研究領域「脳を創る」の研究課題別事後評価結果

1.研究領域の概要
 脳は人間の精神活動・情報活動の根源であり、脳機能の解明は人間を理解するための科学である。このうちで、「脳を創る」領域は、理論の立場から脳の構造と機能に迫り、新しい脳型の情報原理を探求すると共に、その原理を技術として実現することを目指した脳型情報処理システムの構築を研究の対象としている。具体的には、「脳型デバイス・アーキテクチャ(学習、連想記憶など)」、「情報生成処理(認知・認識、運動計画、思考、言語、評価、記憶など)システム」の構築を目標とする。
2.事後評価の概要

2−1.評価の目的
 研究の実施状況、研究成果、波及効果等を明らかにし、今後の研究成果の展開及び事業の運営の改善に資することを目的とする。

2−2.評価対象研究代表者及び研究課題
(1)合原 一幸(東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授)
 脳の動的時空間計算モデルの構築とその実装
(2)河原 英紀(和歌山大学 システム工学部 教授)
 聴覚の情景分析に基づく音声・音響処理システム
(3)小柳 光正(東北大学 大学院工学研究科 教授)
 脳型情報処理システムのための視覚情報処理プロセッサの開発
(4)酒井 邦嘉(東京大学 大学院総合文化研究科 助教授)
 言語の脳機能に基づく言語獲得装置の構築
(5)武田 常広(東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授)
 MEGによる人間の高次脳機能の解明
2−3.実施時期
平成15年2月24日
2−4.評価方法
 研究総括、研究アドバイザーが評価者を務め、予め研究チーム作成の報告資料に目を通し、研究課題ごとに評価者が研究代表者と面談を実施する。その後、評価者が各自独自に事後評価票を作成し、研究総括がそれらをまとめ、被評価者の意見を聞いた後、全評価者の合意を得て事後評価結果報告書を作成した。
2−5.評価項目及び基準
 (イ) 外部発表(論文、口頭発表等)、特許、研究を通じての新たな知見の取得等の研究成果の状況
 (ロ) 得られた研究成果の科学技術への貢献
2−6.評価者
研究統括    甘利 俊一 理化学研究所 脳科学総合研究センター センター長
領域アドバイザー
川人 光男   ATR人間情報科学研究所 第3研究室 室長
杉江 昇   名城大学 理工学部 教授
鈴木 良次   金沢工業大学 人間情報システム研究所 所長
中野 馨   東京工科大学 工学部 教授
松本 元   理化学研究所 脳科学総合研究センター グループディレクター
森 健一   東芝テック 株式会社 代表取締役社長