研究総括 関谷　剛男 細胞の機能は複雑な遺伝子情報で作り出されていますが、細菌からヒトまでのゲノムの解読が完了に向かうことにより、これらの内的情報を整理整頓する基盤が着実に整備されつつあります。 細胞はこのような正規の遺伝子情報に基づく機能を果たす一方で、これらとは別の様々な外的情報の影響を受け、その悪影響はがん、痴呆、糖尿病、高血圧など高齢者の主要疾患、エイズを代表とする感染症、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患など様々な疾患をもたらし我々を悩ませています。正規の遺伝子情報によって細胞が正しく機能 を発揮する仕組みの解明、ならびに、これら正規の遺伝子情報を邪魔する外的情報による細胞機能の変化の解明を分子レベル、細胞レベル、個体レベルでの研究で行い、その結果を手がかりに、生命の設計原理を知るとともに各種疾病の理解と克研服を目指します。 研究に当たっては、現状を打破し将来の発展を期待させる独自の構想、斬新なアプローチ、原理の異なる手法で取り組んでいただき、明るい未来を開く独創的な発想によるまさに「さきがけ」となる成果をあげていただきたいと思います。