平成17年度 研究終了報告書 (平成12年度採択課題)
「高度メディア社会の生活情報技術」研究領域
研究終了にあたって

この研究領域の平成12年度の採択課題は次の4課題であった。



これらのうち(2)および(3)の研究は国際的に高く評価される第1級の成果を挙げたもので、研究代表者の舘、辻井両氏は世界のそれぞれの分野をリードする人物と評価されている。(1)は人間が身につけて不自由なく使える情報機器とそのソフトの研究で数多くの要素技術を開発した。これらの要素技術をうまく使って真に有用な着用型情報機器を作るのはこれからの企業化的課題であろう。(4)は人間の知的活動を支える知識と意味のシステムを作るという難しい課題に対して、非常に興味ある実験システムを作った。これが本当に有効なものであるかどうかは今後にゆだねられたが、知識処理分野の進歩発展に対して大きな貢献をした。

CRESTの目標とする研究開発の主旨に対して、これら4課題は十分な成果を挙げているので、この成果を引き継いで社会が広く受け入れる実用システムをどこかで本格的に作ることができれば言うことはないが、そのためにはまだ“死の谷”が存在し、これを克服することが必要となるだろう。

いずれの研究においてもCRESTの研究費は有効に使われ、この分野の人材育成にも大いに役立った。今後ますます重要となってゆく情報分野の研究開発とそれに伴う人材育成に引き続きCRESTが研究費を投じていただくことを希望する。

「高度メディア社会の生活情報技術」研究総括
長尾 真

独立行政法人 科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業CRESTチーム型研究