戦略的創造研究推進事業「生体分子の形と機能」研究領域(研究総括:郷 信広)の芳坂貴弘研究者が,平成15年(第10回)の東京テクノ・フォーラム21 ゴールドメダル(受賞題目「遺伝暗号を拡張した人工タンパク質合成システムの開発と応用」)を受賞しました.
この賞は,科学の進歩発展に向けて,創造的,革新的な研究実績を示しつつある新進気鋭の若手研究者に贈られています.
今回の受賞は,遺伝暗号の拡張による非天然アミノ酸のタンパク質への導入に関する研究業績に対して贈られました.通常,生物はDNAの遺伝暗号を3塩基ずつの「コドン」に区切ってアミノ酸へ翻訳していますが,同氏はこれを4塩基に拡張することで,新たに非天然アミノ酸をタンパク質の特定部位へ導入することに成功しました.さらにこの手法を用いて,タンパク質機能の光制御などこれまで不可能であったタンパク質の高度な人工機能化にも成功しています.同氏は現在,この手法を用いて蛍光標識アミノ酸をタンパク質へ導入することで,タンパク質の新たな構造機能解析法の開発を行っており,今後のさらなる発展が期待されます.
なお,受賞の紹介記事が読売新聞(2003年4月19日朝刊)に掲載されています.
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