研究領域「分子複合系の構築と機能」事後評価(課題評価)結果

1.研究領域の概要
 現代社会は化学と化学物質によって支えられていると言っても過言ではない。空中窒素固定によって人類は飢えから解放され、高分子化学によって多彩な衣料を獲得し、ペニシリンのような分子の発見によって人類の生活は一変した。有機合成化学や石油化学の驚異的な進歩によって20世紀は「化学の世紀」となった。21世紀に向けて化学はそのベクトルを複合系の構築へと向けて発展している。ここで化学が目指すべき戦略目標は高機能が期待される新規化学物質の創出であり、それらを基礎とした複合系の構築である。有機、無機、あるいは有機金属分子が行う様々な相互作用に着目し、分子レベルでの機能発現・解析を目指す。その結果としての新技術の創出や新産業への導入を期待する。
2.事後評価の概要

2−1.評価対象研究代表者及び研究課題
(1)桑嶋  功(北里大学・生命科学研究所 教授)
 「高次構造天然物の全合成:制癌活性物質の探索と創製」
(2)鈴木  啓介(東京工業大学大学院理工学研究科 教授)
 「ハイブリッド型生理活性分子の高効率構築法の開発」
(3)田中 順三(独立行政法人物質・材料研究機構生体材料研究センター センター長)
 「無機ナノ結晶・高分子系の自己組織化と生体組織誘導材料の創出」
(4)福住 俊一(大阪大学大学院工学研究科 教授)
 「有機・無機複合光電子移動触媒系の開発」
(5)吉川 研一(京都大学大学院理学研究科 教授)
 「自己生成するナノ秩序体:高次構造制御と機能発現」
2−2.実施時期
平成16年12月13日
2−3.評価者
研究総括
櫻井 英樹(東北大学 名誉教授)
領域アドバイザー
今木  直(元三菱化学 リサーチフェロー)
岩村  秀(放送大学 教授)
木村 茂行(元無機材質研究所 所長)
国武 豊喜(北九州市立大学 教授)
長谷川 正木(東京大学 名誉教授)
村井 眞二(大阪大学 名誉教授)
外部評価者
徳丸 克己(筑波大学 名誉教授)