光触媒を用いた太陽光エネルギーの化学変換効率を上げるため、バンド構造制御による新規材料開発、表面ナノ構造制御による活性向上、および水分解素過程の制御因子に関する研究を行った。その結果、可視光に応答可能な光触媒材料を新たに十数種開発し、最大600nm以上の可視光照射下において水溶液から水素を発生することに成功した。また、溶液法合成による微粒子化、及びナノスケールでの金属酸化物の複合化により、キャリアの移動及び電荷の空間的な分離を促進し、従来に無いタイプの水分解光触媒材料を見いだした。さらに、光触媒活性に影響を及ぼす諸因子について理論と実験の両面から研究し、より高効率材料の実現に重要な設計指針を与えた。
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