さきがけニュース
「生体分子の形と機能」領域
バクテリア細胞運動の新しい分子メカニズムを解明 宮田真人研究者運動性バクテリア、マイコプラズマの滑走運動がATPをエネルギー源とすることを解明し、その成果が米国科学誌「Proceedings of the National Academy of Science of the United States of America」に掲載される | |||||||||||||||||||||||||
戦略的創造研究推進事業「生体分子の形と機能」研究領域(研究総括:郷 信広)における研究テーマの一環として、宮田真人研究者(平成15年度採択)らは、運動性のバクテリアの一種であるマイコプラズマの細胞から作製した"ゴースト"にATP(アデノシン三リン酸)を加えることでマイコプラズマの運動を再現し、バクテリアであるマイコプラズマの運動がATPのエネルギーによることを世界で初めて証明しました。この成果は、米国学術誌「Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America」(9月6日付)に論文として掲載され、また関連する図が同号の表紙に採用されました。 多くの運動性バクテリアで見られる"べん毛運動"では、細胞外部から内部へのイオンの流れによりべん毛モーターを回転させます。ところが、運動性のバクテリアの中には、イオンの流れではなく、真核生物と同じようにATPをエネルギー源として動くものの存在が示唆されていたものの、これまでにそれが証明されたことはありませんでした。 この研究結果により、バクテリアの運動にATPをエネルギー源とするものがあることが世界で初めて証明されました。マイコプラズマの滑走運動はマイコプラズマ感染に深く関連するため、マイコプラズマ性肺炎などのマイコプラズマ性疾患の治療薬の開発にも大きく貢献できるものと考えられます。 |
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