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平成16年度採択課題 研究終了にあたって

「シミュレーション技術の革新と実用化基盤の構築」研究総括 土居範久

 本研究報告書は「シミュレーション技術の革新と実用化基盤の構築」研究領域のCRESTタイプ研究において研究を行ってきた平成16年度採択研究チームの研究成果をまとめたものです。

 本研究領域は、計算機科学と計算科学が連携することにより、シミュレーション技術を革新し、信頼性や使い易さも視野に入れて、実用化の基盤を築く研究を対象とするものです。具体的には、物質、材料、生体などのミクロからマクロに至るさまざまな現象をシームレスに扱える新たなシミュレーション技術、分散したデータベースやソフトウェアをシステム化する技術、また、計算手法の飛躍的な発展の源となる革新的なアルゴリズムの研究や、基本ソフト、情報資源を取り扱いやすくするためのプラットフォームあるいは分野を越えて共通に利用できる標準パッケージの開発などが含まれます。

 研究課題の選考方針としては10年程度後に医療分野における高度治療や情報産業における精密製品設計等の「ものづくり」に役立つ次世代統合シミュレーション技術を確立するという戦略目標の達成に向けて貢献できる基盤整備として必要となる、基礎的・共通的な実用化の基盤を構築する研究を対象としました。

 本領域は、CREST研究と個人型研究とポスドク参加型研究のさきがけ研究が加わった混合領域です。領域の研究成果の発表の場として年1回シンポジウムを開催し、CREST研究とさきがけ研究の各種分野の研究者から様々な議論が交わされました。また、「シミュレーション技術」というかなり広い研究領域であるため、普段の学会等では会うことのない異分野の研究者との交流もあり、研究分野を超えた物の見方、考え方に研究のヒントを得た研究者も多いと思います。

 各研究チームの研究者におかれましては今回のCREST研究を基に、今後もさらに優れた研究成果を挙げられることを期待いたします。