独立行政法人科学技術振興機構

研究総括紹介

矢川 元基

矢川 元基

東洋大学 計算力学研究センター
センター長/教授

本研究領域は、近い将来のペタフロップス超級スーパーコンピュータ利用を視野に入れながら、最先端の超高速・大容量計算機環境と精緻なモデル化・統合化によって、複数の現象が相互に影響しあうようなマルチスケール・マルチフィジックス現象の高精度且つ高分解能の解を求める研究を公募の対象としております。
  具体的には、地球環境変動とその影響、異常気象およびそれに起因する災害予測、人工物の安全性・健全性の評価、複雑な工業製品の設計・試作などのシミュレーション、ナノレベルの材料挙動・生体内たんぱく質構造・生体内薬物動態の解析など、支配因子が未知あるいは不確定性を含む現象やスケールが極度に異なる現象等のモデル化の研究、そのようなモデルの統合数値解析手法の研究、モデルや入力データの妥当性・結果の信頼性の評価方法の研究などが含まれます。
  平成17・18年度に採択されたテーマは、量子化学、表面・界面科学、ナノ、バイオ、環境など広範囲にわたり、分野横断的なものも多く、いずれも十分実績のある研究代表者に率いられた極めて質の高い研究です。
  平成19年度の募集に当たっても、内容の充実に加えて、具体的に目に見える成果、産業や実社会への応用性とそのインパクトの大きさ、成果として出来上がったソフトウェアが研究終了後も長期間、自立成長を継続できる枠組みを勘案した提案、異なる専門家同士、海外の研究者との有機的共同提案、実験、理論、情報数理・計算科学の専門家などとの緊密な協力を促すような分野融合的・領域融合的な研究課題を募りたいと思います。また、特に、平成17・18年度に採択されていない分野からも多くの提案を期待しています。

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