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研究代表者・研究課題

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生体・環境情報処理基盤の開発とメタボリック症候群対策への応用

山田 一郎

山田 一郎
東京大学 大学院工学系研究科 教授

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研究概要

 日常生活における生体・環境情報を手軽に収集し、客観的視点から生活習慣を確認できる生体・環境情報処理基盤(人間の日常生活を科学するプラットフォーム)を開発します。ウェアラブルセンサを用い、データを取る・貯める・見るためのソフトウェア、診断アルゴリズムなどの基盤技術を研究開発します。例として、様々な生体・環境情報とメタボリック症候群の因果関係を理解し、生活習慣の改善を促すことを目指します。また個人に応じた柔軟な予防・治療に資するヘルスケアサービスを開発し、実証実験により有効性を検証します。


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重要技術

「人間の日常生活を科学するプラットフォーム」を開発するためには、日常生活をモニタリングする「生体・環境センシングシステム」の開発とデータを加工・処理する「基盤ソフトウェア」の開発が必要である。


(1)省電力インテリジェント生体・環境センシングシステム
 本研究課題では、ウェアラブルセンサを用いて、人間の日常生活に関連する生体・環境イベントを、長期間に渡って、連続的に抽出できる省電力インテリジェント生体・環境センシングシステムを開発する。このためには、多様なセンサ情報を低消費電力かつロバストに取得・流通するソフト・ハード両面からの基盤技術の開発が必要であり、
 (1-1) ウェアラブル生体・環境センサ(「取る」技術)
 (1-2) ゼロ待機電力ウェイクアップ無線インタフェース(「取る」技術)
 (1-3) マルチセンサネットワーク構成技術(「取る」技術)
に焦点を当てて重点的に研究開発を行う。


(2)生体・環境情報処理のための基盤ソフトウェア
 従来、健康状態を把握するための生体計測といえば、身長、体重、血圧、ウェスト、心拍数、最大筋力などの量的な測定を通じて診断することがほとんどであった。生体・環境情報処理のための基盤ソフトウェアでは、人体という複雑なモデルから出力された信号を量ではなく質でとらえ、人体の中で何が起こっているかを医者などの専門家が科学的に理解するための手段を提供する必要がある。このため、基盤ソフトウェアの開発に関しては、
 (2-1) 質的診断を可能にする生体・環境情報の分析技術(「見る」技術)
 (2-2) 様々な粒度で変化をとらえる生体・環境情報の表現手法(「見る」技術)
 (2-3) 生体・環境情報のメタデータベース構築(「貯める」技術)
を可能にする基盤ソフトウェアの開発をめざす。


質的診断を可能にする生体・環境情報の分析技術(「見る」技術)

質的診断を可能にする生体・環境情報の分析技術(「見る」技術)

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実証実験

 日常生活をモニタリングするプラットフォームの有効性を評価するためには、アプリケーションを作成し、現場で実験を行うことが必要不可欠である。社会的背景として、高まる医療費を抑えるため、健康保険組合などを中心とした健康管理・予防医療に対する本格的な取り組みが始まろうとしている。このような世の中の動きと連動して、メタボリック症候群の指標化など、利用者のニーズにあったサービス開発を進める。
 具体的なヘルスケアサービスとして、医者を対象とする「生体・環境情報ログビューア」と個人を対象とする「ヴァーチャル・ヘルスアドバイザー」を開発する。前者は、専門医が患者を診断する際に、日常生活において長期間にわたって精密に記録された生体信号をみて診断するアプリケーションである。後者は、専門医の診断内容をふまえ、次に生体信号にある変化が起こった時にそれに対して患者が適切にアクションを起こすように促すアプリケーションである。

メタボリック症候群対策のためのヘルスケアサービス(イメージ)

メタボリック症候群対策のためのヘルスケアサービス(イメージ)


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