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山本チーム・泰岡グループ・秋元 琢磨 特任助教、山本 詠士 修士1年、泰岡 顕治 教授の研究成果が、"Physical Review Letters"に掲載されました。


研究者名: 秋元 琢磨(慶應義塾大学特任助教)、
        山本 詠士(慶應義塾大学大学院修士1年)、
        泰岡 顕治(慶應義塾大学教授)

掲載誌: Physical Review Letters

掲載日: 2011年10月20日



説明文:
  分子が混みあった流体では、満員電車の中の人のように自由に動くことができないため、異常な拡散現象が見られます。例えば、流動性を特徴付ける平均2乗変位(MSD)が、通常のように時間に対して線形に増大せず、線形より遅くベキ的に増大します。このような遅い拡散の原因には、ベキ的なトラップ、負の相関(粘弾性)、フラクタル性があります。分子が混みあった系では、粘弾性が異常拡散の主な原因と思われていました。本研究では、単一軌道により得られたMSDの揺らぎを解析し、脂質2重膜の脂質分子の運動には、粘弾性だけでなくベキ的なトラップが存在することを分子動力学シミュレーションにより初めて示しました。この結果は、細胞内輸送におけるマクロ分子の遅い拡散を解明する上で重要な役割を果たすと期待されています。
 






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