人道的対人地雷探知・除去技術研究開発推進事業 科学技術振興機構

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Lastupdate:2008年4月21日

事業の概要

 独立行政法人科学技術振興機構(JST) 人道的対人地雷探知・除去技術研究開発推進事業では、世界の数多くの国に埋設された地雷がその国の復興・開発上の大きな障害となっていることに鑑み、かつ我が国の貢献が国際的に強く期待されている状況から、日本の先端的な科学技術を駆使して人道的観点からの対人地雷の探知・除去活動を支援するための研究開発を進め、地雷被埋設国等における実証試験に技術を提供することを目指しています。

 本事業は、文部科学省『対人地雷の探知・除去技術に関する研究開発に関する研究会』の報告書 「対人地雷の探知・除去技術に関する研究開発の進め方について」、及びこれを受けて文部科学省より示された目標 に沿って取り組むものです。大学、独立行政法人研究機関、民間企業等からの研究提案を受け、平成14年10月より戦略的創造研究推進事業の一環として研究開発を開始しました(平成16年度より人道的対人地雷探知・除去技術研究開発推進事業として独立しました)。

 ここでは、センシング技術、アクセス・制御技術についての研究開発を対象としています。具体的には、平成17年度を目途とした研究開発(短期的研究開発課題)として、地雷と土壌の物性値の相対的な違いに着目し、対人地雷を安全、かつ効率的に探知可能なセンシング技術や、地雷原に安全かつ効率的にセンサ、マニピュレータ等を持ち込むための遠隔操作可能なアクセス機材や、それに装着するマニピュレータおよびその制御技術が含まれます。また、平成19年度を目途とした研究開発(中期的研究開発課題)として、地雷に含まれる爆薬自体の性質にも着目し、対人地雷をより一層安全かつ効率的に探知可能な技術が含まれます。
研究開発スキーム

目標

1.目標

 人道的観点からの対人地雷の探知・除去活動を支援するセンシング技術、アクセス・制御技術の研究開発

2.具体的な達成目標

 3〜5年後において、地雷被埋設国等の地雷処理の現場において技術実証試験を行うことが可能な対人地雷の探知・除去技術(技術実証機レベル)を開発し、地雷被埋設国等の地雷処理機関(政府機関、国際機関、NGO等)に提供することを達成目標とする。具体的には、地雷処理の現場で必要とされている公共目的の技術(公共技術)として次のものを開発していくこととする。

●3年後を目途に、以下の技術を開発する。

  1. 地雷と土壌の物性値の相対的な違いに着目し、地雷探知過程(いわゆるレベル2)又は地雷除去確認過程(いわゆるレベル3)のサーベイにおいて対人地雷を確実に探知可能なセンシング技術の開発
  2. 比較的平坦な地雷原に安全かつ効率的にセンサ、マニピュレータ等を持ち込むための遠隔操作可能なアクセス機材の開発
  3. 上記アクセス機材に装着するマニピュレータ及びその制御技術の開発

●5年後を目途に、以下の技術を開発する。

  1. 地雷(火薬)自体の物性値に着目し、地雷探知過程(いわゆるレベル2)又は地雷除去確認過程(いわゆるレベル3)のサーベイにおいて対人地雷を確実、簡易かつ迅速に探知可能なセンシング技術の開発
  2. 多様な地形の地雷原に安全かつ効率的にセンサ、マニピュレータ等を持ち込むための高度なアクセス・制御技術の開発
  3. 地雷の確認や除去の作業に利用可能なバイラテラル制御等の高度なマニピュレータ技術の開発

 以上に平行して、技術のあり方、技術の及ぼす社会的影響等に関する社会科学的観点からの研究を行い、技術の実施に当たって必要な知見を得る。

3.目標設定の背景及び社会経済上の要請

 人道的観点から対人地雷の探知除去活動を支援する技術については、以下のとおり、国際的、政策的な見地から強い要請が存在する。アフガニスタンをはじめとして、現在、世界には1億1千万個の地雷が存在している。その除去には、今のペースでは数百年或いはそれ以上を要すると言われており、地雷の探知除去をペースを早めることが、地雷被埋設国の復興上不可欠な課題となっている。
 この世界的な課題の解決のため、科学技術の果たす役割に対する期待が地雷被埋設国において高まっている。例えば、平成14年3月にタイで開催された「東南アジア地雷対策技術協力ワークショップ」においても、地雷処理に携わる国際機関、NGO等から、技術開発への取組みの重要性が指摘されているところである。
 こうした観点から、我が国政府においては、平成14年1月のアフガニスタン復興支援東京会議において研究開発を通じた貢献を表明するなど、我が国産学官の有する優れた科学技術力を最大限に活かし、「顔の見える援助」を実現することとしている。
具体的には、内閣官房において「アフガニスタン支援(地雷除去分野)に関する関係省庁会合」が主催され、政府一体となった取組みが実施されている。また、文部科学省においては「対人地雷の探知除去技術に関する研究会」を中心として、本分野において科学技術を通じた顔の見える国際貢献を行うための検討が着実に進められてきたところである。
 なお、国家的社会的課題への対応の重視、自然科学のみならず社会科学的観点からの取組みといった点は、社会技術研究のもつ基本的特徴に合致することから、本分野の研究開発については、社会技術研究の中に、公共的目的に資する技術即ち公共技術の開発という分野を明確に位置付け、安全保障に関する技術の具体的な研究開発領域として取り組んでいくことが適当である。

4.目標設定の科学的裏付け

 2.で掲げた技術は、文部科学省「対人地雷の探知除去技術に関する研究会」において、我が国の産学官の有識者からのヒアリング等を通じて抽出した技術開発課題であり、基本的に我が国の科学技術力が優れた分野に関する技術開発課題を示している。
センシング技術については、従来の民生用(地下埋設管の探索用途等)の地中レーダ技術等について高い技術を有するとともに、地雷探知分野に特化した先導的開発事例も存在するなど、我が国の技術水準は極めて高い。また、センサフュージョンのためのシステム・インテグレーション技術についても我が国の得意な技術分野である。
 アクセス・制御技術については、ロボット技術、車両技術や、それらのナビゲーション技術等、我が国が極めて強い技術開発力を有する分野であり、他国に先駆けた技術を創出することが可能。

5.重点研究期間

 国家的、社会的観点からの要請が極めて強く、また、喫緊の取組みが求められていることから、社会技術研究の中で公共技術(そのうち安全保障に関する技術)の開発と位置付け、平成14年度早期より可及的速やかに研究開発体制を整備して取組みに着手することが必要である。
 このため、短期的な研究開発課題については3年間程度、中期的な研究開発課題については5年間程度で研究開発を実施し、地雷被埋設国等における現地技術実証試験に開発技術(技術実証機レベル)を供することとする。(但し、地雷被埋設国等の政府機関、国際機関、NGOからの要請を踏まえつつ、研究期間等については、柔軟に対応していくことが必要。)


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