平成 13 年度採択課題研究終了にあたって

「高度メディア社会の生活情報技術」

研究総括 長 尾  真


  

この研究領域の平成 13 年度の採択課題は次の 3 課題であった。

(1)セマンティック・タイポロジーによる言語の等価変換と生成技術
   研究代表者 池原 悟
(2)デジタルヒューマン基盤技術
   研究代表者 金出 武雄
(3)連想に基づく情報空間との対話技術
   研究代表者 高野 明彦
 これらは全て国際的に見てもユニークで高いレベルの研究成果を出したと評価できるだろう。
池原悟氏は日英機械翻訳に欠くことの出来ない重文、 複文単位の文型パターンの日英対照辞書の巨大なものを初めて作成した。 これは今後この分野の研究者に広く使われることになるだろう。
金出武雄氏は人体の種々の部分が動的にどのように変化するかを精密に計測することによって、 人体の動きをよく理解できるようにすると共に、 各種の応用・実用に結びつけることによって、 その有用性を示し、 デジタルヒューマン研究という新しい研究分野を創設した。
高野明彦氏は多くの文書情報を連想的対話環境で自由に検索し、 また楽しめる完成度の高い情報サービスの実用システムを作り、 既にいろいろなところで使われるようになっている。 このシステムの考え方にはユニークなところが多くあり、 このような楽しめるシステムは世界的に見ても他にないというもので、 その価値は高い。
これらの研究成果が研究代表者をはじめとする研究参加者の努力の賜物であることは言うまでもないが、 CRESTの5年間のまとまった研究費が大きな役割を果たしたことも事実であろう。 また、 研究に伴う多くの事務を効率よく処理した研究事務所の役割も大きかった。


科学技術振興機構
CREST チーム型研究