はじめに


は じ め に

「戦略的基礎研究推進事業」は、平成7年度の科学技術基本法制定の流れを受け、スタートいたしました。本事業は、「科学技術創造立国」をめざし、明日の科学技術につながる知的資産の形成を図ることを目的とし、大学や公的試験研究機関などの研究ポテンシャルを活用しつつ、重点化した基礎研究を推進するものです。平成14年3月末現在は、総予算額およそ317億円(平成13年度予算)、24の研究領域で、232の研究テーマが実施されています。
本事業がスタートして既に7年余りが経過し、その間、数多くの研究成果を挙げてまいりました。これまで、国内及び海外で発表された論文数は、累計で数千件にも達しております。また、特許の取得等にも積極的に努めており、戦略事業の成果として、現在出願中のものも含めまして、特許は1,150件(平成14年3月末現在)あまりにのぼっており、いずれ企業等によって実用化されることを期待しております。
また、科学技術振興事業団の基礎的研究の分野では、新技術の創製に資する知的資産の形成を図ることを目的として、これまで戦略的基礎研究推進事業(CREST)、創造科学技術推進事業(ERATO)、若手個人研究推進事業(PRESTO)、国際共同研究事業(ICORP)、計算科学技術活用型特定研究開発推進事業(ACT-JST)、基礎的研究発展推進事業(SORST)、社会技術研究推進事業を進めて参りましたが、科学技術基本計画及び総合科学技術会議による「競争的資金の目的・役割の明確化」という方針を踏まえ、上記の基礎的研究事業を再編成し、平成14年度から戦略的創造研究推進事業として開始することになりました。本事業の特色は、国のニーズに対応した戦略目標の達成に向けて、研究者の方々の自由な発想や独創的なアプローチを活かし、新技術の創製に資する研究を推進していただくことです。今後も、事業団は、戦略的創造研究推進事業を通じ、将来の科学技術に大きなインパクトをもたらし、国際的にも高く評価されうる成果を得、将来の新産業創出にもつながるよう努めてまいります。
このたび、昨年度に引き続きまして、平成13年度に実施した研究の概要および発表した論文リストを、研究代表者ごとに掲載した「研究年報」として発刊させていただくこととなりました。広く皆様方にお読みいただきまして、ここに収録しました研究成果を参考に供していただき、また、幅広くご意見を賜ることができれば幸いに存じます。

平成14年12月

科学技術振興事業団
研究推進部

部長 角地 省吾

 

科学技術振興事業団のページへ サイトマップを表示します