technology Corporation お問合せはこちらまで