平成17年度 研究終了報告書 (平成12年度採択課題)
「資源循環・エネルギーミニマム型システム技術」研究領域
研究終了にあたって

  研究領域「資源循環・エネルギーミニマム型システム技術」は、大量資源浪費型の社会を是正し、持続的発展を可能とする社会を構築するために有効な、システム技術を開発することを目的とした。具体的には、産業から民生用に至るまで、地球温暖化ガスの放出を最小限に抑えながら、発電、物質創成などの目的を達成する技術、生体機能を利用しながら水素などのエネルギー源を創り出す技術、温暖化ガスの固定・分解に関する技術、などに関連する総合的なシステム技術の研究が進展することを目指していた。平成12年度に採択された第3期の6件の研究チームが、5年の研究期間を終了し、ここに無事、最終報告書をまとめることが出来たことは、研究総括として心から嬉しく思っている。

  それぞれのチームが発表した論文数と特許申請数を見ると、井上晴夫(首都大学東京):「水を電子源とする人工光合成システムの構築」チ−ムが論文132編、特許3件、太田健一郎(横浜国立大学):「電気化学エネルギー変換の擬似三次元界面設計」チームが論文39編、特許10件、小林光(大阪大学):「新規化学結合を用いるシリコン薄膜太陽電池」チームが論文77編、特許11件、高村仁(東北大学):「家庭用燃料電池実現のための新たな高効率天然ガス改質システムの構築」チームが論文57編、特許9件、堤敦司(東京大学):「コプロダクションによるCO2フリーなエネルギー・物質生産システムの構築」チームが論文131編、特許2件、津野洋(京都大学):「資源回収型の都市廃水・廃棄物処理システム技術の開発」チームが論文10編、特許2件と客観的データで見ても、順当な成果を挙げたといえよう。

  成果の詳細はこの報告書で見て頂きたいが、この間、当研究領域のアドバイザーの先生方には、研究課題の採択に始まって、中間評価、事後評価、領域シンポジウムなどを通じて親身のご指導を賜った。また、技術参事をはじめとし、機構本部事務局並びに当領域事務担当の各位の強力な支援のおかげで全てのチームが遅滞なく研究を遂行できたことは特筆に値する、深く感謝したい。
「資源循環・エネルギーミニマム型システム技術」研究総括
平 田  賢

独立行政法人 科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業CRESTチーム型研究