戦略的創造研究推進事業 さきがけタイプ「生体分子の形と機能」領域(研究総括:郷信広)の 小澤岳昌研究者(東京大学大学院理学系研究科、4月1日から自然科学研究機構)は文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞し、 虎ノ門パストラルで4月20日に授賞式が行われた。 同賞は、文部科学省選考委員会において審査・決定され、萌芽的な研究,独創的視点に立った研究等,高度な研究開発能力を示す顕著な研究業績を挙げた若手研究者個人に授与されるものである。 生命科学研究の発展は,新しい分析方法の創案と解析技術の確立に大きく依存している。生細胞・個体内でタンパク質がいつ・どこで・どの程度機能発現しているかを解析する新しい研究手法・技術の開発が強く望まれている。小澤研究者は、特定のアミノ酸残基で二分して失活させたタンパク質を,ペプチドの再連結反応(プロテインスプライシング)により,生きた細胞内で機能を回復させる新しい現象を発見した。この現象を利用して,生きた細胞内でのタンパク質が互いにくっつく様子(相互作用)や、タンパク質のリン酸化を検出する光プローブ分子の開発に成功した。さらに、細胞内ミトコンドリアや小胞体に局在するタンパク質を同定する光プローブ分子,生きたマウス個体内でのタンパク質核内移行を低侵襲的に検出する光プローブ等の開発に成功した。 小澤研究者は、現在「さきがけ研究」において、遺伝子発現とタンパク質のオルガネラ移行を非侵襲的に時空間解析する新たな研究法の確立を進めており、今後の更なる展開が期待される。
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