平成16年度 研究終了報告書 (平成11年度採択課題)
「資源循環・エネルギーミニマム型システム技術」研究領域
研究終了にあたって

 研究領域「資源循環・エネルギーミニマム型システム技術」は、大量資源浪費型の社会を是正し、持続的発展を可能とする社会を構築するために有効な、システム技術を開発することを目的とした。具体的には、産業から民生用に至るまで、地球温暖化ガスの放出を最小限に抑えながら、発電、物質創成などの目的を達成する技術、生体機能を利用しながら 水素などのエネルギー源を創り出す技術、温暖化ガスの固定・分解に関する技術、などに関連する総合的なシステム技術の研究が進展することを目指していた。平成11年度に採択された第2期の5件の研究チームが、5年の研究期間を終了し、ここに無事、最終報告書をまとめることが出来たことは、研究総括として心から嬉しく思っている。

 それぞれのチームが発表した論文数と特許申請数を見ると、生島豊(産総研):「機能環境流体を利用した資源循環・低エミッション型物質製造プロセスの創製」チ−ムが論文83編、特許3件、鈴木健二郎(芝浦工大):「超小型ガスタービン・高度分散エネルギーシステム」チームが論文44編、特許5件、舩岡正光(三重大):「植物系分子素材の高度循環活用システムの構築」チームが論文88編、特許10件、安井至(国連大学):「社会的受容性獲得のための情報伝達技術の開発」チームが論文59編、渡辺政廣(山梨大):「高温運転メタノール直接型燃料電池の開発」チームが論文31編、特許7件と客観的データで見ても、順当な成果を挙げたといえよう。

 また、この5課題のうち3つについて、その実用化への開発研究が経済産業省、林野庁、文部科学省などの支援を受けてスタートしていることは大変結構なことである。基礎研究から開発研究を経て、実用化への流れを見たいものである。早い時期に実用化されることを期待したい。

 成果の詳細はこの報告書で見て頂きたいが、この間、当研究領域のアドバイザーの先生方には、研究課題の採択に始まって、中間評価、事後評価、領域シンポジウムなどを通じて親身のご指導を賜った。また、技術参事をはじめとし、機構本部事務局並びに当領域事務担当の各位の強力な支援のおかげで全てのチームが遅滞なく研究を遂行できたことは特筆に値する、深く感謝したい。
「資源循環・エネルギーミニマム型システム技術」研究総括
平田 賢

独立行政法人 科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業CRESTチーム型研究