ゲルの可逆的架橋点として分子複合体を利用することによって、特定の分子を認識して膨潤収縮する分子刺激応答性ゲルの合成を試みた。その結果、分子複合体の利用方法によって二種類のタイプの分子刺激応答性ゲル(生体分子架橋ゲル、分子インプリントゲル)を合成することができた。生体分子架橋ゲルとしてはグルコース応答性ゲルと抗原応答性ゲルの合成に、分子インプリントゲルとしては内分泌攪乱化学物質応答性ゲルと肝癌マーカー応答性ゲル、DNA応答性ゲルの合成に成功した。また、このような分子刺激応答性ゲルの体積変化を蛍光強度変化として情報変換できるゲルシステムも提案した。これらのゲルはいずれも従来にない新規なソフトマテリアルであり、環境・エネルギー・医療分野への利用が期待できる。
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