研究開発トピックス

【iN細胞】Nature記事速報 Direct conversion of fibroblasts to functional neurons by defined factors

掲載日:2010年01月28日

分化のプロセスは厳密に制御されていると考えられているので、ひとたび分化した体細胞が未分化な多能性細胞へ逆戻りするiPS細胞の誕生は、大きな驚きで迎えられた。今回、マウスおよびヒト由来体細胞の一つである線維芽細胞を、未分化状態に戻すことなく、直接、神経細胞へ分化させ得る複数の遺伝子が同定された。

著者らは、神経細胞系に特異的に発現する遺伝子が、神経分化の過程にも密接に関連すると予想し、19の候補遺伝子についてiPS細胞作製と似た方法により、培養したマウス胚性線維芽細胞等から神経細胞への誘導について検討した。
すると、その中で3種類の遺伝子を同時に加えた場合に、マウス体細胞を直接神経細胞へ分化させることが出来たと報告した。
それらは共に転写因子をコードする遺伝子、Ascl1, Brn2(別名Pou3f2), Myt1lであり、遺伝的にはその3つの組み合わせで十分であるという。

作製された神経細胞は、ニューロン特異的な遺伝子を発現し、機能的にも正常ニューロンを形成するなど、神経細胞様の特性を示していた。 実験レベルで誘導された細胞として、induced neuronal (iN) cellsと命名された。
この成果により、生体の神経細胞分化に関与し、その道のりを再現出来る因子が明らかとなった事は注目に値する。
今後、これら転写因子による「分化」についての研究のみならず、神経幹細胞を利用せずとも容易に神経性疾患のモデル系を作製する可能性が拓けるなど、再生医療への進展も大きく期待される。
(本間美和子)

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