イベント報告

メディカルジャパン2015大阪
第1回 再生医療 産業化展

2015年2月4日~6日 インテックス大阪

掲載日:2015年3月19日
(独)科学技術振興機構 再生医療研究推進部

第1回再生医療産業化展をはじめ、7つの専門展で構成された医療総合展『メディカルジャパン2015大阪』が2月4日~6日、大阪府大阪市のインテックス大阪で開催されました。わたくしども科学技術振興機構(JST)再生医療研究推進部が出展した第1回再生医療産業化展は、再生医療分野の専門展としては日本初の開催です。メディカルジャパン2015大阪では723社が出展、160を超えるセミナーが行われ、会場、セミナーとも大賑わいの展示会でした。

開会のテープカットには、松井一郎大阪府知事や澤芳樹・一般財団法人日本再生医療学会副理事長(大阪大学大学院教授)など総勢40名が参加、3日間の総来場者数は2万7692人(2月9日現在)と、盛況ぶりがうかがえます。主催者によると次回開催時には規模が3倍に拡大し、世界中から再生医療の専門家が来場する国際商談展になるとのことです。

わたくしどものブースでは、再生医療実現拠点ネットワークプログラムの最近の成果等のパネル展示、山中伸弥京都大学iPS細胞研究所(CiRA)教授などが講演した1月21日開催のJST主催公開シンポジウムの動画放映をしました。また、共同研究/ライセンスアウトを希望する課題の紹介としてJST主催の新技術説明会の資料配付などを行い、再生医療産業への参画に興味を持たれている方々をはじめとした、多くのお客様に興味をもっていただきました。

賑わう展示会場

賑わう展示会場

5日に行われた再生医療セミナーの基調講演には、澤教授と佐藤正人東海大学教授が登壇。岡野光夫東京女子医科大学特任教授が座長を務めました。澤教授は『重症心不全に対する心筋再生治療法の確立』について講演。「重症心不全の治療法は、これまで補助人工心臓や心臓移植しかありませんでした。私たちは、患者さん自身の心臓を活かしながら回復させるには、再生医療が有効との考えのもと、研究開発しています。これまでに筋芽細胞シートを心臓に移植する臨床研究を行っていますが、岡野先生が開発した温度応答性培養皿による回収法により、細胞を良い状態で移植できるようになりました。昨年、再生医療に関する法律が整備されました。これから世界中の再生医療製品が日本でいち早く承認されるでしょう。日本が再生医療分野でトップランナーとなる時がきました。業界全体で盛り上げられれば」と話しました。また、佐藤教授は『関節治療を加速する同種細胞シートによる再生医療の実現』について語りました。「優れた潤滑性を持ち荷重に耐えられる関節軟骨の再生を目指しています。現在は外傷性の膝関節症に加え、治療が難しい変形性膝関節症も対象に、滑膜細胞と軟骨細胞を利用して生体内での環境を再現して細胞を増やす研究をしています。2年後には、安定供給が見込まれる多指症の治療で切除される部位の軟骨細胞等を培養して、それをシートで移植する他家(同種)での軟骨治療を実施する予定です」と話しました。

6日に行われた特別講演では、関矢一郎東京医科歯科大学教授が『滑膜幹細胞による軟骨・半月板再生』について講演。「滑膜由来の間葉系幹細胞を用いた軟骨欠損治療は2008年から行っています。関節鏡を利用して滑膜幹細胞液を欠損部に注入したところ、細胞の4割は周りの滑膜に取り込まれますが、6割が生着し、欠損部の軟骨が厚くなることがわかりました。半月板については、損傷部を縫合した後に滑膜幹細胞を移植する臨床研究を実施し、安全性を確認しているところです。半月板欠損部を観察すると、患部を治すために滑膜から細胞が誘導されてくることがわかります」と体の中で軟骨や半月板を治す役割を担っている滑膜幹細胞が、再生医療においても有用であると語りました。

また、再生医療産業化の現状と展望と題し、戸田雄三一般社団法人再生医療イノベーションフォーラム(FIRM)会長(富士フイルム株式会社取締役)、佐藤大作独立行政法人医療品医薬機器総合機構再生医療製品等審査部長、江崎禎英経済産業省製造産業局課長が講演しました。戸田会長は「再生医療の将来的な市場について、経済産業省の試算では2050年には世界で38兆円、周辺産業で15兆円と見込まれているものの、ハードウェアの割合は小さいので従前の日本の強み(ものつくり)だけでは勝てません」と新たな強みの必要性について述べました。また、再生医療製品の開発をより国際的視点で推進するために、欧米における再生医療の推進団体であるThe Alliance for Regenerative Medicine(ARM)との連携強化をFIRMの今後の重要な取組として挙げました。

セミナーの様子

セミナーの様子

佐藤審査部長、江崎課長は、行政の立場から、昨年11月25日に施行された『医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(改正薬事法)』、『再生医療等の安全性の確保等に関する法律』の内容について、関連法律との対応も含めて分かりやすく説明しました。また、法施行を受けた今後の産業の変化についてもグローバルな観点から言及しました。

関連法律も施行されるなど、いよいよ産業化に向けた環境が整い始めた再生医療。今後、日本の基幹産業になる可能性をもつ分野だけに注目もされています。一方で、基礎研究で突き詰めなければならない問題、技術の標準化、人材育成の問題など、再生医療の産業化は一筋縄ではいきません。関連法律のアクセル/ブレーキ機能を活かして、産業化と安全性を両立した再生医療を社会に浸透させる必要があるでしょう。

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