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研究代表者・研究課題

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【平成17年度採択】

【平成18年度採択】

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実世界検索に向けたネットワークセンシング基盤ソフトウェア OSOITE

戸辺 義人

戸辺 義人
東京電機大学 未来科学部情報メディア学科 教授

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研究概要

  本研究では、携帯型端末を有したユーザに対して、平常時および非常時の両面で「実世界検索」オーバーレイセンサネットワークにより都市生活における安全・安心な行動支援を提供することを狙います。具体的には実時間センシング情報を含んだ複数の異種類のデータベースに対する情報検索を可能にし、検索時に高次処理により有意情報を抽出し、ユーザにバックエンド支援警報、安心ナビゲーションを提供します。


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実証実験

  管理区域、非管理区域の2通りの具体的な対象でシステムを構築し、実証実験を実施する。


  (1) 管理区域:ビル内などで、RFIDを所有することで身元保証がされる区域を 対象とし、屋内で、RFIDと画像情報の組み合わせによる不審者検出システムを 構築する。RFIDタグを所有していない人物を不審者候補として検出する。画像情報を用いて人物を検出し、RFIDリーダを用いて検出された人物がRFIDタグを 所有しているかどうかを判断する。さらに、顔画像認識処理を行うことによって、RFIDタグの所有者かどうかの判断も行う。検出されたID情報および不審者候補 画像を実世界のセンシング情報としてデータベース化し、APIを介したアプリケーションにより管理者が不審者候補の検知を行う。


  (2) 非管理区域:人および気象のセンシングを実証実験で行う。人のセンシング対象として街中の路地や空き地などを想定する。本プロジェクトで開発する運動領域注視型ステレオカメラを屋外に設置し、移動人物を検出する。非管理区 域では、検出された人物領域をすべて不審者候補領域と見なす。ステレオカメ ラによる実寸測定により、大人・子供の区別も行う。検出された大人・子供の 人数および対象領域の画像を実世界のセンシング情報としてデータベース化し、APIを介してアプリケーションにより不審者候補の検知を行う。気象のセンシングの例として、路地レベルでの気温情報を収集する。収集した情報を元に、熱中症になりにくい歩行ナビゲーションを行う。


OSOITE

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重要技術

  1. 異種センサネットワーク統合オーバーレイネットワーク   小型無線ノードのマルチホップ転送を基本とするセンサネットワーク、不審者を検出するための監視カメラからなるネットワーク、インターネットに直接接続される気象センサ等の、様々なセンサネットワークが混在する環境において、地理情報を含む多様な抽象度の異なる検索要求に応え、スケーラブルに動作するネットワークプロトコルを実現する。

  2. 実世界検索   実世界の状況を表す異種センサネットワークから得られるセンサデータを検索対象とするために、オーバーレイネットワーク上に仮想的データベースを構築する。その上で、シームレスかつ統合的なセンサデータ検索機構を実装し、アプリケーション開発に不可欠な検索・統合APIを開発する。仮想センサデータベースは、複数の分散した即時および時系列データを蓄積するデータベースシステムの集合として構成され、観測データだけでなく高次情報をも保持し、クエリに対して協調的に動作し、効率的に処理を行う。さらに、ユーザの要求に応じて、地理情報やWeb情報などの関連データと、センサデータとを有機的に組み合わせて、安全・安心に関する情報を生成し、提示する。

  3. 高次情報生成   高感度・ワイヤレス・超小型のセンサノードが個々に検知・取得する最もプリミティブな情報をリアルタイムに収集・分析・解釈し、各センサデータ固有の属性である鮮度ならびに時間的精度を考慮した時系列的解析により、一次的な実空間コンテクスト(低次データ)を抽出・整形する機構を構築するとともに、これら低次データを集約し、外部のデータベース等からマイニングされた情報と併せて、災害・異常の発生や不審者の検知等、緊急性を要するより高次の空間コンテクストをオンデマンドかつリアルタイムに抽出、各種付加価値データ(メタデータ)と共にアプリケーションフレームワークに提示する。


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