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■ 東北発 素材技術先導プロジェクト(素材技術研究開発事業)

事業目的

本事業は、「東日本大震災からの復興の基本方針」に基づき、東北の大学や製造業が強みを有するナノテクノロジー・材料分野において、産学官の協働によるナノテクノロジー研究開発拠点を東北大学に形成し、世界最先端の技術を活用した先端材料を開発することにより、東北素材産業の発展を牽引し、東日本大震災からの復興に資することを目的としています

研究内容

(1) 超低摩擦技術領域

〜超潤滑ナノ界面最適化技術の開発による燃費効率の大幅な向上〜

 摩擦低減技術は、自動車分野をはじめ、あらゆる産業における効率的なエネルギー活用の観点で重要な役割を果たしています。(例えば、自動車の場合、摩擦に起因する動力損失は、全エネルギー損失の30〜40%に達していると言われています。)
 本技術領域では、東北大学が有する低摩擦発現技術、物質の界面評価・解析技術、機械科学等の知見を活用し、自動車関連企業等との連携の下、超潤滑ナノ界面最適化技術を開発することとしており、これにより燃費効率の大幅な向上等に資することを目指します。
研究代表者:栗原 和枝(東北大学 原子分子材料科学高等研究機構/多元物質科学研究所 教授) >>詳細はこちら

(2) 超低損失磁心材料技術領域

〜新ナノ結晶軟磁性材料の開発による送電ロスの抑制、電力損失の大幅低減〜

 現在、トランス、モータなどの磁心材料の大半に利用されている電磁鋼板は性能向上が限界に達し、更なる電力損失の低減が困難になってきています。(トランス、モーターの磁心損失は全電量消費量の3%以上を占めていると言われています。)
 本技術領域では、東北大学で発見され、有力な代替材料として期待されるナノ結晶軟磁性材料の創成に向けた研究開発を実施することとしており、これにより送電で利用されるトランスなどの磁心材料を新材料に置き換えることで送電ロスの極小化に資することを目指します。
研究代表者:牧野 彰宏(東北大学 金属材料研究所 教授) >>詳細はこちら

(3) 希少元素高効率抽出技術領域

〜都市鉱山からの希少元素の回収・再生技術の高度化による元素循環の実現〜

 レアアース等の希少元素の供給を輸入に頼る我が国は、世界的な需要の急増や資源国の輸出管理政策により深刻な供給不足に直面する一方、我が国は世界有数の「都市鉱山」(使用済製品に含まれる有用金属を鉱石に見立てたもの)を有しています。
 本技術領域では、東北地域が強みを有する金属・精錬分野の研究ポテンシャルを活用して、元素循環に関する科学を確立し、「都市鉱山」から希少元素を回収・再生する技術の高度化を図ることとしており、これにより資源問題の解決に資することを目指します。
研究代表者:中村 崇 (東北大学多元物質科学研究所 教授) >>詳細はこちら

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