エレクトライドの物質科学と応用展開

研究開発課題の概要

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パンフレットPDF 研究紹介動画
(約1分30秒)

研究代表者

細野先生

細野 秀雄

(東京工業大学 科学技術創成研究院 フロンティア材料研究所 教授、元素戦略研究センター長)

1982年 東京都立大学大学院博士課程 修了(工学博士取得)
1982年 名古屋工業大学 助手
1990年 同 大学 助教授
1993年 東京工業大学 助教授
1995年 岡崎国立共同研究機構 分子科学研究所 助教授
1999年~現在 東京工業大学 科学技術創成研究院 フロンティア材料研究所 教授
2012年~現在 同学 元素戦略研究センター長(兼任)

研究室ホームページ http://www.mces.titech.ac.jp/

プログラムマネージャー

横山PM

横山 壽治

(科学技術振興機構 ACCELプログラムマネージャー)

1971年 国立群馬工業高等専門学校工業化学科 卒業
1971年 三菱化学株式会社(旧:三菱化成工業株式会社)入社
2005年 工学博士取得
2011年 東京工業大学 特任教授
2013年 ACCELプログラムマネージャー
2014年 東京工業大学 客員教授

研究開発期間

2013年10月~2018年3月

研究開発概要

本課題では、細野グループによるERATO、FIRSTでの基礎研究の成果として生まれてきた新材料エレクトライド(12CaO・7Al:e)(以下、C12A7という)が持つ化学的、熱的に安定で電子を放出しやすいという特性を最大限に生かして、比類のない高機能触媒や電子材料などへの応用展開を図ります。また、総合化学メーカーにおいて研究開発、事業開発の実績を持つ横山 壽治 氏をPMとして採用し、技術的成立性の証明・提示(POC)を中心とした研究開発を推進します。

具体的には、POCに向けて以下の1~3の研究開発を推進します。
1)肥料・化学品・水素のエネルギーキャリアの材料として注目されるアンモニアのオンサイト用小型アンモニア製造プラントの実現を目指します。
そのためのアンモニアの合成・分解触媒の高性能化を進め、さらに高性能化したアンモニア合成触媒に最適な省エネルギー合成プロセスを開発します。
2)有機ELディスプレイの大型化や消費電力の低減化を目指します。
そのための有機EL素子の最重要課題とされる低電圧駆動、長寿命化などを克服するための有機EL素子(電子注入層)を開発します。
3)この他にも、「炭酸ガスの低温分解による資源化」「化学品合成」などのエレクトライドの多彩な応用展開を検討し、可能性が確かめられたものから順次応用展開を図っていきます。
これらの過程で、世界を驚かせる新規エレクトライドをはじめとする新物質発見を期待します。

以上を推進することで、「食糧問題」「水素エネルギー社会」「高度情報化社会」といった社会的テーマに貢献することを目指します。

エレクトライド
C12A7は、安価なセメント材料を原料としてつくられる。化学的、熱的に安定でかつ仕事関数が低いという特性を併せ持つ物質は、他にはない。
エレクトライドは、ERATO「細野透明電子活性プロジェクト(平成11年~平成16年)」の成果として、室温・大気中で安定な機能性化合物として見いだされた後、FIRST「新超伝導および関連機能物質の探索と産業用超伝導線材の応用(平成21年~平成25年)」において超伝導も示す同化合物がルテニウムを担持することで高活性のアンモニア合成触媒となることが発見され、当初予定を上回る際立った結果として今後の展開が期待されるとの評価を得ています。

目指すビジョンの図

                <目指すビジョンの図>

プログラム

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