1) |
ナノ構造の磁性発現機構−V-X族化合物ナノ構造における自発的スピン偏極の理論的研究:プローブ顕微鏡の探針に適したGaN探針尖端のナノ構造の磁性を現象論的、第一原理的に調べ、探針尖端のナノ構造内ではスピンが自発的に偏極していることが予測された。 |
2) |
走査型プローブ顕微鏡探針による原子制御の理論−プローブによるスピン状態制御:走査型トンネル顕微鏡探針を用いた原子制御については実験的に広く行われているが、その理論については未知な部分が多い。特にSi表面上の吸着H原子の脱離については、脱離エネルギーの大きさから脱離は当初困難と考えられたが、本研究ではSTM環境におけるH原子のポテンシャル・エネルギー面(PES)を用いて説明がなされた。 |
3) |
ナノワイヤの構造とスピン電子状態−異常原子間距離の生成と崩壊:第一原理的計算によるスピン電子状態から、この現象の原理を示した。 |
4) |
磁気抵抗効果による交換相互作用の検出:微細な磁気抵抗(MR)素子を搭載したマイクロカンチレバーを作製し、これを用いて高密度なプローブ−試料間距離制御が可能な走査型磁気抵抗効果顕微鏡(SMRM)を開発した。 |
5) |
ミクロな表面磁性:Cuの表面粗さを蒸着速度と基板温度で制御し、この上に成膜したfcc Fe薄膜の磁気モーメントと表面粗さ(基板モルフォロジー)に相関のあることを確かめた。 |
6) |
強磁性/絶縁物/金属平面型接合におけるトンネリング:スピン偏極電子の強磁性金属から半導体への注入を、強磁性/AlGaAs/p-GaAs接合におけるルミネッセンスの円偏向から確かめた。 |