水の循環系モデリングと利用システム

 

第4回領域シンポジウム
ポスターセッション

  

小池俊雄研究チーム


P036 「水循環系の物理的ダウンスケーリング手法の開発」全体構想
P037 地上マイクロ波センサによる特別観測データを用いた大気
窶迫、面結合データ同化スキームの開発
P038 大気窶迫、面結合データ同化スキームを組み合わせた
ダウンスケーリング手法の開発
P039 大気窶迫、域相互作用予測モデルと分布型流出モデルの結合モデルの開発
P040 地上、衛星観測データと数値モデルを組み合わせた
チベット高原でのエネルギー、水循環特性の把握


 
P036 「水循環系の物理的ダウンスケーリング手法の開発」全体構想
小池俊雄(東京大学大学院工学系研究科)

 全球規模,地域規模の予測情報を局所規模の情報にダウンスケーリングするために,数値気象予測モデル分野ではネスティングや,広域予測のための粗いグリッド規模のモデル出力の統計的性質と対象とする局所規模の観測データの統計的性質合わせる手法が用いられてきた.しかし,これらの手法では,短期数値予測のための初期値,長期数値予測のための境界条件において狭域スケールの情報の導入が困難であり,また大気水循環の予測値を,物理的整合性を保ったまま河川流出予測に導入するシステムの構築も図られていない.そこで,本研究では衛星マイクロ波放射計観測データを効果的に用いたデータ同化手法を中核とする,全球規模窶白n域規模窶迫ャ域規模を一貫して記述できる物理的ダウンスケーリングシステムの開発を目指している.

 
P037 地上マイクロ波センサによる特別観測データを用いた大気
窶迫、面結合データ同化スキームの開発
小池俊雄,Petra Koudelova,筒井浩行,Tobias Graf, Lu Hui,David Kuria
(東京大学大学院工学系研究科)

 低周波帯マイクロ波放射計および高周波帯マイクロ波放射計を東京大学田無農場に設置し,土壌層および植生層の低周波数〜高周波数におけるマイクロ波放射観測を実施するとともに,大気観測用マイクロ波放射計を同地点に設置して,陸面,大気のマイクロ波放射伝達過程の同時観測を開始した.また,高度化した陸面からの放射伝達モデルに大気中の放射伝達モデルを結合させ,陸域上の大気中のマイクロ波放射伝達を精度よく記述できる放射伝達モデルを開発し,それをチベット高原における衛星観測データに適用し,陸域上の雲システムをマイクロ波放射計で抽出する可能性を見出した.

 
P038 大気窶迫、面結合データ同化スキームを組み合わせた
ダウンスケーリング手法の開発
小池俊雄,陽坤,Petra Koudelova, Cyrus Raza Mirza,
Boussetta Souhail,Oliver Saavdra,Wang Lei
(東京大学大学院工学系研究科)

 平成17年度までに開発した陸面(土壌水分,積雪)データ同化スキームを気象の現業モデルに組み込み,大気と結合した土壌水分データ同化システムを,チベット高原規模,メソ領域スケールに適用してその性能を評価した.その上で,衛星データによる陸面(土壌水分,積雪)データ同化スキームとメソスケール大気モデルとを結合した水循環予測モデルを用いて,全数値気象予測モデルの出力をダウンスケーリングするシステムを開発し,チベット高原規模に適用し,陸域での降水の日周変化特性の再現に成功した.
 また海域においては,全数値気象予測モデルの出力を雲微物理データ同化システムによるダウンスケーリングすることによって,大気初期値の改善を確認するとともに,3時間先の降水予測実験を行い,冬季日本海の筋状の降雪システムの予測精度を飛躍的に向上した.
 その上で、雲微物理データ同化システム、陸面データ同化システム、マイクロ波帯での陸面窶泊蜍C結合放射伝達モデルを組み合わせ、陸域上での雲微物理データ同化システムを世界で始めて開発した。
 全球情報や地域情報のダウンスケーリングを通して,流域での河川流量予測に精度向上を図るための基礎として,数値気象予測モデルの出力を分布型流出モデルに組み込み,短期の河川流出量を予測し,それを洪水ピーク低減のためのダムの統合操作に用いるシステムを開発した.
 以上により,本プロジェクトで目的とする全球スケールから流域スケールの物理的ダウンスケーリングシステムの各要素がすべて開発された.

 
P039 大気窶迫、域相互作用予測モデルと分布型流出モデルの結合モデルの開発
小池俊雄、陽坤、Petra Koudelova,Oliver Saavdra、Wang Lei
(東京大学大学院工学系研究科)

 チベット高原を対象にダウンスケーリング手法を評価し,その結果に基づき手法を高度化した.土壌水分のデータ同化に焦点を当てた大気-陸域データ同化システムについては,研究開発を進める中で,植生のデータ同化システムの開発を先行させるべきとの判断にたち,東京都西東京市における地上観測実験にて,植生のデータ同化システム開発の基礎実験を開始した.さらに,利根川流域,中国の永定河流域を対象とした分布型流出モデルを開発するとともに,利根川流域において,数値気象予報モデルを効果的に使った複数のダムの最適操作による洪水低減システムを開発した.

 
P040 地上、衛星観測データと数値モデルを組み合わせた
チベット高原でのエネルギー、水循環特性の把握
小池俊雄,陽坤,Petra Koudelova,Cyrus Raza Mirza,Boussetta Souhail
(東京大学大学院工学系研究科)

 平成16年に実施したCEOP集中観測実験データ,長期観測データ,陸面データ同化の出力結果を統合的に用いて,チベット高原における降水量分布特性,凍土帯の水・エネルギーフローの特性,特に季節変化と年々変化特性を解析し,同地域の大気加熱のメカニズムを明らかにした.





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