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分子イメージング研究プログラム

生物が生きた状態のまま外部から生体内の遺伝子やタンパク質などの様々な分子の挙動を観察する分子イメージング技術について、PET(Positron Emission Tomography)を中心としたイメージング技術を利用し、創薬プロセス改革、疾患の診断技術及び治療の評価技術の開発を目指します。

研究拠点構想

ヒトを対象とした分子イメージング研究を効率的に推進し、当該分野の発展に広く貢献するため、様々な分野の研究者が集結し、国内の分子イメージング研究の発展に寄与する基盤的研究開発を行う拠点を整備します。

創薬候補物質探索拠点…独立行政法人理化学研究所 (平成17年度開始)

世界最先端の化学−生物学−医学の融合により、分子イメージングを高度化し、フルに活用して、高効率に創薬候補物質を探索する拠点を構築します。本拠点では、疾患の原因となる遺伝子・タンパク質の活性制御を担う様々な化合物やその化合物に結合する標識化合物(分子プローブ)を開発すると共に、分子プローブを高速・高効率かつ安定に化学合成する革新的な技術の開発を行います。また、この分子プローブを用いてPETによる様々な薬物動態・薬効の評価・解析を行い、創薬プロセスの短縮に向けた多様な技術開発を行います。さらに、オールジャパンの研究ネットワークを構築し人材を育成することで、世界的な分子イメージングセンターを創設します。
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PET疾患診断研究拠点…独立行政法人放射線医学総合研究所 (平成17年度開始)

分子イメージングによる革新的疾患診断法や治療評価法の開発を行う拠点を構築します。世界最高水準の分子イメージング技術を確立するため、疾患診断に資する分子プローブライブラリーの構築、分子プローブの超高比放射能化、臨床利用に適した安全で品質の高い分子プローブの多種類かつ高頻度の生産を可能にする自動合成技術の開発を行うなど、疾患診断に必要な多様な技術開発を行います。 様々な分野の研究者が拠点の技術や施設・設備を活用し疾患診断研究を行う研究支援体制を構築し、拠点利用研究者等と相互に協力して、拠点自らも先進的な疾患診断研究を行います。さらに、得られた技術・成果・人材を大学や医療機関等に還元し、我が国の分子イメージング研究の発展と国民の医療水準の向上に貢献します。
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人材育成

本邦に分子イメージング研究をサイエンスとして根付かせるため、各研究拠点と連携し、将来を担う優秀な若手研究者・技術者を育成することを目指します。

国立大学法人大阪大学

大阪大学臨床医工学融合研究教育センターを基盤組織として、研究科横断型の「PET分子イメージング」教育プログラムを平成19年度に新設します。創薬候補物質探索拠点と連携し分子イメージング研究を推進し、成果を速やかに社会に還元するために、医学、歯学、薬学、理学、工学、情報科学にまたがる広範な領域の先端的知識を活用できる研究者、医師、歯科医師、薬剤師、医療技術者、企業研究者、治験計画立案者などを養成します。

国立大学法人浜松医科大学

「分子イメージング教育研究センター(仮名)」を平成19年度に新設し、既存の大学院博士課程におけるPET学のコースをさらに充実発展させます。浜松ホトニクス社のPETセンターや創薬候補物質探索拠点と連携し、動物からヒトへの橋渡し的研究、特に霊長類を用いた研究におけるPETの有用性についての講義、実習と研究指導を有意義に組み合わせて世界レベルの教育研究を教授できるユニークな人材育成の拠点を形成します。

国立大学法人東北大学

東北大学大学院の医学・工学・歯学・薬学の4研究科ではPET疾患診断研究拠点と連携による分子イメージング教育コースを平成18年10月に開設しました。PET疾患診断研究拠点との間で標識化合物を用いた疾患モデル動物を用いた基礎実験や臨床PET画像データの動態解析等の人材交流を通して、動態画像解析等に係る人材育成を行い、分子イメージング研究の発展に寄与することを目的としています。



大学等研究機関と拠点の連携によるオールジャパン体制

大学等研究機関と拠点の連携によるオールジャパン体制