ピックアップ論文紹介

書誌情報
Nature Communications 2012 Sep 25;3:1085. doi: 10.1038/ncomms2059.
著者
Li-Z and Rana-T
論文概要
iPS細胞作製技術は、近い将来への臨床応用を目指してより安全な新手法が開発されているが、作製効率が低いという課題がある。初期化のメカニズムそのものについても未解明の分野であることから、この生物学的な謎を解くことで、「完全に初期化した多能性細胞」をより効率良く作製するための技術開発も期待される。

書誌情報
EMBO J. 2012 Mar 23;31(9):2103-16. doi: 10.1038/emboj.2012.71.
著者
Zhou W, Choi M, Margineantu D, Margaretha L, Hesson J, Cavanaugh C, Blau CA, Horwitz MS, Hockenbery D, Ware C, Ruohola-Baker H.
論文概要
マウス胚性幹細胞(mESC)とマウスの着床後胚の原始外胚葉から樹立されるエピブラスト幹細胞(EpiSC)では遺伝子発現や分化能力が異なっており、ヒト胚性幹細胞(hESC)はmESCよりはEpiSCsに近いステージにあることが知られている。

書誌情報
EMBO Rep.2011 Oct 28;12(11):1153-9. doi: 10.1038/embor.2011.176.
著者
Nils Praff, Jan Fiedler, Angelika Holzmann, Axel Schambach, Thomas Moritz, Tobias Cantz, Thomas Thum
論文概要
本論文は、体細胞からiPS細胞へ誘導する際に、複数のリプログラミング遺伝子を導入する方法に加えて、新規マイクロRNA(miRNA)をさらに添加することで、作製効率が上昇することを報告した。・・・・・

書誌情報
Nat Biotechnol., published online August 14, 2011.
著者
Tang C, Lee AS, Volkmer JP, Sahoo D, Nag D, Mosley AR, Inlay MA, Ardehali R, Chavez SL, Pera RR, Behr B, Wu JC, Weissman IL, Drukker M.
論文概要
ヒトiPS細胞(hiPSCs)やヒト胚性幹細胞(hESCs)の臨床応用に際する安全性の確保には、目的の細胞へ分化誘導した後、ヘテロな細胞集団の中に残存する癌化の可能性を有する細胞の除去が必要である。米国のグループより、そのような細胞集団を見分ける手段としては、細胞表面抗原に結合する抗SSEA-5(anti-stage-specific embryonic antigen 5 )抗体が有望であることが報告された。

書誌情報
Nat Biotechnol. 2011 May;29(5):443-448.
著者
Subramanyam D, Lamouille S, Judson RL, Liu JY, Bucay N, Derynck R, Blelloch R.
論文概要

現在、ヒト体細胞からiPS細胞を誘導する方法は多岐にわたるが、さらなる効率的作製法について多くの報告が相次いでなされている。

 本報告では、ヒト体細胞からiPS細胞を誘導する際にマイクロRNA(以後miRNA)と呼ばれる数塩基からなる小さなRNAを加えることで、4因子(OCT4, SOX2, cMYC, KLF4)もしくは3因子(OCT4, SOX2, KLF4)のみを加える従来の方法より効率よくiPS細胞を作製できることを示している。


書誌情報
Stem Cells. 2011 Jul;29(7):1158-1164.
著者
Woods NB, Parker AS, Moraghebi R, Lutz MK, Firth AL, Brennand KJ, Berggren WT, Raya A, Belmonte JC, Gage FH, Verma IM.
論文概要
iPS細胞やES細胞などの多能性幹細胞は、様々な組織に分化できる能力を保持しており、再生医療へ応用が期待されている。多能性幹細胞を用いて血球系の細胞を分化誘導する取り組みが数多くの研究室において行われているが、成熟した血球細胞に分化させる効率は低いためさらなる分化誘導系の改良が必要と考えられている。本論文では、多能性幹細胞から効率よく血球系細胞に分化させる方法について報告している。

書誌情報
Cell Stem Cell. 2011; 8(1):106-18.
著者
Laurent LC, Ulitsky I, Slavin I, Tran H, Schork A, Morey R, Lynch C, Harness JV, Lee S, Barrero MJ, Ku S, Martynova M, Semechkin R, Galat V, Gottesfeld J, Izpisua Belmonte JC, Murry C, Keirstead HS, Park HS, Schmidt U, Laslett AL, Muller FJ, Nievergelt CM
論文概要

 ES細胞などの多能性幹細胞は、長期間の培養によって染色体の欠損や重複が起こることが知られている。ヒトの多能性幹細胞は再生医療の応用に期待されているが、染色体の数に異常のある細胞の利用は腫瘍形成などの危険性をともなうと考えられる。

 本論文では、ヒトES細胞ならびにヒトiPS細胞など多能性幹細胞の染色体の安定性について多数のサンプルを用いて調べている。その結果、多能性幹細胞において特定の染色体上で欠損や重複などが起こりやすいことを示し、安全性の観点から多能性幹細胞ゲノムのモニタリングが必要であることを述べている。


書誌情報
カリフォルニア大学サンディエゴ校、Nature, 13 May, 2011, doi:10135
著者
By Zhao, T. et al
論文概要

iPS細胞技術は、ES細胞のように受精卵を壊す必要がなく、また、自己由来細胞を用いれば免疫拒絶反応を回避できると期待されることから、再生医療への応用へ向けた開発競争が世界中で進められている。そんな中、本論文はB6マウス胎生線維芽細胞(MEFs)から作製したiPS細胞に由来するテラトーマが、同種同系のマウスへ移植後、T細胞浸潤を伴う免疫反応を惹起することを報告した。


書誌情報
Cell Stem Cell,8(1):31-45, 2011
著者
Jinqiu Zhang et al
論文概要

早老症のひとつであるハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群 (HGPS)は、核タンパクであるラミンAの異常(プロジェリン)により引き起こされる。ラミンAの異常は、ヘテロクロマチン形成異常に引き続いてDNA傷害を亢進することが知られている。HGPSは骨格や真皮、血管平滑筋などの間葉系細胞の異常により老化という症状が出るが、それらにプロジェリンがどう関与しているかは議論の余地がある。そこで筆者らはHGPS発症の分子的なメカニズムを解明するために、HGPS患者の皮膚線維芽細胞からiPS細胞を樹立し、いろいろな細胞に分化させてプロジェリンの蓄積とその影響などについて解析を行った。


書誌情報
Nature. 2011 Mar 10;471(7337):225-229.
著者
Itzhaki I, Maizels L, Huber I, Zwi-Dantsis L, Caspi O, Winterstern A, Feldman O, Gepstein A, Arbel G, Hammerman H, Boulos M, Gepstein L.
論文概要

 QT延長症候群(LQTS)とは、心電図上でQRS波の始まりからT波の終末までの間隔が、RR間隔に比較して長い症状を示す疾患であり、イオンチャネル機能の異常が要因となる遺伝性不整脈症候群と、長期薬剤投与または心筋障害等に起因する二次性疾患に区別される。先天性QT延長症候群は、再分極の遅延によるQT延長を特徴とする12の型に分類され、不整脈を主症状とするが、多形性心室性頻拍(トルサード・ド・ポアン,TdP)による急性心不全の怖れもある重篤な疾患である。これまでにモデル動物はあったものの、ヒトの個人差を反映するような疾患モデルの確立が求められていた。

 本研究では、カリウムチャンネル遺伝子変異による先天性2型QT延長症候群患者の体細胞をもとに、患者特異的なiPS細胞を作製する方法を開発した。そのiPS細胞を分化させた心筋細胞を疾患モデルとして用いることで、パッチクランプ法等により活動電位持続時間の延長など、疾患を特徴づける機能異常の仕組みを解析するとともに、治療に有効な薬剤を検討した。

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