チーム型研究（CRESTタイプ）について

１．趣旨
科学技術創造立国を目指す我が国において、独創的な研究への期待はますます高まっています。チーム型研究（CRESTタイプ）は、研究代表者が自ら所属する大学や試験研究機関等の研究ポテンシャルを活用しつつ、戦略目標達成に向け、研究チームを編成して研究を推進していただきます。

２．概要

(1) 戦略目標
国の科学技術政策や社会的・経済的ニーズを踏まえ、社会的インパクトの大きい目標（戦略目標）を国（文部科学省）が設定します。

(2) 研究領域と研究総括
JSTは、戦略目標をもとに推進すべき研究領域を定めます。研究総括は各研究領域において研究計画立案についての助言、研究進捗状況、毎年の研究費の配分などの調整、その他研究者に対する助言など、研究の推進に中心的な役割を果たします。

(3) 研究期間
研究期間は原則5年間ですが、評価を受けて、更なる発展が見込まれる研究課題については研究を継続することがあります。

(4) 研究費
研究費は年間平均4千万円程度から2億円程度であり、設備費、材料費、雇用する研究者等の給与、旅費、ワークショップやシンポジウムなどの開催費などが対象となります。

(5) 研究応募から開始まで
研究領域ごとに研究提案を募集します。研究総括は領域アドバイザーの協力を得て書類選考、面接選考により、選定を行います。

(6) 研究代表者と研究チーム
採択となった研究代表者は自らの研究構想を実現するため、数名〜20名程度の研究者からなる研究チームを編成して研究を推進します。研究チームには、研究代表者の所属する研究機関のみならず、他の研究機関の研究者が共同研究者として参加することも可能です。また、若手研究者などをJSTが雇用し、研究現場に派遣することができます。研究代表者は研究実施期間を通じて研究の実施、資金の執行・管理、成果の取扱いなど、研究全体に責任を持っていただきます。

(7) 研究契約
JSTは、研究者が研究を実施する研究機関と委託、共同等の研究契約を締結します。

(8) 研究成果および評価
研究総括、領域アドバイザーを中心として、研究の進捗および成果の状況と見込みについて、研究開始後３年程度を目安として中間評価を行います。また研究終了時には事後評価、必要に応じて追跡調査を行います。なお、これらの研究成果および評価は一般公開し、社会還元をはかります。

(9) 知的財産権の取り扱い
産業活力再生特別措置法第30条（日本版バイドール法）を適用する場合、JSTが研究機関（大学等）に委託した研究の結果生じた特許権等の知的財産権は、研究機関に帰属することが可能です。

(10)研究支援体制
研究領域ごとに、設備・材料の購入や出張の手続き等、研究の日常的なお世話をいたします。研究領域では、研究計画の調整、研究進捗状況の把握、特許出願、外部発表の手続き等の業務を行う技術参事、設備や材料の購入、物品管理、出張手続き等の業務を行う事務参事等が、研究総括のもとで研究者の支援を行います。