イベント報告

公開フォーラム
「再生医療で患者を救う
~法律改正により本格化する再生医療実用化に向けて~」

2014年9月28日 東京国際フォーラム

掲載日:2014年10月14日
(独)科学技術振興機構 再生医療研究推進部

本年度は、「再生医療等安全性確保法(再生医療新法)」、「医薬品医療機器等法(改正薬事法)」が11月に施行されるなど、再生医療の本格的な発展に向け国を挙げた取組が開始されます。再生医療の新しい出発を迎える中で、「再生医療で患者を救う」をテーマにした公開フォーラムが開催され、約1,200人弱が参加されました。

写真提供:日本再生医療学会

写真提供:日本再生医療学会

 

再生医療技術は、これまで医療機器や薬として審査されており、実用化が進まない主たる原因として、法制度に関する問題がありました。このような問題に対し、自民、公明両党の議員連盟「再生医療を推進する議員の会」による検討が進められ、昨年度「再生医療推進法」が公布・施行。「再生医療新法」、「改正薬事法」が公布されました(施行は平成26年11月)。本検討の過程では、日本再生医療学会が深く関与し、その功績で、世界幹細胞サミット2014におけるインターナショナルリーダーシップアワードの受賞団体に選定されました。この公開フォーラムでは、本年度を“再生医療元年”と位置づけ、法制度、研究、実用化に関する最新の進捗状況、今後の課題などについて、幅広いテーマを対象とした講演が行われました。

冒頭、岡野光夫氏(日本再生医療学会 理事長)は、再生医療産業の構造を自動車産業に例え説明され、再生医療の普及における法制度の整備の重要性が語られました。

写真提供:日本再生医療学会

写真提供:日本再生医療学会

安倍晋三内閣総理大臣は、ビデオメッセージで祝辞を寄せられました。また、「再生医療を推進する議員の会」の石井みどり 自由民主党 参議院議員は、「今回の法律制定により1つの問題をクリアしたが、実用の医療として恩恵を受けられるようにためには、コスト問題など新たなフェーズの課題解決が必要」と言及されました。

iPS細胞を使った再生医療研究に関しては、世界初のiPS細胞を使った臨床研究を開始した髙橋政代氏(理化学研究所発生・再生科学総合研究センター プロジェクトリーダー)が、今回の臨床研究をライト兄弟の飛行機開発に例え、新たなことを実用化に進める過程を分かりやすく解説。また、この臨床研究において移植細胞の品質評価に携わった山中伸弥氏(京都大学iPS細胞研究所 所長・教授)は、「問題が起きないよう徹底的な品質評価を実施したが、安全性の評価はこれからが本番、臨床研究がスタートしたに過ぎない、克服すべき問題はまだあり気を引き締め直して前進する」とし、髙橋氏のライト兄弟の例えを借り、「リスクを負うのは第三者(患者さん)であり、研究者自身がリスクを負えないことが大きく異なる点」とiPS細胞生みの親としての責任の重さを述べられました。そのほか、細胞シート、ダイレクトリプログラミング、体性幹細胞での再生医療などの研究に取り組む第一線で活躍する研究者らによる講演もあり本研究の幅広さを実感しました。

産業化に向けた取り組みとしては、戸田雄三氏(再生医療イノベーションフォーラム(FIRM) 代表理事)が、再生医療の産業化の必要性、産業界の役割、産業界から見た課題などに対して、その推進・解決のためには、研究、臨床開発、市場の三位一体の社会システム構築が必要と話しました。また、村山昇作氏(再生医療イノベーションフォーラム(FIRM)理事)は、自身の創薬会社社長時の経験を踏まえ、iPS細胞の創薬分野への応用に関しての期待について語りました。

再生医療の実用化には、アカデミア、産業界、行政、患者が結集したALL JAPAN体制での取組みが求められますが、本フォーラムは現体制の力強さを実感できるものでした。(独)科学技術振興機構もその一翼を担う組織としてより一層努力して参ります。

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