研究領域「量子情報処理システムの実現を目指した新技術の創出」事後評価(課題評価)結果

1.研究領域の概要

 本研究領域は、ミクロの世界で観測される量子力学的現象を制御し、記憶、演算などの情報処理を行うシステムへ展開していくための基盤となる新しい技術の創出を目指す研究を対象とするものである。
 この領域では量子情報処理のハードウェアの構成方法に関する実験的、理論的研究が切望されている。本領域で目指すものは光・電子・原子・原子核など様々な系の量子効果に基づく基本的なデバイスや多量子ビット化の技術、量子情報の伝送技術や中継技術であり、さらにそれらの基盤となる要素研究、例えば量子もつれ現象の制御・観測に関する研究等に関するシミュレーションを含めた研究である。
 具体的には、イオントラップ、冷却原子、半導体中の電子スピンもしくは原子核スピン、ジョセフソン接合素子、NMR、線形光学系などを用いた量子コンピュータ技術、また、原子集団や量子テレポーテーションを用いた量子中継技術、単一光子やエンタングル光子対を用いた量子暗号技術などを目指した。

2.事後評価の概要

2−1.評価の目的、方法、評価項目及び基準

 戦略的創造研究推進事業・CRESTにおける事後評価の目的、方法、評価項目及び基準に沿って実施した。

2−2.評価対象研究代表者及び研究課題

平成17年度採択研究課題
(1) 井上 恭 (大阪大学大学院工学研究科 教授)
通信波長帯量子もつれ光子とその応用システム 通信波長帯量子もつれ光子とその応用システムPDF(175KB)
(2) 香取 秀俊 (東京大学大学院工学研究科 教授)
極低温原子を用いる量子計測法の開拓 極低温原子を用いる量子計測法の開拓PDF(186KB)
(3) 北川 勝浩 (大阪大学大学院基礎工学研究科 教授)
分子スピン量子コンピュータ 分子スピン量子コンピュータPDF(212KB)
(4) 宮下 精二 (東京大学大学院理学系研究科 教授)
量子多体協力現象の解明と制御 量子多体協力現象の解明と制御PDF(192KB)

2−3.事後評価会の実施時期

 平成22年12月18日(土)

2−4.評価者

研究総括
山本 喜久 情報・システム研究機構国立情報学研究所情報学プリンシプル研究系 教授/スタンフォード大学応用物理・電気工学科 教授
領域アドバイザー
五神 真 東京大学大学院理学系研究科 教授/工学系研究科附属光量子科学研究センター センター長(兼務)
樽茶 清悟 東京大学大学院工学系研究科 教授
細谷 暁夫 東京工業大学大学院理工学研究科 教授
藪崎 努 京都大学 名誉教授
覧具 博義 東京農工大学 名誉教授
和達 三樹 東京大学 名誉教授/東京理科大学理学部 教授
外部評価者
該当者なし